シリンダーブロック/ピストン セクション
使用パーツ
- TM-SQUARE 81.0φ鍛造ピストン×4
- TM-SQUARE ピストンピン×4
- TM-SQUARE 81.0φピストンリングセット
①シリンダーボーリング
78.0φ→81.0φ×4(ダミーヘッド使用)
このエンジンのパンチ力の源である81.0φのオーバーサイズピストンを装着するため、シリンダーをボーリング加工します。作業は、シリンダーヘッド組付け時に発生する歪を想定し、アルミ削り出しによる“ダミーヘッド”を装着し、歪を再現した状態で行います。
②シリンダーホーニング
78.0φ→81.0φ×4(ダミーヘッド使用)
①のボーリング加工で荒れてしまったシリンダー表面を綺麗に整えて、真円度を上げるために、ホーンと呼ばれる砥石で研磨(ホーニング)を施します。実際のピストン径(81.0φ)に対して、適正なクリアランスを確保するために、この工程でも、“ダミーヘッド”を装着した状態で加工します。
③シリンダーブロック上面/シリンダーヘッドの面研磨
シリンダーヘッド・ブロック接合部の細かな歪を取り、高い気密性を確保するために、ブロック上面およびシリンダーヘッドを研磨します。この部分を大きく削ると圧縮比は向上しますが、M16Aエンジンでは、タイミングチェーンの長さを変えると、バルタイが変わってしまうため、あくまでも歪を取るレベルで面研磨します。
④ピストン重量合わせ
使用するピストンの重量を計測し、4つのピストンの重量合わせを行います。高回転域での回転バランス均等化のために、レーシングエンジンでは、必ず行う工程です。
シリンダーヘッド セクション
使用パーツ
- TM-SQUARE ヘッドガスケット
(オリジナル メタル強化タイプ) - インテークバルブ×8
- ヘッドボルト×10
- バルブステムシール×16
- タペットシム×16
- インテークマニホールドG/K
- エキゾーストマニホールドG/K
- EGRバルブG/K No1
- EGRバルブG/K No2
- スロットルボディG/K
⑤燃焼室容積合わせ&磨き
専用冶具にて、燃焼室容積を測定。4つの燃焼室容積を完全に合わせ込み、狙い通りの圧縮比に設定します。この工程で、4気筒とも同じ燃焼室容積および同じ圧縮比となり、スムーズでバランスの良いエンジンに仕上がります。地味で根気のいる作業ですが、非常に重要な工程です。
⑥エキゾーストポート研磨(バリ取り研磨)
排気抵抗を低減するために、エキゾーストポート内の小さなバリ取り研磨を行います。レスポンスの良いNAエンジンには必須のメニューです。
⑦インテークバルブ交換
素材強度の問題でインテークバルブは摩耗が進みますので、新品に交換します。(右側が新品)
⑧バルブすり合わせ(インテーク/エキゾースト)
バルブが閉じた状態での、気密を向上させるため、バルブのすり合わせを行います。
クランク/コンロッド セクション
使用パーツ
- クランクメタル×5
- コンロッドメタル×8
- クランクスラストメタル
- クランクキャップボルト×10
- コンロッドボルト×8
- オイルエレメント
- クランクFオイルシール
- クランクRオイルシール
⑨クランクシャフトバランス取り
ダイナミックバランサーにより、クランクシャフトのバランス取りを行います。回転バランスの均等化のために、必須なメニューとなります。
⑩クランクジャーナル磨き
メタルとの当たり面を、よりスムーズにし、フリクションロスの軽減を目的に行います。
⑪メタル交換/クリアランス合わせ
クランクメタル、コンロッドメタルともに、新品に交換します。
また、同時にクリアランス合わせも行います。(右側が新品)
また、同時にクリアランス合わせも行います。(右側が新品)
⑫コンロッド側面磨き/重量合わせ
コンロッドの側面を磨き、その後、コンロッドの重量を計測します。そして、一番軽いコンロッドに、他のコンロッドの重量を合わせ、4つが同じ重さになるようにします。
(右:加工済み新品)
(右:加工済み新品)
⑬コンロッド小端のブッシュ入れ加工
コンロッドと、ピストンピンを接合する部分には、本来、ブッシュは存在しませんが、ここに金属ブッシュを入れることで、よりスムーズに、そして、衝撃に強くなります。コストはかかりますが、レーシングエンジンでは、必ず行う変更です。
(右:加工済み新品)
(右:加工済み新品)
⑭オイルパン バッフルプレート
サーキット走行等によるオイルの片寄りを抑制するため、オイルパンにバッフルプレートを装着します。これで、M16Aエンジンの弱点である、3・4番シリンダーのコンロッドメタルの焼き付きを防止します。