BILLION OILS
GR 86/BRZ Race 専用油 のお話。 その②
2016年12月28日(水)
前回の GR 86/BRZ Race 専用 ミッションオイル の お話し、
みなさん、いかがでしたでしょうか?
普通なら、絶対ナイショにしておく内容でしたが、
GR 86/BRZ Race に参戦されている みなさんに、
ちゃんと説明がしたく、勇気を持ってリークした次第でございます。
(ですから、他ではくれぐれも、ご内密に・・・・・・笑)
では、今回は、GR 86/BRZ Race 専用 LSD オイル の解説を
少々・・・・、いや、ガッツリと、行いたいと思います。ハイ。
まず、予選油/決勝油 という考え方は、ミッションオイルと、まったく持って同様です。
予選油 →
周回数を限定することにより、超低粘度のオイルを使用し、
アタック中のフリクションロスを低減させる
決勝油 →
連続周回が可能なレベルで、可能な限り低粘度化したのオイルを使用し、
トラブルが発生しない範囲で、フリクションロスを低減させる
そうです、LSD オイルも、油温が上昇するのは、連続周回時だけですので、
周回数が少ない予選では、徹底的に低粘度のオイルを使用する作戦です。
そして、予選/決勝 と、各々の走行環境に合わせ込むことで、
フリクションロスを徹底的に、抑制することにより、タイムを削り取るとういう
いかにも、BILLION OILS らしい戦略なのであります。
もちろん、予選アタックにおいて、
ミッションオイル/LSDオイル の両方を予選油にすることで、
相乗効果が発生することは、カンタンに想像できますよね~。
でも、LSDオイルに必要な性能は、
ギア&LSDディスクを守ることと、フリクションロスの低減だけではありません。
GR 86/BRZ Race にて、LSDオイル に求められる もうひとつの性能、
それは、どれぐらいの強さで、LSDディスクをロックさせるかです。
GR 86/BRZ Race では、LSD の中を分解して、
ディスクの当たり面の数と、カム角(2種類からチョイス)の変更が可能となっています。
ですから、サーキットレイアウトに合わせて、
通常より、効きを弱めに組む とか、
通常より、効きを強めに組む とか、
LSDの効き具合で、アンダーステア/オーバーステア といった
クルマのバランスを合わせ込むのであります。
アンダーステアが強い状況 → LSD の効きを弱く
オーバーステアが強い状況 → LSD の効きを強く
となりますが、ほんの少しの アンダーステアを解消したいとか、
気持ちオーバーステアになっている部分を安定させたいといった
微調整といった部分は、LSD本体のセットアップでは、少々難しいので・・・・・・、
「LSDオイル によって、LSDの効きを変化させる」
というニーズにて、BILLION OILS GR 86/BRZ Race 専用 LSD オイルの
開発はスタートしました。
しかし、この合わせ込みには、かなりの時間を要しましたね~!! (笑)
まぁ~、100回以上は、
岡山トヨペットのメカニックさんに、
LSDオイルの交換をお願いしました・・・・・・・。
で、最終的に、
予選油 → 効き弱め ~ 効き強め までの 5種類をバリエーション!
決勝油 → 効き弱め ~ 効き強め までの 5種類をバリエーション!
と、10種類の LSDオイルをバリエーションして、レースに挑みました。
ですから、走行後、ドライバーコメントを聞いて、
エンジニアさんと打ち合わせ、
「じゃ~、次は、ワンランク 効き強めのオイルにします!」
とか・・・・、
「だったら、一番、効きの弱いオイルに交換ね!」
といった感じで、どんどんセットアップが進んだのであります。
で、オイルでは対応できない領域に入ると、
LSDのセットアップ(プレート数/カム角)を変更し、
また、LSDオイルで、微調整を行うというパターンだと、
セットアップ的に、道に迷いにくいことも、大きなメリットになったと思っています。
また、テスト段階で、決勝用のLSDオイルが決まれば、
予選油は、何をチョイスすれば、バランスするか、
マトリックス表も、作ってあるのであります。
そして、このLSD オイルの種類によって、
LSD の効きが変わるという特徴は、セットアップできる箇所が、
かなり限定されているワンメイクレースでは、大きなメリットとなり、
最終的には、数チームに使用していただけるようになりました。
でもって!
最後は、GR 86/BRZ Race 専用 の エンジンオイル開発 にも着手!!
(やっぱり、やるからには、徹底的に! 笑)
まずは、GR 86/BRZ Race の定番である
0w-20 といった粘度から、開発はスタート!
(そうです! BIILION OILS エンジンオイルのテクノノジーはそのままに、低粘度化させました!!)
で、テストしてみると、ドライバーコメントも上々で、
ロガーで見ても、連続周回による、オイルのタレは、発生していませんでした。
また、使用油を解析すると・・・、
まだまだ、攻められることが、明確となりましたので、
もう一段階攻めて、次の試作は、0w-16 といった粘度で挑戦!!
いや~、まさに、ブレーキフルードのような 驚きの粘度・・・・・・・(笑)
かなり、恐怖心(そうなんです、案外、ビビリなんです・・・) はありましたが、
走り出してみると、まったくトラブルは発生せず、連続周回も、問題なくクリアー。
また、ドライバーコメントは、0w-20 より、
もっと高回転域で、エンジンが軽いと、高評価でした。
なお、使用油を解析しても、金属成分の増加量、粘度劣化等、
まったく問題がなかったので、GR-016A というネーミングにて、
GR 86/BRZ Race 専用 エンジンオイル として設定しました。
で、迎えた、最終戦 SUZUKA に、
オイル工場の精鋭メンバーと、ガッツリ打ち合わせを行い、
もうワンアイテム、エンジンオイルの試作を作ってもらいました。
ヘアピンから、スプーン そして、裏ストレートといった、
上り区間 & 中速トルク に、フォーカスした仕様のエンジンオイルなのであります。
(エンジンオイルの作り方で、こんなことができるなんて、ちょっとビックリでしょ?? 笑)
で、走行後のドライバーのコメントも、
「明らかに上り区間が速くなった!」 と、まさに筋書き通りのコメント!!
また、ロガーDATA を見ても、バッチリ違いが出ていましたので、
このエンジンオイルも、GR-020B として、設定することになりました!
GR-016A (0w-16) → ローフリクション 高回転重視タイプ
GR-020B (0w-20) → ローフリクション 中速トルク重視タイプ
ちなみに、通常の 0w-16/0w-20 にて、使用されている添加剤は、
省燃費タイプ の添加剤配列 が多い中、
BILLION OILS の エンジンオイルは、骨太なサーキット完全対応の添加剤群により、
ガッツリとエンジンを守ってくれます。
ですから・・・、
ノーマルエンジンからパワーを絞り出すための低粘度化だけではなく、
厳しい環境でも、しっかりエンジンを守れて、
でもって、サーキットレイアウトに合わせて、エンジンオイルをチョイスできるのが、
いかにも、BILLION OILS なのであります!
そして、そして、このエンジンオイルを
Vitz のワンメイクレースに参戦されている 某ドライバーにも、
テストしていただいたところ・・・・・、
「絶賛!」の評価をいただきました!
(特に、GR-020B は、大絶賛でしたね~)
いや~、「ピットロードを出た瞬間にわかる!」 というコメントと、
統一戦の あのリザルトは、本当に、ス・テ・キです!!
とまぁ~、2回にわたり、お伝えした
BILLION OILS GR 86/BRZ Race 専用油 のストーリー
お楽しみいただけましたでしょうか?
ちなみに、今回、ご紹介した 全アイテムのオイルが、
すでに購入可能となっております。
(一部の商品は、まだ、十分な数が準備できておりませんが・・・・・・・)
でもって! WEBサイト も、すでに完成しております!!
BILLION OILS GR 86/BRZ Race 専用油
またね・・・、なんと!
ステッカー貼付による、サポート価格の設定もありますので!!
GR 86/BRZ Race 参戦者のみなさん!
レーシングチーム & ディーラーチームのみなさん!!
どうぞ、よろしくお願いします!!!
ということで!
先日の TGRF にて、岡山トヨペットさんとの契約も終了しましたので、
来年は、ただの・・・、いや、すご~い オイル屋のオッチャンとして、
GR 86/BRZ Race に、参戦予定の 田中ミノル がお伝えした、
BILLION OILS GR 86/BRZ Race 専用油 のお話 でした!!