エンジン
オートポリス で発生した 油圧計トラブルの原因 !
2016年06月15日(水)
発生した、油圧系のトラブル・・・・・・・・・・・。
エンジンを オーバーホールして、
原因を探ってみると、2箇所、不都合がありました。
トラブル①
シリアスなレベルではありませんが、
メタル にキズが入っていました・・・・・・。
トラブル②
オイルポンプのリリーフバルブ に、引っ掛かりがありました・・・・・・。
(規定値以上に油圧が上がったときに、オイルをバイパスさせるラインが、
いつも、少し開いた状態になるトラブルです・・・・・・)
だから、油圧が、3k ぐらいまでしか、上がらなかったり、
通常の圧力まで上がったりしていたのですよね・・・・・・・・・・・。
以上のように、油圧低下の直接的な原因は、
オイルポンプのリリーフバルブ でしたので、
まぁ~、結論から言えば、「もう1日、走れたかも・・・」 となりますが、
「自走で帰ってくること」 も、道場破り には、重要なテーマですので、
今回の判断は、正しかった と思います。ハイ。
また、今回、使用したエンジンは、10万キロ以上走っているエンジンを
ベースに作っていますので、オイルポンプ ASSY (21,700円) は、
交換しておけば良かったと、いまさらながら、思います・・・・。ハイ。
でも、大問題は、メタルのキズです!
だって、オイルのライフも、油量も、シッカリと管理している状況で、
メタルにキズが入るということは・・・、走行中、オイルのデリバリーが、
途絶える瞬間があったと言うことですからね・・・・。
もちろん、今回、使用したエンジン には、
TM-SQUARE オイルパン バッフルプレート (SPEC1) が、装着されておりますが、
それでも、不十分な状況が発生していることに、驚きました・・・・・。
ちなみに、オートポリオスと言えば、日本で一番 油圧に厳しいサーキット ・・・。
GT でも、スーパー耐久 でも、ワンメイク でも、
間違いなく、油圧の厳しさ No1 のサーキット なのであります。
その理由は、長く強烈な 「G」 + 高回転 といった図式です。
また、特に、スイフトのエンジンは、右コーナーに弱く・・・・・、
(オイルが、片寄りやすいんです・・・)
ですから、ジェットコースターから先は、油圧にとっては、
まさに地獄なのであります。
だって、ヤバイぐらいに、強い 「G」 が、ずっと続き、
おまけに、全開 & 高回転ですからね・・・。
それに、油圧系のトラブルは、ラップタイムにも、大きく左右されるのであります。
もちろん、ラップタイムが速くなればなるほど、この 「G」 は、加速度的に増加し、
エンジン回転数も、アクセルの全開率も、上がることから、エンジン(油圧)にとっては、
強烈に厳しい状況となってしまうのです。
そういった意味では、今回は、
2分15秒台のラップタイム・・・、
通常より回転リミットを引き上げたECU・・・、
高回転を多用するクロスミッション・・・
と、条件的にもかなり厳しかったと思います。
そして、まぁ~、関東圏なら、
TC2000 の最終コーナー あたりが、油圧が厳しい 名所? となりますが、
やっぱ、オートポリスのジェットコースターから先は、まさに、別格 なんですね・・・・・。
改めて今回のアタックで、思い知らされました・・・・。ハイ。
では、なぜ、
右コーナー
強烈な 「G」 が長く続く
全開 & 高回転
にて、油膜切れが発生するのか・・・・、を解説したいと思います。
それは、オイルポンプにて、エンジン各所に送られたオイルが、
「G」 により、エンジン内部の側面や、窪みに貼り付くことから、
オイルパンに戻ってくるまでの時間が、長くなり・・・・・・、
この状況で、アクセル全開 & 高回転 の状態が続けば、
オイルの吐出量は、ずっと、Max をキープしていることから、
オイルパン内の油面が下降してしまいます。
そうです、こうなると、たとえ、オイルが片寄らないように、
オイルパン内に作られた仕切り板 (オイルパンバッフルプレート) があっても、
そこに戻ってくるオイルの量が少ないことから、
オイルパン内の油面は、下がってしまうのです。
そして、油面が下がると、ストレーナ(オイルの吸い込み口)から、
エアが入り込み、一気に油圧が低下・・・・・・・・・。
結果、メタルに十分なオイルを届けることができないことから、
油膜切れにより、メタルにキズが入ってしまうのであります。ハイ。
また、スイフトが、右コーナーで、油圧系トラブルが発生しやすいのは、
オイルパンの形状と、深い関係があります。
この写真は、オイルパンの後方、正面から撮った写真なのですが、
右側は深く、左側は浅くなっていますよね??
そうです、だから、右コーナーでは、
「G」 にて、オイルは、矢印の方向に引っ張られ、
ストレーナのある、オイルパンの深い部分に、
溜まりにくくなることから、エアを吸っちゃうのであります。
そこで!
TM-SQUARE では、4号車に搭載した
あのエンジンにて、徹底的に学んだ、
オイルパン バッフルプレート SPEC2 をリリースすることにしました。
(だって、まぁ~、回転域も、「G」 も、強烈でしたので、
徹底的な油圧管理が、必要不可欠だったのであります!!)
SPEC1 から、進化した特徴は、2つ!
進化①
クランクシャフトとオイルパンの間にセットされるプレートが、
エンジンに対して水平から、地面に対して水平へと、変更されました。
まぁ・・・、かなり細かなことですが、
スイフトのエンジンって、少し前傾した状態でクルマにセットされますので、
エンジンに対して水平にセットされたプレートと、実際の油面とは、
必ずしも同じアングルにはならないのです。
そこで、SPEC2 では、より効率よく、エンジンオイルを
オイルパン内に閉じ込めておけるよう
このプレートを、地面に対して水平になるように、セットしました。
進化②
より、エアを吸い込まないように、ストレーナの形状を変更しました。
これが純正のストレーナ形状となりますが、
油面が一瞬でも、金網の中のパイプ部分まで低くなると、
そこからエアを吸ってしまいますので・・・・・、
こんなカタチに加工しました。
(左 純正品 右 TM オイルパン バッフルプレート SPEC2)
そうです、金網の上部は、金属板で覆われていますので、
オイルは、ストレーナー下部からのみ、取り込まれます。
すると・・・、「G 」や、エンジン回転で、少々、オイルパン内の油面が下っても、
エアを吸い込みにくい 構造となるのであります。ハイ。
みなさん、いかがでしょうか?
数々のレーシングエンジンを 世に送り出している
いかにも、スーパーエキスパートらしい発想ですよね~~!!
ちなみに、
TM-SQUARE オイルパン バッフルプレート SPEC2 は、
すでに、在庫も、OKだったりします!!
TM-SQUARE オイルパン バッフルプレート SPEC2 (ストレーナー付き)
¥45,000(税込)
(ZC31S / ZC32S 共通品)
また、匠工房でも、装着が可能となっており、
工賃込みのプライスは、
¥67,000(税込) となります。
※ オイル代 別途。
※ 作業は一日で終了します。
ということで!
「転ばぬ先の杖」 として、
そして、油圧の厳しいサーキットを安心して走るためにも、
テクノロジーがギッシリ詰まった
TM-SQUARE オイルパン バッフルプレート SPEC2
みなさん、どうぞよろしくお願いいたします!!
(と、最後は宣伝になってしまいました・・・・・・笑)
あっ!
WEB サイト も、完成しております!!