田中ミノル式  FF 機械式 LSD 完全解説   「曲げるための LSD 有効活用法」④

さぁ~、Content4では、
実際にドライバーがどのように LSD を活用すれば、
「今までより速く走れるのか」といった部分をお伝えしたいと思います!


ただ・・・、ここから先・・・・、
ドラテクの基本を理解する必要があるんですよ・・・。


ですから!
エキスパートの方には、 「もう、知ってるよ!」 と言われそうですが、
「おさらい」 ということで、少々ドラテクにお付き合いください。



タイヤの タテ グリップ / ヨコ グリップ

まず、タイヤには、タテ方向のグリップ (ブレーキ & トラクション) と、
ヨコ方向のグリップ (コーナーに対して踏ん張る力) の2種類のグリップが存在し、
ドライバーはそれらを組み合わせて、グリップの限界内で走っています。


このグリップを余すことなく有効に使用するためのドラテク術である、

田中ミノル式   タテ + ヨコ ≦ 10 の法則

詳しくはこちらを!

その①

その② 

その③

その④



要するに、減速を伴うコーナーにおいて、
タイヤの タテ グリップ と、ヨコ グリップ を 組み合わせることで、
進入から立ち上がりまで、ずっと、
タイヤのグリップを Max に活用するためのドラテクなのであります。



では、本題に、いきますよ~!


LSD 装着によるメリット、
まずは、みなさん よ~くご存知の 「トラクション性能の向上」 です。


LSD を装着すると、コーナリング中に、大きな荷重移動により、
たとえ内輪のグリップが、大きく低下しても、
しっかり、外輪には、エンジンパワー(トラクション)が伝わります。


ですから、内輪が空転することで、外輪のトラクションが途絶える
オープンデフと比較して、アドバンテージがあるのです。



しかし、メリットは、「トラクションが強いこと」 だけではありません。
特に、クリッピングポイント近辺で、ドライバーが、アクセルを開けた瞬間は、
とても大きなメリットが存在しますので、ちょっと、その状況をイメージしてみて下さい。



ブレーキングを伴うコーナーの場合、ドライバーの作業は、



① アクセル OFF
② ブレーキング(減速のためのブレーキング)

③ 徐々にブレーキリリース(曲がるためのブレーキング) + ステアリング

④ 完全にブレーキリリース + 最大舵角



の順で、クリッピングポイントを迎えますよね?


そして、クリッピングポイント周辺にて、少しでも、グリップに余裕ができた瞬間、
この余裕 (グリップ) を無駄なく使用するために、ドライバーはアクセルを踏み始めます。



この状況を FF 車両のフロント外輪で考えると、
タイヤの タテ グリップ と ヨコ グリップ の関係は、
下記のグラフ(面積)のように表記することができます。

ちょっと、説明を加えると、ブレーキのリリースが完全に終了した後、
タイヤのグリップは、ヨコ方向のみに使用され、
そして、曲がりながら車速が落ちることで、
少しヨコグリップに余裕が生まれる瞬間 (上図 A の部分) に、
ドライバーはアクセルを踏みはじめます。



しかし、オープンデフ の車両では、
このドライバーからクルマへの指示は、反映されません。


なぜなら、この状況でドライバーがいくらアクセル踏んでも、
内輪の空転により、外輪にトラクションが伝わらないからです。


結果、このクリッピングポイント周辺で、タイヤのグリップを有効に活用することができず、
ドライバーは、内輪の接地が強くなるまで、「待つ」 しか手がありません。





また、この指示(アクセルON)に対してクルマが反応しないことから、
ドライバーは、その先に存在する とっても重要なドラテク(次回に説明します)を
活用できないという大きなデメリットがあるのです。



いや~、ついに 核心に迫ってきました 
田中ミノル式  FF 機械式 LSD 完全解説   「曲げるための LSD 有効活用法」


では、Content5は、LSD 装着における 最大のメリットとなる、
究極の LSD 活用法 と ドラテク を 一気に、そして、ジックリ と解説したいと思います。






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  • ※本編は、田中ミノルが今まで経験したことを元に、私的な見解にて、解説を行っておりますので、物理的な裏付けはありません。また、実際に、本ドラテクを活用されたことにより発生したトラブル等に関しては、田中ミノル および ㈱ミノルインターナショナルは、一切責任を負いませんので、すべて自己判断にてご活用下さい。
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  • ※途中からご覧になりますと、理解できない部分が発生しますので、Content1から順にご覧ください。