駆動系パーツ
LSD 基礎講座 ④

2009年10月19日(月)

では、今日は、

減速側のカム角の話を。

 

FF + 1.5way のLSD の場合、

減速側のカム角は、あまり大きくしません。

 

理由は、コーナー入口で

アンダーステアになりやすいからです。

 

では、なぜ、減速側に

LSD の効きが必要かと言いますと、

それは、ブレーキング時の安定感のためです。

 

減速時に、LSD が効くと、

クルマは、真っ直ぐ走ろうとします。

 

真っ直ぐ走る = 安定感がある

となりますので、

ブレーキング時に

クルマが左右に暴れにくくなるんです。

 

また、この特性は、

高速コーナーでの、

パーシャル域でも有効です。

 

全開でいけないような高速コーナーで、

アクセルを少し抜いて、

エンジンブレーキがかかった瞬間に、

クルマが 「グラッ」 ときて、

そのまま、”さようなら~” って、

よくある話です。

 

こんな時、

減速側でLSD が効いてくれたら、

クルマは、安定した状態が

保たれるというわけです。

 

 

でもね、この減速側での効きは、

「諸刃の剣」 でもあります。

 

だって、コーナーの進入で、

安定しすぎると、

必ずや、アンダーステアになりますから・・・。

 

だからこそ、徹底的な開発が

必要になるのです。

 

TM-SQUARE LSD は、

ブレーキや高速コーナーでは、

クルマを安定させ、

コーナー入口では、

アンダーステア にならない。

 

その、微妙な、いや、絶妙な

カム角の設定となっています。

 

どうです!

これぞ、こだわりでしょ??

 

 

では、次回は、

イニシャルトルクのお話を!!

 

ike_96501

駆動系パーツ
LSD 基礎講座 ③

2009年10月17日(土)

では、今日は、

LSD のカム角の話を。

 

話を単純にするため、

減速側のことは、

ちょっと、置いておいて、

加速側のことで、説明しますね。

 

カム角のことを

機構の説明から入ると

頭が混乱しますので、

カム角=実際の効果 という形で、

ドライバー視線から、お話します。

 

このカム角によって、

何が一番大きく変わるかというと、

アクセルON によって、

LSD が、どのようなカーブを描きながら

ロックしていくかが決定されます。

 

では、下のグラフを見てください。

 

lsd-e381aee58ab9e3818de696b9

 

 

これは、

時間軸の、一番左側で、

アクセルON にして、

LSD が、どのようにロックしていくかを

グラフ化したものです。

 

赤いラインは、

アクセルON の瞬間から、

レスポンス良く、効いているのに対して、

 

青のラインは、

ロックするまでに、

少し時間がかかっていますよね。

 

 

そうです、この違いを作り出すのが、

カム角なんです。

 

このカム角は、

数字が大きくなると、

レスポンス良く、急激にロックし、

数字が小さいと、

徐々にロックします。

 

たとえば、30度のカム角と

45度のカム角では、

45度の方が、より速く、LSDが効き、

両輪がロックされるのです。

 

 

でね、大切なことは、

タイトコーナーの出口って、

いきなり、アクセルは、全開にならないでしょ?

 

ということは、

この、レスポンスは、

全体的に、

もっとゆっくりになるんですよ。

 

だから、カム角によって、

アクセルに足が乗った瞬間から、

全開になるまで、

LSD が、どの瞬間から、

どれぐらいの強さで効くかを

決定できるのです!

 

タイトコーナーの立ち上がりで、

どのように、LSD を効かせるかを

決められることから

LSD は、とっても重要な、

セッティングパーツ となるのです。

 

TM-SQUARE LSD は、

この部分を田中が

徹底的にテストしてカム角を

決定したんですね~。

 

それも、既存のカム角では、

少し、妥協しなければならない点が

あったので、作ってもらったというわけです。

まさに、田中ミノル オートクチュール なのです!!

 

みなさん、理解できましたか?

 

では、次は、減速側のカム角の話を!

 

ike_00211

駆動系パーツ
LSD 基礎講座 ②

2009年10月16日(金)

では、今日は、

LSD の種類について、お話します。

 

正直、田中は、

あまり好きなジャンル分けでは

ありませんが、

世間一般的には、

LSD を3つのジャンルに

分けています。

 

① 1wayタイプ

減速側では、カムによるロックがなく、

加速側のみ、カムによりロックするタイプ。

 

カンタンに説明すると、

アクセルを踏んで、コーナーを立ち上がる時に

ロックする。

(左右のタイヤに同じようにトラクションがかかる)

 

しかし、減速側(アクセルOFF)のときは、

LSD 効果がなく、両輪がロックされず、

フリーになる。

 

(と一般的には言われてますが、

田中はそう思いません。このあたりは、

また追って説明します)

 

② 2wayタイプ

減速側、加速側とも

カムにより、同じロック率でロックするタイプ。

 

要するに、加速側も減速側も

同じように、ロックするタイプです。

 

一般的に、減速側のロックが強く感じるので、

クルマを曲げるには、ちょっとテクニックは、

必要ですが、昔は、LSD と言えば、

ほとんどが、このタイプ。

 

③ 1.5wayタイプ

減速側、加速側とも、

カムによりロックするが、

減速側では、ロック率が低いタイプ。

または、減速側、加速側のロック率が違うタイプ。

 

ネーミングからも、

1way と 2way の中間的存在です。

 

減速側、加速側の差を

いろいろ変化させることができますので、

セッティング幅が広がります。

 

 

 

このように、LSD を効かせるには、

カムと呼ばれるもので、

効きをコントロールするのですが、

それが、加速側と減速側で

どのような効き方をするかによって

グループ分けがされているのです。

 

今回は、

セッティングエキスパートの方には、

退屈な話だったかもしれないですね・・・。

 

次回は、このカムの角度について

話しますね。

 

 

ike_00111

駆動系パーツ
LSD 基礎講座

2009年10月15日(木)

TM-SQUARE LSD 発売秒読み

ということで、

今回から、LSD のお話を少し。

 

まず、「なぜ、LSD は、必要なのか?」

そう、LSD の必要性 について

話しますね。

 

 

FF のスイフトにとって、

LSD が一番必要な状態、

それは、タイトコーナーの出口です。

 

大きく舵角のついた状態で、

クリッピングポイント周辺から少しずつ、

アクセルを踏み込んでいく時、

LSD が装着されていないと、

左右の回転差を補うため、

デフの中で空転がはじまります。

 

こうなると、

トラクションが弱くなるだけではなく、

一定のトルクを

かけ続けることができないことから、

不安定なトラクションになってしまいます。

 

結果、

クルマは安定したフロントグリップを

確保できないことから、

フワフワとクルマが外に逃げる、

アンダーステアが発生してしまうんです。

 

もちろん、LSDが装着されていないと、

縁石などに乗り、

片輪(内側のタイヤ)が接地していない場合は、

まったくトラクションがかかりません。

 

そうです、

これらの部分を抑制することが、

LSD 装着、最大のポイントとなります。

 

だって、コーナリング中や、

縁石に乗ったときは、

アクセルを踏んでも

ちゃんと加速しないし、

 

コーナー出口で、

アクセルを少し踏んでいる状態で、

一定のトラクションがかからないことから、

アンダーステアを誘発・・・・・。

 

これでは、やはり、スポートドライビングは、

できないです・・・・・・・。

 

 

でも、LSD を装着すると、

片輪が浮いてても、

シッカリとトラクションが掛かり、

 

タイトコーナー出口でも、

アクセルを踏めば、その分だけ、

一定のトラクションが掛かりますので、

アンダーステアを抑制する。

 

それが、LSD というパーツなのです!

 

以上、LSD が必要な理由でした。

 

つづく。

 

ike_96371

駆動系パーツ
LSD 販売価格 決定!

2009年10月14日(水)

さあ~、あと少しで、

TM-SQUARE のLSD が、

発売になりますよ~。

 

TM-SQUARE LSD は、

LSDの老舗 KAAZ社と、

ドラテクマニア 田中ミノル との

共同開発により誕生した、

ZC31S 専用設計の

機械式LSD(リミテッド・スリップ・デブ)です。

(注 レッツ・スポーツ・ドライビング ではありません・・・)

 

 

みなさんも、よ~く、ご存知のように、

田中 のリクエストは、

超マニアックですよね。

 

でも、

KAAZ社は、これらのリクエストを

実現するために、

新規のカム角までを設定。

 

田中の理想を

妥協することなく、

カタチにしてくれました。

(これって、スゴイ!)

 

ブレーキング → コーナリング → トラクションと、

LSDが確実に、そして、最適な

タイミングで作用しますので、

アンダーステアを抑制し、

ラップタイムの短縮を可能とします。

 

また、ストリート/サーキットとも、

不快なチャタリング音、

振動とも、完全抑制。

 

チャタリング音がないのに、

コーナーでは、シッカリとLSD が

効いてくれるという、

究極のイニシャルトルクとカム角の

バランスを実現しました。

 

もちろん、TM-SQUARE LSDは、

すでに、田中がBEST と考える

イニシャルトルクとカム角に

セッティング済みです。

 

そのまま、組み込んでいただければ、

TM-SQUARE のデモカーに装着されている状態と、

まったく同じとなります。

 

ということで、

スペック&プライスは、

こんな感じになりました!!

 

仕様 1.5way / 機械式

イニシャルトルク  6.5kg  (蔵出し時)

価格  115,000円(税込)

使用オイル  80W90 (KAAZ製 LSD専用オイル)

 

 

発売まで、もう少しだけ、お待ち下さいね!!

 

ike_00031

駆動系パーツ
REV SPEED 取材 in  SSパークサーキット

2009年08月07日(金)

やっと、昨夜遅くに、

取材から帰ってきました。

 

今回は、水曜日に、日光サーキット、

そして、昨日が、福島の

SSパークサーキット で、

REV SPEED さんの取材でした。

 

日光での出来事は、

あまりにも「凄かった」 ので、

このお話は、今度ゆっくりと書くとして、

今日は、昨日の取材のお話を。

 

場所は、田中、初参戦の

SSパークサーキット。

p1040632

 

ここで、REV SPEED DVD の

LSD 特集の収録を行いました。

 

メンバーは、

ジャイアン(大井さん)と、

p1040564

 

 

本番前の「鼻毛チェック」 に没頭する?

Zファイター山田さん、

p10405832

 

 

 

そして、我らが「スイフト王子」 前田さん。

p1040615

 

プラス田中の豪華メンバー?で

LSD 特集の収録は、スタートしたのです。

 

今回の取材は、LSD 装着と非装着で、

クルマの動きがどのように変わるか

といった取材で、

 

FF代表で、TM-SQUARE

FR代表で、大井さんの S15 シルビア、

そして、4WD代表で、クスコさんの

デモカー GRB インプレッサ を

使用しました。

 

p1040569

 

しかし、昨日は、とんでもなく暑く、

湿度も強烈、

オマケに風もなかったので、

みんな、バテバテ ・・・・・。

 

コレって、オニヤンマ ?

コレって、オニヤンマ ?

そんな中、

田中一人、ギャグを飛ばしまくり、

和やかに、撮影は進みました。

 

もちろん、

TM-SQUARE のLSD と言えば、

田中がここ数ヶ月、

異常なまでの執着を持ち、

スイフトに合わせ込みを行った、

スーパー自信作!

 

テスターの皆さんに、どのような、

評価を受けるか、

ちょっぴり心配でしたが、

評価は、上々!!  で、

とっても、良い取材となりました。ハイ。

 

 

ま~、徹底的にやりましたからね~。

 

 

田中の理想を形にするため、

カム角も、既存品がなかったので、

作ってもらっちゃいましたから・・・。

 

まさに、スイフトの、

スイフトによる、

スイフトのための、LSD 。

 

それが、

TM-SQUARE のLSD なのです!!!

 

 

タナカミノル式、ドラテクに直結する

走りに必要な要素が、

バッチリ 詰まってますので、

発売まで、もう少し、待っててくださいね。

(スペック&詳細は、近々!)

 

p1040606

駆動系パーツ
開発テスト in 筑波2000

2009年07月09日(木)

一昨日は、本庄サーキットで

HYPERCO の取材。

そして、昨日は、

筑波2000 で開発テストでした。

 

取材の件は、また後日、

お話しますので、

今日は、昨日の

開発テストの報告です。

 

まず、サーキットに到着すると・・・・・、

「雨が・・・降ってました・・・」

ヤ、ヤバイ・・・・・。

 

 

p1030666_s1

 

でも、今回のテストで

お世話になる、

ダイシン フェラーリ のエンジニア

望月さんは、晴れ男のようで、

急激に天候は回復しました。

(そう、昨日も登場いただいた、望月さんです)

 

p1030708

 

ということで、テストスタート!

 

今回のテストメニューは、

秘密兵器?の最終確認。

 

田中が次に、

何を企んでいるかというと・・・・・、

 

 

LSD です!

 

 

 

今回、持ち込んだ仕様は、

今まで、いろんなカム角、

いろんなイニシャルトルクで

テストした、集大成。

(デフ交換要員のなんぐう さんが、

飽きるぐらい、やりました・・・)

 

田中が set するからには、

妥協なんて言葉はありません。

 

だから、カム角も、

既存の商品には、ないものを

ガンガン作ってもらっちゃいました・・・。

 

で、テストの方は・・・・・、

 

 

 

もー、完璧です!!

 

 

 

よく曲がって、トラクションが強くて、

そして、絶対ストリートで音がでない

スイフト ONLY の

タナカミノル スペシャルが、

完成しました。

 

リリースには、

少々、時間がかかりますが、

みなさん、楽しみに待っててくださいね。

 

アンダーステアを抑制し、

ラップタイムが上がって、

誰が乗っても、使いやすい、

究極の合わせ込みを行いましたので、

乞う ご期待 です!!

 

いや~、シビレますよ~。

 

スペックの詳細は、

また今度ゆっくりと!