開発テスト in 筑波2000 ③

2009年07月15日(水)

今日は、

夢の?トーイン0 の話の続きです。

 

FF  のリアトーインは、

ブレーキングでの安定感が欲しい時や、

オーバーステア対策では、必要ですが

今の1号車のバランスでは、

不要と判断したので、

やってみたかったのです・・・。

 

でもって、走行してみると、

タイトコーナーは、ありえなく速い!!

信じられないスピードで曲がってくれます。

 

でもって、

ブレーキングや高速コーナーでの

オーバーステアも、

まったく持って、発生せず、

オマケに、ストレートは、

抵抗が少ないことから、

スピードも少し上がりました!!

 

 

でもね・・・、

DUNLOP と、最終コーナーは、

アンダーが少し強くなってしまいました・・・・・。

 

この原因は、キャンバーにあります。

 

特盛り にすると、

かなりガッツリ(実測 4度30分ネガ) と

付いてしまいますので、

”G” の強いコーナーでは、

リアタイヤのグリップが、上がり過ぎ、

それで、アンダーステアになってしまうのです・・・。

 

フロントタイヤ イン側に ダ、ダメージが・・・。

フロントタイヤ イン側に ダ、ダメージが・・・。

 

ま、なにごとも、

やり過ぎるところまでやってみて、

戻ればいいんですから・・・・・。

 

というか、

このあたりのインフォメーションを

しっかり、伝えることが、

使命だと思っていますので!!

 

ということで、

キャンバーシム並盛り と

大盛り の仕様は、以下の通りです。

 

純正からの変化量

並盛り

大盛り

トーイン

0°20′レス

0°30′レス

キャンバー

1°10′ネガ

2°20′ネガ

 

上記は、純正からの変化量で、

装着前に、整備書の基準どおりに

アライメントが出ている場合、

以下のような、

アライメントになります。

 

純正(基準値)

並盛り(基準値)

大盛り(基準値)

トーイン

0°50′IN

0°30′IN

0°20′IN

キャンバー

-1°00′

-2°10′

-3°20′

 

もちろん、車輌にダメージがある場合や、

純正状態で、基準値近辺の

アライメントではない場合は、

上記のアライメントには、

なりませんので、ご注意くださいね。

 

 

さあ、あと少しで、

キャンバーシム 大盛り が完成しますので、

もう少し、お待ち下さいね!!

開発テスト in 筑波2000 ②

2009年07月14日(火)

じつは、先日の

筑波2000 のテスト項目は、

LSD だけでは、ありませんでした。

 

p1030656_s

 

望月さんと、

以前から計画していた、必殺技、

キャンバーシム 特盛り

試してみたんですね~。

 

キャンバーシム 特盛り の作り方? は、

いたってカンタン。

 

並盛り と 大盛り

同時に使用するだけです。

 

p1030717

 

 

なぜ、まだ大盛りが、

リリースされる前に、特盛り を

試してみたかったかと言いますと、

それは、キャンバーの問題ではなく、

トーインを少なくしたかったからです。

 

キャンバーシムを装着する前、

純正状態での、トーインは、

通常、in 50分。

 

スイフトの整備書によると、

トータルトー(左右の合計)で、

5mm ±5mm です。

 

整備書を鵜呑みにすると、

トータルトーで、

0mm~10mm のトーインということになります。

 

でもね、いくらトーションビームを

溶接で接合するといっても、

こんなに公差は、発生しません。

 

私が、実際に測定した、7台の車輌では、

トータルトーで、

in  4mm~6mm ぐらいでした。

 

また、デモカー2台では、

2台とも、in 5mm でした。

 

この、in 5mm を角度に直すと、

約 in 50分という訳です。

 

キャンバーシム並盛り は、

トーインが、20分 レスになりますので、

装着時は、in 30分。

 

大盛り は、

トーインが、30分 レスになりますので、

装着時は、in 20分。

 

で、この2枚を合体させれば、

夢の、トーイン0分 が完成します!

 

これがやってみたかったんです!!!

 

つづく!

p1030696

サスペンション
富士スピードウェイ 開発テスト(キャンバーシム編)

2009年06月24日(水)

昨日は、富士スピードウェイにて、

開発テストでした。

 

朝、サーキットに到着すると、

そこは、霧の中・・・。

 

p1010789

 

テストになるのか、心配でしたが、

今回から、

開発を手伝うことになった、

新人の大出(おおいで)は、

どうやら、「晴れ男」 のようで、

どんどん天候は回復。

 

p1010781

 

おまけに、今回は、

サスペンションの神様

望月さんも一緒なので、

とっても、心強いです。

 

p1010783

 

まずは、セミウエットの状態で、

チョロッと走ったところ、

リアのスプリングレートが足りなかったので、

スプリング交換。(もちろん、ハイパコです!)

 

p1010799

 

ある程度、バランスがでたところで、

いよいよ、あのパーツの投入です!

 

って、なにを???

 

ヘッヘッへ~、

作ってしまったのですよ、

新仕様のキャンバーシムを!!

 

p1010828

 

今回の仕様は、

キャンバーがガッツリ付く仕様で、

開発コードネーム は、

キャンバーシム(大盛り) です。

 

なかなか、迫力あるでしょ?

なかなか、迫力あるでしょ?

 

で、効果の方は・・・・・、

 

いや~、しびれました。

すんごく、リアの限界が上がり、

コカ・コーラ コーナー(Aコーナー)の

ボトムスピードは、

格段に向上!!

 

100Rは、余裕で、どんなラインでも、

全開でいけるようになりました。

 

100R全開は、

ドライバーの勲章!

いや、男の誇りです!!

 

気温30度、湿度95%以上で、

ラップライムもレコードを更新し、

2分14秒5までいき、

いやはや、会心のテストでした。

 

望月さん、「ありがとうございました!」

 

p1010858

 

キャンバーシムの詳細は、

また今度ゆっくりと。

サスペンション
足廻りは、何からはじめる? ②

2009年06月17日(水)

今回も足廻りの話を少し。

 

TM-SQUARE のトーションビームの

メリットは、前回のブログで、

理解してもらえたと思います。

 

そう、コーナー出口で、リアのロールを抑え、

フロント/イン側の接地を確保し、

アンダーステアを抑制するパーツなのです。

 

また、リアがロールしないとで、

タイヤの接地が、

より、理想的な状態となります。

(ロールすると、タイヤが接地する

角度が悪くなり、タイヤの角で走ってしまいます)

 

また、コーナー出口で、フロント/イン側が、

うまく接地するということは、

しっかりと、トラクションもかかりますので、

まさに、LSD を装着したように、感じるのです。

 

田中が、はじめて

TM-SQUARE のトーションビームを

テストしたときの感想も、

「LSD を付けたみたい!」 でした。

 

LSD は、フロントのどちらかのタイヤが、

トラクションを失ったとき(空転がはじまったとき)

はじめて、作動するわけですから、

いつも、ベターっと、

フロントタイヤが路面に接地している状態では、

LSD  が装着されているように感じるのです。ハイ。

 

スイスポの足廻りのセットアップは、

このパーツがないと、

はじまらないと、田中は、断言できます。

 

それぐらい、激変するパーツなのです。

 

2008_dec11-0432

サスペンション
足廻りは、何からはじめる?

2009年06月16日(火)

最近、イベントで、

よく質問されることがあります。

 

それは、

「今、足はノーマルなのですが、

何からやったらいいですか?」

という質問です。

 

田中の返答は、

「将来的に、ちょっとぐらい、

サーキットも走ってみたい」 といった

ニーズがあれば、

「間違いなく、トーションビームからです」

 

なぜなら、今まで足廻りの開発を行っていて、

トーションビームほど、

激変したパーツはないからです。

 

スプリングレートや、ダンパーの減衰は、

まず、トーションビームを装着してから、

それに、合わせ込んでいくと言っても、

過言ではありません。

 

TM-SQUARE のトーションビームを

装着すると、

コーナー出口で、アクセルを踏んだ瞬間から、

クルマの動き、特にフロントのグリップが

装着前と劇的に変化します。

 

通常、FFは、アクセルオンの瞬間から、

バランスが、アンダーステア方向に

なりやすいですよね?

 

でも、TM-SQUARE の

トーションビームがあると、

この出口のアンダーステアが、

大きく抑制されます。

 

当然、アクセルオンの瞬間、

まだ、ステアリングは、切ってます。

この状態で、荷重がリア(正確には外輪のリア)に

移りますので、ここで、一輪だけ、

大きくロールしてしまいます。

 

そうすると、その対角線上にある、

コーナーに対してイン側のフロントタイヤが

持ち上がってしまい、接地が薄くなることから、

アンダーステアが発生します。

 

そこで、TM-SQUARE のトーションビームを

装着すると、要するに、

リアスタビが強くなったのと同じですから、

コーナーに対して外輪のリアが、

ロールしにくくなります。

 

すると、イン側のフロントタイヤは、

接地を確保でき、

ステアリングが効く状態となりますので、

アンダーステアになりにくくなるのです!

 

なかなかの優れものでしょ?

TM-SQUARE のトーションビームって。

 

2008_dec11-0384

サスペンション
トーションビームのブッシュ

2009年05月06日(水)

今日は連休最終日ですね。

みなさん、1000円高速、

満喫できましたか?

 

さてさて、今日は、

トーションビームの

ブッシュについて少し。

 

純正のトーションビームと、

TM-SQUARE の

トーションビームの違いは、

みなさんよくご存知かと・・。

 

そうです、純正では、

スタビライザーがトーションビームに

溶接されていています。

それを

コースや、セッティングに合わせ、

交換できるようになっているのが、

TM-SQUARE の

トーションビームなのです。

 

でも、交換するときに、

2箇所のブッシュを移植しなければ

なりません。

 

そこで、

TM-SQUARE の

トーションビームをお買い上げ

いただいた場合、

新品(純正品)のブッシュを

こちらで圧入する作業を

はじめました。

 

部品代と作業工賃で、

15,750円(税込み)となりますが、

商品が届いてから、

移植する手間が省けるだけではなく、

ここのブッシュは、

走行距離とともに、ダメージが

発生しやすい場所ですので、

ぜひ、ご活用くださいね。

 

そういえば、

テストで、長谷川が持ち込んだ、

トーションビームのブッシュが、

反対向きに入っていて、

望月さんが、ブチキレたことも

ありましたね~。

 

さあ、サーキットでは、

効果絶大な

TM-SQUARE の

トーションビーム。

 

どーぞ、よろしくお願いします!

 

証拠写真! トーションビームの左下のブッシュが反対でした・・・。

証拠写真! トーションビームの左下のブッシュが反対でした・・・。

サスペンション
トーションビーム 発売中!

2009年04月15日(水)

昨夜、札幌から帰ってきた、

田中です。

 

まだまだ、寒いんだろうと、

厚手のジャンバー持参で、

月曜日に札幌入りしたのですが、

「あれ、東京と変わらない!」 と

思うほど、暖かかったです。

 

で、帰りに、空港でウロウロしてたら、

見つけちゃいました!

 

ちょっと、旬からは、

遅れているとは思いますが、

「花畑牧場の生キャラメル」 を。

 

ジャジャ~ン

 

e38396e383ade382b0e38080090414-022

 

ま、はやりものですから・・・。

 

でも、いつでも買えるわけではないようで、

大勢の人が、買い求めてましたよー。

(流行ってすごい!)

 

TM-SQUARE もこれぐらい、メジャーに

なりたいものです。

(業界が違うか・・・)

 

 

話は変わって、

ご報告が遅くなりましたが、

トーションビームが、出荷可能となりました!

 

取説や何やらで、

発売に時間がかかってしまいましたが、

今なら、即納OKです。

 

 

そういえば、先週末の筑波では、

タイヤのグリップが変わったことから、

ロールが大きくなって、しまいました。

 

そこで、決勝レースの前に、

リアのスタビを 35φ → 38φ に

交換したところ、アンダーステアは、

確実に小さくなりました。ハイ。

(決勝結果は、REVのDVDで!)

 

さあ、TM-SQUARE 渾身の新商品、

トーションビーム&スタビライザー

どーぞよろしくお願いいたします。

サスペンション
トーションビームのマニアな話

2009年03月28日(土)

前回のブログではお伝えできませんでしたが、

TM-SQUARE  のトーションビームは、

リアのロール剛性を左右する、

スタビライザーの交換が可能になります。

 

もちろん、リアの剛性を上げるだけなら、

スプリングレートを上げることも、選択のひとつです。

しかし、そこには大きな違いが発生します。

 

その違いは、ストリートでの乗り心地です。

スイフトは、リアのコーナーウエイト

(静止状態での1輪の荷重)が、

200kgぐらいしかありません。

 

だから、コーナーの立ち上がりにかかる荷重を

基準に、スプリングレートを決めてしまうと、

低荷重域での乗り心地が、かなり悪くなってしまいます。

 

特にストリートでギャップに乗ったときなど、

突き上げ感が強いので、田中は好きではありません。

 

でもね、この剛性を出すことを、

スタビライザーでやると、あら不思議、

ストリートでは、かなりマイルドになるのです。

 

理由はカンタン。

スタビライザーは、左右のサスペンションに、

ストローク差が出て、はじめて、「硬さ」 が発生します。

 

ということは、左右のタイヤが、

同時にギャップを乗り越えれば、「硬さ」 は発生しないのです。

 

TM-SQUARE  のデモカーを乗った人たちに聞くと、

必ずといっていいほど、

「乗り心地が良いですね~」 って言われます。

 

でも、「サーキットSETですよ」 って、

私が言うと、みなさんに、かなり驚いていただけます。

 

そうです、サーキットとストリートの両立のためにも、

TM-SQUARE  のトーションビームは、

効果、アリアリなのです。

 

もちろん、HYPERCO との相乗効果も大きいと

思いますが、「硬さ」 と 「乗り心地」 の両立には、

TM-SQUARE  のトーションビームは、大きく貢献しています。

 

でも、いくら同時にストロークしないといっても、

微妙なストローク差は出ますので、

38φ や 40φ では、ちょっとばかし、

乗り心地が悪いことから、

WEBサイト内、 スタビライザーの適合 では、

× マークをつけました。

 

田中って、なんて正直者なんでしょう!

 

人によっては、「気にならない」 って言う人も

いるかも知れませんが、

少しでも気になれば、明記する、

それが、TM-SQUARE  のポリシーです。

(カッコいい・・・)

サスペンション
トーションビームの構造

2009年03月26日(木)

ホント大勢の

TM-SQUARE  メンバーズへの、会員登録、

ありがとうございます。

 

会員登録担当の、野崎課長も、

うれしい悲鳴を上げております。ハイ。

 

さてさて、本日は、

トーションビーム&スタビライザーの話を少し。

 

ご存知のように、ZC31Sのリアサスペンションは、

トーションビーム式です。

 

トーションビーム式サスペンションは、

一般的な、ストラットやウイッシュボーン式とは違い、

トーションビームという一体物のサスペンションになります。

 

そして、田中は、

このトーションビーム式のサスペンションが大好きです。

理由は、作りが単純なので、

ストラットやウイッシュボーンのような

複雑な「ヨレ」がない点です。

 

もちろん、ジオメトリー的には、

ストロークによるキャンバー変化がほとんどなく、

物理的に効率の悪い面もあるかもしれません。

 

しかし、複雑な動きをしない分、

トーションビーム式のサスペンションは、

ドライバビリティーに優れます。

 

要するに、ドライバーが「クルマの動きを把握しやすい」 と

いった面が、私は大きなメリットだと思います。

 

そして、ZC31Sでは、

トーションビームの両方のビームをつないでいる部分に、

スタビライザーが入っています。

 

そうです、この部分が、

ねじれることによって、ロールの左右差が発生するといった

仕組みとなります。

 

下の図を見てください。

 

e38388e383bce382b7e383a7e383b3e38393e383bce383a0efbc88e59bb3e8a7a3efbc89

 

 

 

純正では、スタビライザーは、トーションビーム内に

溶接により固定されていますが、

TM-SQUARE  のトーションビームは、

このスタビライザーが交換可能となりますので、

スタビの強度により、発生する左右差が、大きく抑制されます。

 

この左右差の抑制(スタビ効果)により、

リアのロール剛性を変えられることが、

TM-SQUARE  トーションビームの

最大のメリットなのです。

 

次回は、トーションビームの続きです。

サスペンション
キャンバーシムのマニアな話 ②

2009年03月23日(月)

先日、キャンバーシムの件で、

実際に装着された方から、ご質問がありました。

 

装着後に、アライメントを計測したら、

「カタログ表記の数値と微妙に異なる」 といった、

内容でした。

 

もちろん、カタログ表記の数値は、

実際に我々のデモカーで、キャンバーシムを装着し

計測したものです。

 

が、しかし、

トーションビームは、溶接等により製造されていますので、

若干の個体差が発生しています。

 

この個体差は、メーカーの整備書にも記載されていますが、

一体物として製造されるだけあり、

「範囲」 は、そこそこ広く設定されています。

 

たとえば、キャンバーであれば、

整備書では、

-1° ±1° といった表記になります。

 

要するに、1° ネガ が基本となり、

0°~-2° の間に入っていればOKということになります。

 

弊社では、2台のデモカーがあり、

キャンバーを計測すると、2台とも、

-1° 20′ であったことから、

カタログには、-1° 20′ が、-2° 30′ になると

表記をしています。

 

以上のことから、ノーマルで、

もし、キャンバーが-1° ちょうどであれば、

キャンバーシムの装着後、

-2° 10′ 近辺のキャンバーとなります。

(このあたりは、ゲージによっても若干の誤差が発生します)

 

これは、ある面、一体物の宿命です・・・。

ですので、

TM-SQUARE のキャンバーシムは、

純正状態から、

トーインが、20′ レスになり、

キャンバーが、1° 10′ ネガ方向になるという認識で

理解していただくと、ありがたいです。

 

我々の確認した車輌の中で、

これらの数値が、上限、下限近辺のものはなく、

ほとんどが、基準の中央近辺に存在していましたので、

あまり神経質になる必要は、ないと思いますよ。

 

以上、キャンバーシムのマニアな話 ② でした。

 

img_30701