病み上がりの 田中ではありますが、
今日は、新製品のこと、気合を入れて、ご紹介したいと思います。
ということで、先日、TM エキマニ 専用 DATA を
リリースしたばかりなのですが、
本日は、TM ECU Ver.4 DATA のご案内です。
「エッ~、また出るの??」 と言われそうですが、
弊社のECU 開発は、まったくもって、STOP しておらず、
Ver.1 → Ver.2 (中速域の強化)
Ver.2 → Ver.3 (スロットルマップの変更)
そして、
AB DATA (TM インテークBOX 専用 DATA)
EM DATA (TM エキマニ 専用 DATA)
と、バリエーションは増える一方ですからね・・・・・。
この Ver.4 DATA も、
開発には、1年以上かけており、ようやく準備が整った次第です。
でもって、
この Ver.4 は、どんな DATA なのかと言いますと、
社内では、通称 「LT DATA」 と呼ばれる ローテンプ対応の DATA なのであります。
スイフトの場合、純正サーモスタット(※1)の
開弁温度(※2)は、82℃です。
※1 サーモスタットとは、水温により、冷却水をラジエターに送るか、
エンジン内を循環させるかをコントロールしているパーツです。
※2 サーモスタットが、開き始める温度を 開弁温度と呼びます。
また、サーモスタットは、開弁温度から、12~15℃ぐらい高い温度で全開となります。
もちろん、気温の低い状況で、暖機運転を短縮するため
サーモスタットは必要不可欠です。
また、十分な冷却容量がある場合、
水温は、サーモスタットの開弁温度 + 5~10℃ あたりで安定します。
(このあたりは、電動ファンの始動温度も、影響しますね)
ですから、純正のサーモスタット装着車であれば、
水温は、82℃ + 5℃ = 87℃ または、 82℃ + 10℃ = 92℃
となり、87 ~ 92℃ あたりを行ったり来たりとなるハズです。
もちろん、冬場にエンジンが温まるスピードや、ヒーターの効きを考えると、
純正の開弁温度(82℃)ぐらいが、ちょうど良いのですが、
発熱量が多い、スポーツドライビング には、少々水温が高くなる・・・・・。
という、デメリットも、持ち合わせております。ハイ。
また、電動ファンの始動温度をはじめ、ラジエターへの風の抜け具合等によっても、
水温の上昇は、左右されますが、暖機運転終了後は、
サーモスタットの開弁温度以下になることはありません。
では、この水温、いったい何度ぐらいが、一番パワーが出るのか?
って、考えたことありませんか??
経験的に、サーキット走行をはじめ、スポーツドライビングにおいて、
95~100℃ ぐらいになれば、パワーダウンを感じると思います。
(なんだか、回転は上がるけど、フワァ~ とした感じで、力強さがなくなりますよね?)
この理由は、
① 水温が高い → 空気がエンジン内部に取り込まれてから燃焼するまでに、
温度が上昇してしまいます(吸入空気の温度が高くなる)。
温度が高くなると、空気は膨張しますので、エンジン内に取り込める酸素が減少し、
パワーダウンとなります。
② 水温が上昇すると、燃焼室内の温度も上昇しますので、デトネーション
(異常燃焼により、ピストンが溶ける)を抑制するために、
ECUのエマージェンシー機能が働き、パワーダウンとなります。
もちろん、反対に水温が低過ぎると、ある程度 濃い燃料でないと、
うまく爆発ができず、ピストンも、熱膨張により、真円になっていないことから、
圧縮が上がらず、こちらもNG。
一般的に、通常の濃さの燃料でエンジンが作動し、ピストンがほぼ真円となる水温は、
約70℃あたりからと言われています(車種により、若干前後します)。
ということは、水温を70~80℃ あたりに設定できれば、
低温時に発生するデメリットを受けることなく、
また、吸入した空気を低温の状況で燃焼室に送り込めますので、
「一番パワーが出る!」 となります。
が、しかし!
じつは、ここにもうひとつの 「足かせ」 があるのです。
それは、ECU プログラミング の中に
可変バルブタイミング が、最大に変化する 温度 が、設定 されているのです!!
(なんだか、難しい言葉が、イッパイで、すいません・・・・・)
ご存知のようにスイフトのエンジンは、中回転域にて十分なトルクを発生できるように、
インテーク側のバルブが開閉するタイミングが変化します。
(通称 可変バルブタイミング システム)
でも、水温80℃を越えないと、この可変バルブタイミングは、
最大 まで作動しないんです・・・・・。
だから、水温 75℃ vs 80℃ なら、シリンダー内に吸入される 空気のクォリティは、
75℃ の方が高いけれど、可変バルブタイミングが、最大まで変化しない ことから、
80℃ の方が、パワーが出るという結果となってしまいます・・・・・・。
そこで!
TM ECU Ver.4 DATA では、この可変バルブタイミングが、
最大まで変化する 水温を 80℃ → 70℃ と、ECU の中で、
変更しちゃっているんですよね~。
ですから、80℃以上の水温より、70~80℃ の水温の方が、
吸入空気のクォリティが、高い分、パワーが出るのであります!
(このパワーの差は、ベンチでもハッキリと確認ができました)
もちろん、ノーマルサーモスタットの使用による
通常水温 87~92℃ ですと、Ver.3 と、Ver.4 は、同じ性能となりますが、
もし、水温を下げるチューニングが、行われていたら、Ver.4 は、とっても効果的となります。
具体的に、走行中の水温を 70~80℃ に維持するには、
① BILLION スーパーサーモ (開弁温度 68℃ のローテンプサーモスタット)
② BILLION スーパーサーモ LLC
③ TM ファンシュラウド
あたりのチューンニングが、必要となります。
上記の中でも、開弁温度が 68℃ の
BILLION スーパーサーモ (ローテンプ サーモスタット) は、
MUST アイテムとなります。
だって、いくらラジエターを冷やしても、サーモスタット により、
水温はコントロールされちゃいますからね・・・・・・。
それから、超風通しの良い TM フェンダー も、効果絶大だと思いますよ~。
ということで、すでに冷却チューニングが行われていて、
走行中の水温が、70~80℃ のレンジに入っている車両、
または、将来的に、冷却チューニングを予定されている車両には、
とっても、オススメの ECU DATA となります。
TM ECU Ver.4 + BILLION スーパーサーモ (ローテンプ サーモスタット)
のチューニングは、今後のトレンドになるように、思いますね~、田中は!
気になる バージョンアップの料金は、
Ver.1 → Ver.4
Ver.2 → Ver.4
Ver.2(AB)→ Ver.4(AB)
Ver.3 → Ver.4
Ver.3(AB)→ Ver.4(AB)
上記の場合 ¥15,000(税込)!
Ver.1 → Ver.4(AB)
Ver.2 → Ver.4(AB)
Ver.3 → Ver.4(AB)
TM インテークBOX を同時に装着される場合、 バージョンアップは、無償!
Ver.4
Ver.4(AB)
の新規導入は、通常料金 ¥85,000(税込)です。
また、TM エキマニ 専用 DATA (通称 EM DATA) は、
すでに、Ver.4 に変わっております。ハイ。
いや~、またまた、マニアックな解説となりましたが、
気温の高い今の時期も、
すぐにやってくる、タイムアタック シーズン でも、
効果 ◎ の ECU DATA となりますので、
みなさん、どうぞ、よろしくお願いいたします。
以上、かなり複雑な説明となりましたが、TM ECU Ver.4 DATA のご案内でした!!
ちなみに、明日、明後日 に開催する
月刊 「匠の日」 でも、TM ECU Ver.4 DATA は、
絶賛発売中 でございます!!