ショートストローク アタッチメント 発見!
2010年07月13日(火)
TM ダンパーキット 販売日記
2010年06月17日(木)
なかなか、デリバリーが追いつかない、
TM-SQUARE の ダンパーキット・・・。
先日の姫路イベントには、
何とか持ち込めるように、
なかば強制的に、高橋氏に
ダンパーを組んでもらいました。
(GTのマレーシア決戦前に無理言いました・・・)
持ち込んだ、ダンパーキットは、
「アッ」 という間に、
ご購入いただいたのですが、
イベントですから、田中とオーナーさんとで、
ガッツリ話し合って、
① 使用するスプリングのサイズ
② 使用するスプリングのレート
③ 設定する車高
④ フロントキャンバー
⑤ フロントのトーイン
を決め、そのとおりに、組み付けを
行っていただきました。
組み付け担当のメカニックさんが
また、かなりの技術者で、
田中のマニアックなオーダーに対しても、
スラスラとメモを取り、
1mmと狂わないレベルで、装着していただけました。
(SA姫路恐るべしです!)
そして、装着後は試運転。
(もちろん、田中がステアリングを握ります)
なんといっても、このダンパーを
開発した張本人ですから、
すべてが機能しているかどうかは、
乗ればすぐにわかりますからね~。
試運転が終われば、
ポイントになる部分のみ、
スパナチェックをしていただき、
今度は、オーナーさんの試運転。
これで、オールOK をいただいて、
納車となりました。
また、フロントキャンバーを
-4.5° に設定したいオーナーさんが
いらっしゃいましたが、
ホイールのオフセット的にかなり厳しい・・・・・。
こんなときは、まず、-4.5° で組んでみて、
クリアランスを計測してみます。
これは、ちょっと、厳しすぎる・・・・・・。
(ホイールは、7.0J +48)
このクリアランスを見て、
-4.5° が良いのか、-3.5° の方が良いのか、
チョイスしたり・・・・・、
ま、出張 「匠の日」 の状態です。
でも、ここまで、こだわって
作ったダンパーだけに、
やっぱり、100% の性能を発揮し
満足していただきたいですね~、田中は。
だから、ホント、メカニックさんには
いろいろと、細かくオーダーを出させていただきました。
そう言えば、
すでに、TMダンパーを装着されている
オーナーさんから、
「硬く感じる・・・・」 と、
事前に情報をいただいてましたので、
実際に、田中が運転して、チェックさせていただきました。
(写真は車高変更前)
試乗後の、田中の感想は、
ありえなく硬い・・・・・。
TMダンパーでは経験したことのない
硬さがあるのです。
うっ~ん、と考え込んで、
いろいろと、チェックしていると、
とある、社外パーツを発見。
「アッ、これが原因だ!」 と、瞬時にわかり、
オーナーさんに無理を言って、
取外していただきました。
(さぁ~、なんでしょうね・・・・・?、もちろん、秘密ですが・・・)
それから、リアの車高が高かったので、
田中データバンクのお家芸、
黄金のルールに従った、車高バランスに変更。
その後の試運転では、
まさに、TMを感じる足になり、
オーナーさんにも、気に入っていただきました。ハイ。
やっぱり、足廻りは、
小さなことの積み重ねが、大切なんだなぁ~と、
改めて感じた、イベントだったのです。
これからも、まだまだ続く、
スポーツコンパクトフェアー。
このイベントには、高橋さんに、
「スーパーお願いコール」 を連発してでも
可能な限り、ダンパーキットを
持ち込みたいと思っています。
なんといっても、
今までのセットアップで得た、
膨大なセッティングデータがありますから、
きっと、使用用途にバッチリ適合した状況で、
また、それを田中が、確認(試乗)した上で、
納車できますから。
ある面、これが一番の イベント メリット かも
知れないですね。
間違いなく、100% 機能した状態で、
使用をスタートできる、
パソコンで言えば、「出張セットアップ」 のような
感じです。
でも、ま~、なんと言っても、
手塩にかけた 子供のように
可愛いパーツですので、
最高の状況で使用していただきたいのが、
田中の本音かも知れないですね!
今後のスポーツコンパクトフェアーの予定
6/26~27 SA富山南 店
7/3~4 SA43道意 店
7/10~11 SAかしわ沼南 店
7/17~18 SA京都ワンダー 店
7/24~25 SA浜松 店
7/31~8/1 SA東京ベイ東雲 店
8/7~8 SA福岡東 店
サスペンション
TM ダンパーキット のオーバーホールについて
2010年06月02日(水)
WEB サイトに表記されているように、
TM-SQUARE のダンパーは、
オーバーホール が可能です。
(と言うか、どんなダンパーもオーバーホールは必要です・・・)
でね、最近、良くご質問をいただくのは、
WEB サイトにある、この文章です。
BEST な状態でご使用いただくためにも、
約2~3万キロの走行でのオーバーホールを
お願いします。
(使用状況により、オーバーホールの時期は、一定ではありません)
たとえば、年間2~3万キロの走行される方なら、
毎年オーバーホールが必要か、否かということですよね。
じつは、その答えは、とっても難しいです・・・。
メーカーサイドの回答としては、
やはり、安全面、機能面を重視しますので、
オーバーホールのタイミングは、早いに越したことはない・・・。
でも、みなさんのコスト面や、手間を考えると、
できるだけオーバーホールのスパンは長くしたい・・・。
だから、誤解を恐れずに、田中の見解を言うと、
「気になったら、オーバーホールする」 で
良いのではないでしょうか?
ダンパーの消耗品といえば、
ウェアリング&シール類ですので、
この部分が消耗すれば、
減衰が弱くなったり、オイルがリークしたりします。
そうなれば、そのときがオーバーホールの
タイミングであって、必ずしも、2~3万キロで、
オーバーホールしなければならないと言うことでは、ないと思います。
だって、使用用途や、使用スプリングによって、
ダンパーのオーバーホールのタイミングは、
大きく違ってきますからね。
一概には言えませんが、
トータルのストローク量(ストロークの回数)によって、
オーバーホールのタイミングは決まりますので、
スプリングレートがやわらかいほど、
走行している路面が悪いほど、
オーバーホールのタイミングは早まります。
でも、それが嫌だからといって、
不必要にスプリングレートを上げるのは、本末転倒。
クルマは、道具であって、
人間が道具に合わせる必要はないと思います。
だから、自分の使用用途でしっかり使って、
減衰の低下という不都合を感じれば、
オーバーホールすれば良いと思います。
ハンドルの切るタイミングを決めているのは、
ドライバーなんですから、
ダンパーのオーバーホールのタイミングも、
ドライバーが決めれば良いと、田中は思うのです。
サスペンション
TM ダンパーの個別プライスリスト
2010年06月01日(火)
最近、TMダンパーキットを導入予定の方々から、
「じつは、すでにHYPERCO を使用しているですが、
フルキットでしか、買えませんか?」 なんて
質問を受けます。
ということで、
すでに、HYPERCOスプリングや、
スプリングアタッチメントを導入されている方に、
より、TM ダンパーキットを導入していただきやすいように、
個別のプライスを設定しました。
構 成 品 |
価格(税込) |
||
Fスプリング |
Rスプリング |
Rアタッチメント |
|
● |
● |
● |
\ 330,000 |
● |
× |
● |
\ 310,000 |
× |
● |
● |
\ 310,000 |
× |
× |
● |
\ 290,000 |
● |
● |
× |
\ 308,000 |
● |
× |
× |
\ 288,000 |
× |
● |
× |
\ 288,000 |
× |
× |
× |
\ 268,000 |
たとえば、すでに、HYPERCO 4本を
お持ちなら、¥290,000 で、
また、HYPERCO 4本 と、
スプリングアタッチメントをお持ちなら、
¥268,000 で、フルキットとなります。
確かに、最近、他社製ダンパーに、HYPERCO を
装着されている方も、かなり多くなりましたので、
この個別の設定は、
より、次のステップへ、進化しやすいかもしれませんね。
要するに、TMダンパーキットの導入前に、
HYPERCO のみを装着しても、無駄にならないということです。
ただ、価格が安いからといって、
TMダンパーに、他社製のスプリングは、
組み合わせないでくださいね。
あくまでも、TMダンパーは、HYPERCO の
特性に合わせて、減衰設定を行っていますので、
必ず、スプリングは、HYPERCO をご使用下さい。
サスペンション
TM-SQUARE ダンパーキットの詳細説明②
2010年04月02日(金)
TM-SQUARE のダンパーには、
減衰力の調整がついています。
フロント部分は、倒立なので、
ダンパーの下側に調整する部分があります。
そして、リアは、正立なので、
ダンパーの上部に調整する部分があります。
減衰力を調整するときは、
一番締め込んだ状態から、
何段階戻したかをデータとして、セッティングに役立てて下さいね。
(反対は、ダメですよ)
でもって、ひとつの目安として、
サーキットでは、1戻し~15戻しの全域を使用しますが、
田中が、基本的に使用しているのは、
フロント 5戻し~12戻し
リア 8戻し~15戻し
そして、ストリートでも、1戻し~15戻しの全域を使用しますが、
田中が、基本的に使用しているのは、
フロント 5戻し~15戻し
リア 5戻し~15戻し
レベルです。
また、TM-SQUAREダンパーキットは、
1way タイプですので、
ダイヤルを回すと、バンプ側/リバンプ側ともに、
減衰力が変化します。
(バンプ側/リバンプ側を個別に、
減衰力調整することは、できません)
もちろん、フロント/リアともに、
ダストブーツも、付属しています。
以上、スゴ~く長くなってしまいましたが、
TM-SQUARE ダンパーキットの説明でした!
サスペンション
TM-SQUARE ダンパーキットの詳細説明①
2010年04月01日(木)
桜、ぐぐっと、咲いてきましたね~。
我が家近くの公園の桜も、
現在、3分咲きといった感じでしょうか?
さて、今日は、ダンパーキットの
こだわりをいくつかご紹介しましょう。
まずは、ストラットブラケットの固定部分を
かなり頑丈に作りました。
この部分って、結構よく緩みますよね?
(特に左側)
開発テストで、何度か緩んで、
ホイールをやっつけたことがあったので、
ここは、ガッツリと強化しました。
お次は、
フロントスタビのブラケット部分を
ちょっとマニアックに作ってみました。
(焼け色からも、溶接のクォリティが、わかるでしょ?)
これは、割を入れて、締め付けて
固定するタイプとなります。
装着状態は、こんな感じです。
でもね、コレは、ガッツリキャンバー仕様です。
大きくフロントキャンバーを付けると、
ちょうどこの部分(ブラケットの中央)に、
タイヤが干渉しますので、
できるだけスリムな形状にしたんです。
で、もし、そんなに、キャンバーを付けないなら、
このような、装着状態に、なります。
スタビブラケットを、シートでサンドイッチです。
要するに、キャンバーを大きく付けて、
タイヤと干渉する可能性がある場合は、
シートを取外して、クリアランスを取り、
スペースがあるときには、
ブラケットの締め付けによって発生する
ダンパーフリクションを取り除こうという作戦です。
確かに、ビビたるものなのですが、
まあ、このあたりが、こだわりです。
ホイールのオフセットにもよりますが、
-3° 台ですと、シートの使用が可能だと思います。ハイ。
とま~、中身はもちろんのこと、
随所に、こだわりが、ギッシリです。
だって、スイフトのためだけに、作った、
ダンパーですからね・・・。
サスペンション
TM-SQUARE ダンパーキットのスペック
2010年03月31日(水)
では、今回は、
TM-SQUARE ダンパーキットのスペックのお話を。
TM-SQUAREダンパーキットは、
フロント モノチューブ 倒立式 減衰力15段調整(1way) 全長調整式
リア モノチューブ 正立式 減衰力15段調整(1way) 全長調整式
を採用しています。
内部構造の中で、特に重点を置いたのは、
「ローフレクション」 であること。
ダンパーシャフトが、動き始めるとき、
いかにスムーズに、抵抗なく動き始めるかに、
こだわりを持ち、
ピストンバルブの形状をはじめ、シムの構成、
ウエアリング、シール類を選別し、
絶妙なクリアランスで組み上げています。
結果、ダンパーのバネ成分を限界まで抑制し、
荷重はスプリングが受け持ち、
スプリングの伸び縮みのスピードだけを
ダンパーが制御できるような、仕様としました。
そして、使用するスプリングは、
もちろん、HYPERCO スプリング。
レートも、レングスも、自由にチョイスしていただけるので、
使用目的に、バッチリ合わせ込んだ、
状態で納品されます。
もし、スプリングチョイスに自信がないなら、
よ~く話をお伺いし、田中が責任を持って、
決定いたします。ハイ。
また、TM-SQUARE のダンパーキットの
減衰力は、どのスプリングをチョイスされても
バッチリな性能を発揮します。
よく、スプリングレートを上げたから、
ダンパーの減衰力の変更をするという
話を聞きますが、
それは、ダンパーにもバネ成分を持たせている証。
だから、スプリングレートが上がれば、
ダンパーの減衰力も上がるという発想になります。
でも、ダンパーとスプリングの分業ができていれば、
レートが違っても、減衰力の変更は、必要ないと、
田中は思います。
(もちろん、強い希望があれば、
O/H時に、減衰を変更することも可能です)
また、リアの車高を調整するため、
スプリングアタッチメントも、SET になっていますので、
HYPERCO 4本 = ¥58,800
アタッチメント = ¥32,000
合計、¥90,800 のパーツが、ダンパー以外に
付属していることになります。
そう考えれば、¥330,000 の価格設定は、
決して高くないように、田中は思いますね~。
いよいよ、リリースがはじまった、
TM-SQUARE のダンパーキット。
みなさん、よろしくお願いしま~す。
ちなみにですが、
高橋氏が、一本一本、魂を入れて?組み上げますので、
月間 5 set の製造ペースです。
現在、ご注文いただければ、
5月~6月の納品予定となります!!
ご予約は、ぜひ、お早めに!
サスペンション
TM-SQUARE ダンパーキットの秘密兵器!
2010年03月30日(火)
今日は、今まで、ずっと沈黙を守ってきた、
TM-SQUARE ダンパーキット の秘密兵器を
紹介しましょう。
フロントキャンバー調整をする場合、
一般的な車高調整式ダンパーでは、
ストラットブラケットプレートを、長穴加工して、
キャンバー調整を可能としていますよね?
でも、この方法では、「Gフォース」 や、
「縁石への乗り上げ」 等、大きな入力があると、
簡単に “ズレ” が生じてしまいます。
この、 “ズレ” が発生すると、
キャンバーだけではなく、トーインも狂いますので、
アライメントを取り直さなければ、走行ができません・・・・・。
そこで! TM-SQUARE のダンパーキットは、
フロントキャンバーを調整式にするために、
画期的なアイデアが採用されています。
それは、下図のように、上部の長穴部分に、
キャンバーパッドと呼ばれるパーツを挟みこみます。
じつは、このキャンバーパッドには、
設定するキャンバー角に合わせて、
穴位置の違う数種類が付属されているのです!!
このキャンバーパッドを挟み込むことで、
上記5種類のキャンバー角から、
タイヤや、セットアップ、使用用途に合わせた、
キャンバー角をチョイスすることが可能となます。
もちろん、長穴内でボルトが左右にスライドすることがないので、
FF車のセッティングの「キモ」であるフロントキャンバーを、
走行中の“ズレ”を発生させることなく、調整式としました。
装着は、ストラットブラケットプレートに、
挟み込むだけ。
へ、へ、へ・・・、これで、キャンバーは、”ズレ” ません!!
かなりの優れものでしょ?
サスペンション
ダンパー講座④ HYPERCOの登場と減衰力の関係
2010年03月29日(月)
ダンパーに求められる、
「スプリングと分業化するための減衰力」 は、
HYPERCOスプリング の登場で、大きく変化しました。
なぜなら、HYPERCO 登場以前のスプリングは、
縮み始めのレート特性が、規定レートより低いタイプが、主流だったからです。
この、プログレッシブタイプのような特性を持ったスプリングでは、
同レートであっても 0G → 1Gまでのストローク量が、
大きくなってしまいます。
下の図を見てください。
たとえば、スプリングレートの表記が、
10kg/mm の2種類のスプリングがあったとしましょう。
これらのスプリングに、
コーナーウエイトに相当する300kgの荷重をかけると、
① のスプリングは、最初から、10kg/mmのレートを発生していますので、
300kg÷10kg/mm = 30mm のストロークとなります。
対して、② のスプリングは、初期のレートが表記より低く、
仮に縮みはじめ50mmまでの平均レートを6kg/mmとすると、
300kg÷6kg/mm = 50mm のストロークとなります。
そうです、この状態が、「1G」 と呼ばれる状態です。
そして、② のスプリングも、50mm以上のストロークでは、
表記どおり、10kg/mmのレートになると仮定すると、
「1G」 から、荷重が増える分には、両スプリングとも、
まったく同じ分だけ、荷重変化に対してストロークします。
が、しかし・・・、サスペンションは、縮むだけではありません。
「1G」 を境に、荷重によって、縮んだり、伸びたりします。
そして、縮むことに関しては、①も②も同等の変化となりますが、
伸びる部分では、大きな違いが発生します。
当然、1Gまでのストローク量の多い②は、
荷重が少なくなった状況では、伸び側のストロークが大きくなってしまうのです。
この状況を抑制するため、
ダンパーのリバウンド側の減衰を強くし、
内側のスプリングの、伸び上がりを抑制するという、
ダンパーセットが、以前は主流でした。
しかし、HYPERCOスプリングの登場により、
荷重移動によるスプリングの伸びと縮み量が同じとなることから、
このリバウンド減衰による、制御は不要となりました。
結果、バンプとリバウンドの減衰力は、同じレベルとなり、
「スプリングとダンパーの分業化」 が、可能となったのです。
もちろん、リバウンドの減衰力が、弱くなったことで、
ストリートでの乗り心地も、大きく改善されたのです。
HYPERCO スプリングって、スゴイでしょ?