データロガー講座 ①

2009年04月02日(木)

田中ミノルのデータロガー講座、

記念すべき? 第一回は、

ロガー解析の中でも、基本中の基本、

アクセルのロガーからです。

 

では、下のロガーを見てください。

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このロガーは、本庄サーキットのロガーで、

1ラップ分を表示しています。

 

赤のラインがアクセル開度となり、

一番下が全閉、

目盛りの4.5あたりになる部分が、全開となります。

 

また、コースがわかりやすいように、

上部にサーキットマップも入れておきました。

(Gセンサーと車速センサーで、コース図が書けるなんてスゴイ!)

 

コース図の ⑦と①の間にある、

小さな △ が、スタート/フィニッシュ ラインですので、

ここから、赤ラインのアクセルロガーはスタートします。

 

もちろん、スタート/フィニッシュ ライン は、

全開で通過しますので、ロガーも全開になっています。

 

そして、グラフ下の目盛り、50m付近では、

一旦アクセルが戻って、再び全開になってますよね?

これは、シフトアップによる、凹みです。

 

要は、この凹みが少ないほど、

シフトアップがうまいということです。

 

そして、1コーナーの減速のため、

アクセルは全閉になります。

 

この後で、全開までは行かないまでも、

一瞬アクセルをあおっていますよね。

これは、シフトダウン時のヒール&トゥです。

 

この一連の操作は、折り返しのヘアピンである、

③でも、同様に行われています。

 

なんとな~く、解ってきました?

次回は、アクセルロガーの続きです。

ヒール&トゥ ができない? ③

2009年03月26日(木)

では、今回は、今ひとつのヒール&トゥ のお話です。

 

では、グラフを見てください。

 

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これは、前回と同じコーナーですが、

レッド ライン のブレーキ踏力が、

明らかに、「ギクシャク」 していますよね?

 

こうなると、エンジン回転も、

等間隔のグラフとはなりません。

(もちろん、誰かは言えません・・・)

 

でもね、このグラフだけを見ると、

さぞかし、クルマも、「ギクシャク」 してるように

思えますが、じつは、クルマとしては

これでも非常に安定しています。

 

なぜなら、この車輌は、

ある程度、踏力が必要なブレーキパッドを

使用しているからです。

 

要するに、ある程度、

ブレーキ踏力が、ヒール&トゥ により変化しても、

全体から見ると、

半分になったり、倍になったりするほどではないので、

精度としては高くなくても、

クルマが「ギクシャク」 するレベルまでには、ならないのです。

 

どうです?

ブレーキパッドの効きって、大切でしょ??

適正なブレーキ踏力について、より詳しくは こちら  をどーぞ。

ヒール&トゥ ができない? ②

2009年03月25日(水)

ヒール&トゥ の精度には、

ブレーキパッド摩材の特性が大きく関与していること、

理解いただけたでしょうか?

 

今回は、ヒール&トゥ の話を

もう少し突っ込んで、

ロガーで確認しながら、行いたいと思います。

 

まず、上手な ヒール&トゥ から。

 

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各ラインの詳細は、

ピンク ライン   スピード

ブルー ライン   エンジン回転

レッド ライン   ブレーキ踏力

ブッラク ライン  アクセル開度 (上が全開)

となります。

 

まず、下の方にある、

ブッラク ライン と、レッド ライン の

アクセルとブレーキの解説を少し。

 

ストレートを全開で来て、アクセルをOFFに

したと同時に、ブレーキ踏力が立ち上がります。

 

そして、そのあと、

ブレーキを踏みながら、アクセルが

ほんの少しだけ、計4回、開いています。

 

そう、これが、

ヒール&トゥ の正体です。

 

ブルー ライン のエンジン回転を

見ればわかるように、

アクセルに”アオリ”を入れた直後に、

シフトダウンをしますので、

エンジンブレーキにより回転が上がっています。

 

そして、そのとき、

レッド ライン のブレーキ踏力は変化していません。

 

このドライバーは、なかなか上手いですね!

(誰かは言えませんが・・・、もしかして、現役F1ドライバーかも!!)

 

次回は、今ひとつのヒール&トゥ をお伝えします。

ヒール&トゥ ができない?

2009年03月23日(月)

サーキット走行の代表的なテクニックと言えば、

やっぱ、ヒール&トゥ ですよね。

 

サーキットビギナーには、

このヒール&トゥ の壁がまず立ちはだかるわけです。

 

もちろん、サーキットビギナーに限らず、

カタチとしてはできていても、

実際の効力を伴っていないドライバーも

かなりいると思われます。

 

そして、みんな、やり方は、知ってると思います。

 

しかし、ブレーキを踏みながらアクセルを”アオル”

ことが、なかなかできない? ってことですよね。

 

この、”アオリ”で、ブレーキの踏力が変化し、

クルマが「ギクシャク」 するのが、

典型的な、失敗のパターンです。

 

でもね、ヒール&トゥ を成功させる、

一番の近道は、ブレーキの摩材なんです。

 

たとえば、自分の最大踏力の20%ぐらいの力で、

ブレーキペダルを踏んだときにロックするような

効きの強いブレーキパッドでは、

さほど強い力でブレーキは踏めません。

 

この状態で、”G” や、振動の多い車内で、

それも、カカトが、浮いた状況で、アクセルを”アオル” と、

プロのレーシングドライバーが運転しても、

ブレーキ踏力は、微妙に変化してしまい、

例の「ギクシャク」 となってしまうのです。

 

そうです、サーキットビギナーが、

悪戦苦闘している、ヒール&トゥ は、

テクニックの問題ではなく、ブレーキ特性による部分が、

かなりあると、田中は思うのです。

 

だって、田中が走行会で、

みなさんのクルマに乗ったとき、

ブレーキが効き過ぎて、

ヒール&トゥ ができないクルマって、かなりありましたよ!

 

やっぱ、どんなスポーツでも同じですが、

ビギナーがトレーニングするときは、

絶対に適正な道具を使わないと、

進歩を遅れさせるだけです。

 

「自分はまだ、テクニックが・・・」 といって、

間違った道具で一生懸命練習している人、

マジで多いと思いますよ。

 

テクニック向上を目指すなら、

絶対の絶対に、適正な道具です。

 

曲がったゴルフクラブで、いくら練習しても、

何の意味もないように、

練習するなら、適正な道具が一番近道です。

 

 

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ブレーキの踏み方 ⑦

2009年03月18日(水)

スピードにより、同じ踏力でも、μ が

違ってくるという話、理解してもらえましたか?

 

じつは、このスピードに対しての μ 変化には、

ほとんどのドライバーは対応することができます。

 

成功率は95%レベルでしょうか?

 

しかし、変化するものが、もうひとつ加われば、

ほとんどのドライバーは、

変化に対応することができなくなってしまうのです。

 

たとえばですが、踏力に対して、

ブレーキの効きが加速的に立ち上げるような、

ピーキーなブレーキ特性では、

まったくもって、ドライバーがブレーキを絶妙に

コントロールすることは、不可能です。

 

下のグラフを見て下さい。

 

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このグラフは、踏力を徐々に立ち上げたとき、

ブレーキパッドがどのような効きを示すかを

グラフ化したものです。

 

そうです、これにより、

ブレーキパッドの特性(キャラクターが)が

わかるのです。

 

もちろん、理想は、踏力のラインと同じように、

効きが立ち上がるのが、BEST です。

 

そして、特に  「D」  のような特性を持っている

ブレーキパッドは、最悪です。

 

こうなると、いくらドライバーが、

スピードにより、少しずつ変化する制動力を

コントロールしようとしても、

ブレーキの効きが途中で大きく変化し、

コントロールができなくなってしまいます。

 

でもね、この 「D」  タイプを

サーキットで使っている人、すごく多いと

田中は思います。

 

そして、そんなドライバーに限って、

うまく走れないのは、自分のドラテクが

まだまだだと、思ってるんですね~。

 

正直、このタイプのブレーキパッドでは、

レーシングドライバーが乗っても、

限界ではコントロールできないと、

思います。 いや、断言します!

 

自信を持って、初期の踏力を立ち上げるためにも、

ブレーキパッド摩材のキャラクターは、

とっても重要です。

 

やっぱり、ドラテクを磨くなら、

適正な道具で練習しないと、

いつまでたっても、ゴールにはたどり着かないのです。

ブレーキの踏み方 ⑤

2009年03月17日(火)

ブレーキの踏み方 ④ は、

かなりマニアックでしたが、

理解できましたでしょうか?

 

今回は、一箇所のブレーキだけではなくて、

サーキットをトータルで考えてみましょう。

 

まずは、下のグラフを見てください。

 

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このグラフは、レーシングカーで、

岡山国際サーキットを走行したときの

スピードとブレーキ踏力のグラフ(データロガー)です。

 

ドライバーの感覚から、

減速(シフトダウン)を伴うコーナーでは、

すべて、ロックするかしないかの、

ギリギリを狙っているのにかかわらず、

ブレーキ踏力は、コーナーによってかなり違っています。

 

そして、この踏力は、スピードに比例しています。

 

要するに、高いスピードからの減速になればなるほど、

初期のブレーキ踏力は強くなっていますよね?

 

これこそが、スピードにより、μ が、

変化していることへの実証です。 

 

すいません、今回もマニアックな話で。

 

サーキット別のデータロガーは、こちら  をどーぞ。

ブレーキの踏み方 ④

2009年03月16日(月)

今回は、ブレーキの踏み方の

もう少し、突っ込んだ、話を。

 

まず、下のグラフを見てください。

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これは、WEBサイト内に表記している、

富士スピードウェイの1コーナーをレーシングカーで走ったときの

データロガーです。

 

ここで見てもらいたいのは、

① のブレーキ踏力の立ち上がりです。

 

250km/h オーバーのスピードから、

一気に最大踏力まで立ち上がっていますよね。

 

また、グラフの下の目盛りは、距離となっていますので、

それを読み取ると、ブレーキの踏み始めから、

最大踏力まで、約15メートル !

 

これぐらい、躊躇なく、一気に踏んでも、

安定してブレーキが効いてくれる

ブレーキパッドでないと、サーキットでは使えないのです。

 

そして、最大踏力の状態から、距離が進むと、

少しずつ、踏力が緩んできています。

 

これが、前回話をした、

スピードが落ちることにより、

μ が上がってくることに対する、踏力の調整です。

 

ということは、この ① と ② の間では、

少し踏力が緩んではいるものの、

ブレーキから発生している、制動力は、

ロックするかしないかの、ぎりぎりのラインを

キープしているのです。

 

こうして、ロガーで見ると、

ハッキリわかりますね。

 

ではでは。

ブレーキの踏み方 ③

2009年02月27日(金)

今回もブレーキの初期踏力のお話を少し。

 

そもそも、なぜ、ブレーキの初期は強い踏力が

必要なのでしょうか?

 

その理由は、ロータの回転スピードに秘密があります。

ブレーキは、回転するロータに摩材を こすり付けて、

その摩擦で制動力を生み出しますが、

ロータの回転が速い(スピードが高い)状態と、

ある程度、減速が進み、ロータの回転が、

遅くなってきた状態とでは、発生するμ(ミュー)が違うからです。

 

この場合、ロータの回転スピードが速いと、μは低くなり、

回転スピードが遅いと、μは高くなります。

 

だから、同じ減速でも、ストレートエンドの

スピードが高い状態からのブレーキでは、

踏力をガツンかけても大丈夫。

 

いや、ガツンと踏まないとシッカリ減速ができないのです。

反対に、テクニカルセクションのブレーキでは、

ロータの回転スピードが低いので、ガツンとかける必要はないのです。

 

もちろん、このロータの回転スピードによる、ブレーキの効き方は、

パッド摩材により違ってきます。

 

と、言うことで、ZONE の WEB サイトでは、

各摩材の特徴説明で、スピード域により、どのようにμが変化するか、

グラフで表記 しているのです。

(最下段 左側)

 

ZONE って、やっぱ、マニアって言うか、

サーキットで使うドライバーのこと、シッカリ考えてるでしょ?

ブレーキの踏み方 ②

2009年02月26日(木)

先日、初期のブレーキの踏み方について書きましたが、

今回は、その続きです。

 

サーキットでブレーキの上手な人は、

絶対と言っていいほど、初期の踏力が強いです。

 

要するに、ガツンと強く踏んでも、

クルマをコントロールができる自信があるから、

強く踏めるのですが、

みんな、はじめから強く踏めたわけではないのです。

 

当然、はじめは強く踏めず、トライ&エラーを繰り返し、

強く踏めるようになったと思います。

 

その時、ドラテクの成長を大きく妨げるものがあります。

それは、ブレーキパッドの摩材チョイスです。

 

サーキットでラップタイムを出すためには、

初期の強いブレーキ踏力が必要不可欠です。

 

ブレーキが強く踏めない → 効きの強いパッドにする               

              は、NG。

 

ブレーキが強く踏めない → 強く踏めるように練習する

            が、◎ なのです。   

 

ここで、初期を強く踏んでも、安定して効いてくれるパッドを

チョイスできていれば、あとは、ブレーキパッドが、

どれぐらい強く踏むか教えてくれます。

 

ブレーキ摩材も、奥が深いでしょ?

ぜひ、ぜひ、ZONEで、ブレーキングのスキルアップに

挑戦してみてください!!

 

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ブレーキの踏み方 ①

2009年02月25日(水)

一昨日は、「杜の都 仙台」で

代理店さんへの商品説明会を行いました。

 

こちらの代理店さんは、

社員全員がバリバリのサーキットマニアで、

開発段階から、かなりお世話になっています 。

 

そういえば、今から1年ぐらい前に、

ZONE の試作品を確認してもらうと、

「使えない!」 とかなり手厳しいコメント。

 

そして、制動力違いの試作品も

NGを出されてしまいました・・・・・。

 

でも、そんなハズはないと思い

一路、走行会が行われている、仙台ハイランドへ。

 

こちらの代理店の方々は、

もう10年以上サーキットを走っているエキスパート。

 

手強いのは覚悟の上で、

田中のドライブでパッドを試させていただきました。

 

で、走り始めると・・・・・、

「効きとリリースコントロール性能が完璧なバランス!」

もう、こうなれば、同乗走行しかないと思い

オーナーを助手席に乗せピットアウト。

 

そして、走行終了後にブレーキの踏み方がわかった!」とオーナー。

なんと、その後の走行で、

自己ベストを2秒も短縮したのです!!!

 

そうです、ZONEは、一気に踏力を立ち上げても、

ピーキーな制動特性にならないように作りましたので、

思い切ったブレーキングが可能となるのです。

 

マガジンの山田編集長の言葉を借りると

ZONEをはじめてを試したときのフィーリングは、

「あっ、ホント効かない!」 だったようです。

 

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でも、その分ガツンと踏んでも安定して効いてくれ、

そして、奥でのロックコントロールも簡単にできる。

 

要するに、もし、いままで使用していたパッドが、

少しでも効きが強いタイプなら、

ブレーキ踏力の立ち上がり部分を少し変える必要があるようです。

 

そうです、ラップタイムが出る、正しいブレーキに、

この初期のブレーキングができれば、

十分な制動力を発揮し、

そして、ブレーキの後半、タイムアップに必要不可欠な、

リリースコントロール性能も同時に手に入るのです。

 

反対に、初期踏力をガツンとかけられないパッドでは、

タイムアップに直結するリリースコントロール性能は、

手に入りません。

 

 

でも、ブレーキの踏み方ひとつで、2秒はスゴイ!