田中ミノルのデータロガー講座、
記念すべき? 第一回は、
ロガー解析の中でも、基本中の基本、
アクセルのロガーからです。
では、下のロガーを見てください。
このロガーは、本庄サーキットのロガーで、
1ラップ分を表示しています。
赤のラインがアクセル開度となり、
一番下が全閉、
目盛りの4.5あたりになる部分が、全開となります。
また、コースがわかりやすいように、
上部にサーキットマップも入れておきました。
(Gセンサーと車速センサーで、コース図が書けるなんてスゴイ!)
コース図の ⑦と①の間にある、
小さな △ が、スタート/フィニッシュ ラインですので、
ここから、赤ラインのアクセルロガーはスタートします。
もちろん、スタート/フィニッシュ ライン は、
全開で通過しますので、ロガーも全開になっています。
そして、グラフ下の目盛り、50m付近では、
一旦アクセルが戻って、再び全開になってますよね?
これは、シフトアップによる、凹みです。
要は、この凹みが少ないほど、
シフトアップがうまいということです。
そして、1コーナーの減速のため、
アクセルは全閉になります。
この後で、全開までは行かないまでも、
一瞬アクセルをあおっていますよね。
これは、シフトダウン時のヒール&トゥです。
この一連の操作は、折り返しのヘアピンである、
③でも、同様に行われています。
なんとな~く、解ってきました?
次回は、アクセルロガーの続きです。
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では、今回は、今ひとつのヒール&トゥ のお話です。
では、グラフを見てください。
これは、前回と同じコーナーですが、
レッド ライン のブレーキ踏力が、
明らかに、「ギクシャク」 していますよね?
こうなると、エンジン回転も、
等間隔のグラフとはなりません。
(もちろん、誰かは言えません・・・)
でもね、このグラフだけを見ると、
さぞかし、クルマも、「ギクシャク」 してるように
思えますが、じつは、クルマとしては
これでも非常に安定しています。
なぜなら、この車輌は、
ある程度、踏力が必要なブレーキパッドを
使用しているからです。
要するに、ある程度、
ブレーキ踏力が、ヒール&トゥ により変化しても、
全体から見ると、
半分になったり、倍になったりするほどではないので、
精度としては高くなくても、
クルマが「ギクシャク」 するレベルまでには、ならないのです。
どうです?
ブレーキパッドの効きって、大切でしょ??
適正なブレーキ踏力について、より詳しくは こちら をどーぞ。
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ヒール&トゥ の精度には、
ブレーキパッド摩材の特性が大きく関与していること、
理解いただけたでしょうか?
今回は、ヒール&トゥ の話を
もう少し突っ込んで、
ロガーで確認しながら、行いたいと思います。
まず、上手な ヒール&トゥ から。
各ラインの詳細は、
ピンク ライン スピード
ブルー ライン エンジン回転
レッド ライン ブレーキ踏力
ブッラク ライン アクセル開度 (上が全開)
となります。
まず、下の方にある、
ブッラク ライン と、レッド ライン の
アクセルとブレーキの解説を少し。
ストレートを全開で来て、アクセルをOFFに
したと同時に、ブレーキ踏力が立ち上がります。
そして、そのあと、
ブレーキを踏みながら、アクセルが
ほんの少しだけ、計4回、開いています。
そう、これが、
ヒール&トゥ の正体です。
ブルー ライン のエンジン回転を
見ればわかるように、
アクセルに”アオリ”を入れた直後に、
シフトダウンをしますので、
エンジンブレーキにより回転が上がっています。
そして、そのとき、
レッド ライン のブレーキ踏力は変化していません。
このドライバーは、なかなか上手いですね!
(誰かは言えませんが・・・、もしかして、現役F1ドライバーかも!!)
次回は、今ひとつのヒール&トゥ をお伝えします。
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サーキット走行の代表的なテクニックと言えば、
やっぱ、ヒール&トゥ ですよね。
サーキットビギナーには、
このヒール&トゥ の壁がまず立ちはだかるわけです。
もちろん、サーキットビギナーに限らず、
カタチとしてはできていても、
実際の効力を伴っていないドライバーも
かなりいると思われます。
そして、みんな、やり方は、知ってると思います。
しかし、ブレーキを踏みながらアクセルを”アオル”
ことが、なかなかできない? ってことですよね。
この、”アオリ”で、ブレーキの踏力が変化し、
クルマが「ギクシャク」 するのが、
典型的な、失敗のパターンです。
でもね、ヒール&トゥ を成功させる、
一番の近道は、ブレーキの摩材なんです。
たとえば、自分の最大踏力の20%ぐらいの力で、
ブレーキペダルを踏んだときにロックするような
効きの強いブレーキパッドでは、
さほど強い力でブレーキは踏めません。
この状態で、”G” や、振動の多い車内で、
それも、カカトが、浮いた状況で、アクセルを”アオル” と、
プロのレーシングドライバーが運転しても、
ブレーキ踏力は、微妙に変化してしまい、
例の「ギクシャク」 となってしまうのです。
そうです、サーキットビギナーが、
悪戦苦闘している、ヒール&トゥ は、
テクニックの問題ではなく、ブレーキ特性による部分が、
かなりあると、田中は思うのです。
だって、田中が走行会で、
みなさんのクルマに乗ったとき、
ブレーキが効き過ぎて、
ヒール&トゥ ができないクルマって、かなりありましたよ!
やっぱ、どんなスポーツでも同じですが、
ビギナーがトレーニングするときは、
絶対に適正な道具を使わないと、
進歩を遅れさせるだけです。
「自分はまだ、テクニックが・・・」 といって、
間違った道具で一生懸命練習している人、
マジで多いと思いますよ。
テクニック向上を目指すなら、
絶対の絶対に、適正な道具です。
曲がったゴルフクラブで、いくら練習しても、
何の意味もないように、
練習するなら、適正な道具が一番近道です。
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スピードにより、同じ踏力でも、μ が
違ってくるという話、理解してもらえましたか?
じつは、このスピードに対しての μ 変化には、
ほとんどのドライバーは対応することができます。
成功率は95%レベルでしょうか?
しかし、変化するものが、もうひとつ加われば、
ほとんどのドライバーは、
変化に対応することができなくなってしまうのです。
たとえばですが、踏力に対して、
ブレーキの効きが加速的に立ち上げるような、
ピーキーなブレーキ特性では、
まったくもって、ドライバーがブレーキを絶妙に
コントロールすることは、不可能です。
下のグラフを見て下さい。
このグラフは、踏力を徐々に立ち上げたとき、
ブレーキパッドがどのような効きを示すかを
グラフ化したものです。
そうです、これにより、
ブレーキパッドの特性(キャラクターが)が
わかるのです。
もちろん、理想は、踏力のラインと同じように、
効きが立ち上がるのが、BEST です。
そして、特に 「D」 のような特性を持っている
ブレーキパッドは、最悪です。
こうなると、いくらドライバーが、
スピードにより、少しずつ変化する制動力を
コントロールしようとしても、
ブレーキの効きが途中で大きく変化し、
コントロールができなくなってしまいます。
でもね、この 「D」 タイプを
サーキットで使っている人、すごく多いと
田中は思います。
そして、そんなドライバーに限って、
うまく走れないのは、自分のドラテクが
まだまだだと、思ってるんですね~。
正直、このタイプのブレーキパッドでは、
レーシングドライバーが乗っても、
限界ではコントロールできないと、
思います。 いや、断言します!
自信を持って、初期の踏力を立ち上げるためにも、
ブレーキパッド摩材のキャラクターは、
とっても重要です。
やっぱり、ドラテクを磨くなら、
適正な道具で練習しないと、
いつまでたっても、ゴールにはたどり着かないのです。
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ブレーキの踏み方 ④ は、
かなりマニアックでしたが、
理解できましたでしょうか?
今回は、一箇所のブレーキだけではなくて、
サーキットをトータルで考えてみましょう。
まずは、下のグラフを見てください。
このグラフは、レーシングカーで、
岡山国際サーキットを走行したときの
スピードとブレーキ踏力のグラフ(データロガー)です。
ドライバーの感覚から、
減速(シフトダウン)を伴うコーナーでは、
すべて、ロックするかしないかの、
ギリギリを狙っているのにかかわらず、
ブレーキ踏力は、コーナーによってかなり違っています。
そして、この踏力は、スピードに比例しています。
要するに、高いスピードからの減速になればなるほど、
初期のブレーキ踏力は強くなっていますよね?
これこそが、スピードにより、μ が、
変化していることへの実証です。
すいません、今回もマニアックな話で。
サーキット別のデータロガーは、こちら をどーぞ。
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今回は、ブレーキの踏み方の
もう少し、突っ込んだ、話を。
まず、下のグラフを見てください。
これは、WEBサイト内に表記している、
富士スピードウェイの1コーナーをレーシングカーで走ったときの
データロガーです。
ここで見てもらいたいのは、
① のブレーキ踏力の立ち上がりです。
250km/h オーバーのスピードから、
一気に最大踏力まで立ち上がっていますよね。
また、グラフの下の目盛りは、距離となっていますので、
それを読み取ると、ブレーキの踏み始めから、
最大踏力まで、約15メートル !
これぐらい、躊躇なく、一気に踏んでも、
安定してブレーキが効いてくれる
ブレーキパッドでないと、サーキットでは使えないのです。
そして、最大踏力の状態から、距離が進むと、
少しずつ、踏力が緩んできています。
これが、前回話をした、
スピードが落ちることにより、
μ が上がってくることに対する、踏力の調整です。
ということは、この ① と ② の間では、
少し踏力が緩んではいるものの、
ブレーキから発生している、制動力は、
ロックするかしないかの、ぎりぎりのラインを
キープしているのです。
こうして、ロガーで見ると、
ハッキリわかりますね。
ではでは。
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今回もブレーキの初期踏力のお話を少し。
そもそも、なぜ、ブレーキの初期は強い踏力が
必要なのでしょうか?
その理由は、ロータの回転スピードに秘密があります。
ブレーキは、回転するロータに摩材を こすり付けて、
その摩擦で制動力を生み出しますが、
ロータの回転が速い(スピードが高い)状態と、
ある程度、減速が進み、ロータの回転が、
遅くなってきた状態とでは、発生するμ(ミュー)が違うからです。
この場合、ロータの回転スピードが速いと、μは低くなり、
回転スピードが遅いと、μは高くなります。
だから、同じ減速でも、ストレートエンドの
スピードが高い状態からのブレーキでは、
踏力をガツンかけても大丈夫。
いや、ガツンと踏まないとシッカリ減速ができないのです。
反対に、テクニカルセクションのブレーキでは、
ロータの回転スピードが低いので、ガツンとかける必要はないのです。
もちろん、このロータの回転スピードによる、ブレーキの効き方は、
パッド摩材により違ってきます。
と、言うことで、ZONE の WEB サイトでは、
各摩材の特徴説明で、スピード域により、どのようにμが変化するか、
グラフで表記 しているのです。
(最下段 左側)
ZONE って、やっぱ、マニアって言うか、
サーキットで使うドライバーのこと、シッカリ考えてるでしょ?
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先日、初期のブレーキの踏み方について書きましたが、
今回は、その続きです。
サーキットでブレーキの上手な人は、
絶対と言っていいほど、初期の踏力が強いです。
要するに、ガツンと強く踏んでも、
クルマをコントロールができる自信があるから、
強く踏めるのですが、
みんな、はじめから強く踏めたわけではないのです。
当然、はじめは強く踏めず、トライ&エラーを繰り返し、
強く踏めるようになったと思います。
その時、ドラテクの成長を大きく妨げるものがあります。
それは、ブレーキパッドの摩材チョイスです。
サーキットでラップタイムを出すためには、
初期の強いブレーキ踏力が必要不可欠です。
ブレーキが強く踏めない → 効きの強いパッドにする
は、NG。
ブレーキが強く踏めない → 強く踏めるように練習する
が、◎ なのです。
ここで、初期を強く踏んでも、安定して効いてくれるパッドを
チョイスできていれば、あとは、ブレーキパッドが、
どれぐらい強く踏むか教えてくれます。
ブレーキ摩材も、奥が深いでしょ?
ぜひ、ぜひ、ZONEで、ブレーキングのスキルアップに
挑戦してみてください!!
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一昨日は、「杜の都 仙台」で
代理店さんへの商品説明会を行いました。
こちらの代理店さんは、
社員全員がバリバリのサーキットマニアで、
開発段階から、かなりお世話になっています 。
そういえば、今から1年ぐらい前に、
ZONE の試作品を確認してもらうと、
「使えない!」 とかなり手厳しいコメント。
そして、制動力違いの試作品も
NGを出されてしまいました・・・・・。
でも、そんなハズはないと思い
一路、走行会が行われている、仙台ハイランドへ。
こちらの代理店の方々は、
もう10年以上サーキットを走っているエキスパート。
手強いのは覚悟の上で、
田中のドライブでパッドを試させていただきました。
で、走り始めると・・・・・、
「効きとリリースコントロール性能が完璧なバランス!」
もう、こうなれば、同乗走行しかないと思い
オーナーを助手席に乗せピットアウト。
そして、走行終了後にブレーキの踏み方がわかった!」とオーナー。
なんと、その後の走行で、
自己ベストを2秒も短縮したのです!!!
そうです、ZONEは、一気に踏力を立ち上げても、
ピーキーな制動特性にならないように作りましたので、
思い切ったブレーキングが可能となるのです。
マガジンの山田編集長の言葉を借りると
ZONEをはじめてを試したときのフィーリングは、
「あっ、ホント効かない!」 だったようです。
でも、その分ガツンと踏んでも安定して効いてくれ、
そして、奥でのロックコントロールも簡単にできる。
要するに、もし、いままで使用していたパッドが、
少しでも効きが強いタイプなら、
ブレーキ踏力の立ち上がり部分を少し変える必要があるようです。
そうです、ラップタイムが出る、正しいブレーキに、
この初期のブレーキングができれば、
十分な制動力を発揮し、
そして、ブレーキの後半、タイムアップに必要不可欠な、
リリースコントロール性能も同時に手に入るのです。
反対に、初期踏力をガツンとかけられないパッドでは、
タイムアップに直結するリリースコントロール性能は、
手に入りません。
でも、ブレーキの踏み方ひとつで、2秒はスゴイ!
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