TM-SQUARE
ASM 金山氏 のアドバイス

2008年08月26日(火)

7月のはじめに、以前から仲良くしていただいている、
ASM 金山氏と一緒にエアロを作っている工場に行く機会がありました。

ASMのエアロは、かなりダウンフォースを求めた形状となっていますので、空力マニア同士、
いや、エアロパーツの先輩として、アドバイスをいただければという、私の下心です。

その、アドバイスの中に、純正のフォグライトは、「絶対付けたいユーザーがいる!」という、
金山氏のアドバイスを受けて、早速、形にしてみました。

 

オートバックスASM

 

また、せっかく大きな開口部に、オプションパーツとして取付けるわけですから、
ブレーキやエンジンルームに簡単にフレッシュエアが導入できるように、エアインテークを

装備し、後方に50φのダクトが接続できるように作り込みを行ないました。

現状では、まだ色が付いていませんが、バンパー本体をボディと同色にして、
インテークパネルを黒に塗り分けると、かなりカッコよくなると私は思っています。

自分で言うのもなんですが、ちょっと、ヨーロッパの香りがしてきませんか!

 

インテークなし

インテークなし

 

インテーク付き

インテーク付き

インテーク付き(正面)

インテーク付き(正面)

インテーク付き(上から)

インテーク付き(上から)

TM-SQUARE
フロント バンパーの形状

2008年08月09日(土)

やっぱ、人生も恋愛も出会いって、大切ですよね。
じつは、ダウンフォースにも出会いはとっても大切なのです。
ここで言う出会いとは、空気との出会いですので、フロントバンパー部の形状は、
とても重要だということです(強引って言わない!)。

 

 

まず、有効なダウンフォースを発生できる、ボディ下面にはできるだけ整流された空気を、
速度の速い状態で取り込みたい。そのためには、ボディ前面に当たった乱流が下面に入り込まないように、
バンパーの先端はちょっと飛び出した形状が望ましくなります。
また、この部分が飛び出すことで、ダウンフォースの発生源である、アンダーパネルが前後方向に長くなる
こともメリットとなります。

 

 

また、フロントコーナー部の形状は、最先端のノウハウがたくさん投入されています。
たとえば、上記写真の開口部、右側の形状は、通常の形状とは違い、逆Rになっています。

通称、工藤静香 形状!(だれだ、古いって言ったヤツ)。

これは、フロントコーナーに当たった空気を、勢い良く外側に向けるための工夫です。
ここで、空気を外側に角度をつけた状態で排出できると、あら不思議、フロントタイヤハウスの空気を
引き出してくれるのです。

 

 

まぁ、このあたりのことは、WEBサイト内にもバッチリ書くと思いますので、解説は乞うご期待ということで。

しかし、この形状を実現するには、大きな問題があります。
それは、バンパー本体とアンダー部を2分割で作るしか方法がないことです。
当然GTカーでは2分割で作っていますが、コストは無視ですよね・・、競技車輌ですから。
でも、2分割にすれば、バンパーを2つ作るのと同じコストが、型代にも製品コストにもかかってくるのです。
でも、こんな形状のものを1つの型から造るのは不可能だし・・・・・。

このフロントバンパーを市販するにあたって、本当にコストのことは考えました。
でもね、やっぱりここで妥協したら、面白いものなんて作れないと思うんですよ。
どーせ、趣味ではじめたプロジェクトだし、田中の考える面白さに共感してくれる人だけが買ってくれると
思いますので、思い切って2分割にしてみました。

そうだ、2分割だからこそのメリットもありますよ。
それは、アンダー部を破損した時、バンパー本体は生き残っていたら、パーツとしてアンダー部だけが買える!
ま、たいしたメリットじゃないかも知れませんが・・・。

 

巨大?なアンダーパネル部!

巨大?なアンダーパネル部!

なんと、アンダーパネルには溝加工まで!!

なんと、アンダーパネルには溝加工まで!!

TM-SQUARE
リアウイングはステーが命!?

2008年08月01日(金)

 

「コンパクトカーのリアウイングは、けっこう難しいよ」。 と、
私の知り合いの、偉大なデザイナーから、1通のメールが届いたのが、かれこれ1年前。
そして、2通目のメールには、スケッチと各所のポイントが・・・。
それも、海外からです。

 

 

ということで、リアウイングは、彼のデザインどおりに作ることにしました(ラッキー!)。

 

 

ポイントは、

① まず、大きいサイズはNG
② 低い位置に装着できること
③ 迎え角が調整できること

ということでした。

 

GTカーとは違い、ウイングをルーフの後端に装着するハッチバックタイプでは、ルーフ上の
比較的整流された空気が勢い良くあたります。よって、小型のウイングでも十分効果はあるということでした。

 

 

また、ルーフを過ぎると空気は急激に下へ向かいますので、
ルーフより低い位置に付けてもダウンフォースが出ることから、可能な限り取付け位置を下にしました。

 

 

これで、アンダーパワーのコンパクトカーでも、ストレートスピードへの影響を最小限に、
効率的なダウンフォースを得ることができます。

 

ご存知のように、FFはブレーキング中のリア荷重がとても少なくなります。
ここで、リアウイングがあると、薄くなったリアの荷重を補ってくれますので、安定したブレーキングができるという算段です。

 

もちろん、リアのブレーキパッドにもある程度効きの強いタイプも使用でき、
ウエットコンディションでは、かなりの効果を発揮してくれます。

 

写真は試作なので、ファイバーです。

写真は試作なので、ファイバーです。

 

そんなこんなで、ウイングプロジェクトは、とんとん拍子に進んだのですが、また、田中の悪い虫が騒ぎ出しました・・・。
以前から、ずっと思っていたのですが、アフターマーケットのウイングはステーがいまひとつカッコ良くない・・・。

 

 

対してレーシングカーのウイングステーは、見ているだけで惚れ惚れするぐらいカッコイイ! 
おまけに、「角度調整の機能も組み込まなければならない」ということで、またまた、今西先生の出番です。

 

 

で、完成したステーがこれです!

 

やっぱり、ウイングはステーが美しくなければ!!!

やっぱり、ウイングはステーが美しくなければ!!!

 

 

 

 

TM-SQUARE
今西先生の予言

2008年07月29日(火)

今日は御殿場に行ってきました。

TM-SQUAREの足回りをはじめ、多方面でお世話になっている今西先生に会うためです。
BILLIONのWEBサイトで、田中のドラテクを読んでる方々には、超有名人なのですが、
もし、ご存知でなければ、まずは、どーぞ。
BILLION ドラテク

工場に到着して、ウイングステーの試作をお願いして、帰ろうかと思ったら、
たまたま、有名な方がいらっしゃいました。その方とは、違いのわかる男、由良拓也さんでした。

由良さんといえば、レーシングカーをはじめ数々のエアロデザインで有名ですので、
めざとい田中は、ちゃっかりと、「ちょっと見てもらっていいですか」と、
現在製作中のスイスポのエアロ写真をクルマまで取りに行きました。

そして、帰ってくると、由良さんと今西先生達は、
そろって「オレたちがカッコイイと思うものは、市場では売れないんだよね~」と
おっしゃったので、田中は心の中で「お願いですからカッコ悪い」って言ってと願ったのです。

 

この写真を見せました・・・。

この写真を見せました・・・。

 

しかし、写真を見た瞬間、二人揃って、「カッコイイー!」・・・・・・・・・・、
なんだか複雑な心境になってしまいました・・・。

でも、その後の今西先生のひとことは、強烈でした。
先生いわく、「オマエ、カッコはええけど、この車高じゃどこも走れへんぞ」と言い出したのです。
はじめは、何のことかわからなかったのですが、もう一度写真を見ると・・・・・・・・。
「先生、これはバンパーの素材が固まるまでのあいだ、支えで置いてある木の台ですよ」と
言おうと思いましたが、先生に対してそんな失礼なことも言えず、「ちょっと考えます」とだけ言って、
静かに帰ってきました・・・。

いやはや、やっぱ、先生は偉大です。

 

 

・・・・・・、やっぱ恐い・・・。

・・・・・・、やっぱ恐い・・・。

TM-SQUARE
エアロプロジェクト 発進!

2008年07月05日(土)

ジックリとイラストで形状を絞り込んで、いよいよ、現車でのエアロ製造がはじまりました。

ずばり、コンセプトは「悪いピカチュー」!(笑)

ま、レース界にドップリ浸かっていた、田中が作るわけですから、お洒落でスッキリしたエアロなんて、
所詮無理 (それぐらいは自分のこと理解してますから・・)。

だったら、ダウンフォースに拘るしかありません(すいません汗臭くって・・)。

そうなると、某自動車メーカーの空力開発を数年間にわたり行なった経験が生きるってもんです。
このテストは、GT500の開発車輌にて、1日中時速300kmで走るという、それは過酷というか、
心臓バクバクのテストでした。おまけに、このテストは、7日ぐらい続けてやるんですよね。

そこで、「チョー恐がり」の田中の性格が幸いしたことがあります。
それは、いつも「ビビッて」乗っているせいか、ちょっとしたダウンフォースの増減が、
けっこう敏感に感じ取れるということです。

たとえば、「今の空力デバイスなら、一個前より、フロントだけ50kgぐらい上がっているな」とか、
「フロントが減った分だけ、リアが上がった」等々。

そしたら、「何をどうやればダウンフォースが増えるか」にも、だんだん興味が沸いてきて、
“空力オタク”の世界へまっしぐらと相成ったのです。

ただ、ひとことで空力といっても、多種多様のパーツと、それらの相互関係、車高による変化等、
いろんな要因はあるのですが、押さえなければならないポイントは、だいたい決まっています。

TM-SQUAREのエアロプロジェクトは、これらのポイントを可能な限り、取り入れるつもりです。

最終的には、どんな形になるかまだまだわかりませんが、
誰でも「走ればダウンフォースを感じられる!」ことを目指して、ぐぁんばりマス!!