「ブレーキパッド から見るドラテク!」
という 切り口 (カッコいいなぁ~~) の
アイドラーズマガジンの取材を終え、雑誌も発売されましたので、
田中も、ちょこっと、ブレーキのお話を。
(だって、発売前にネタばらし しちゃ、怒られますから・・・・・・)
紙面でも触れていましたが、
パッドの表面を見ると、そのブレーキパッドが、仕様用途に
マッチングしているかどうかが、わかるんです。
(なんだか、鑑識捜査員みたい!)
まずは、
ストリートパッドを サーキットで使用した場合の画像がこちらです。
表面が白くなってますよね?
コレは、炭化といって、ブレーキパッドの中に含まれる一部の成分が、
熱により固まってしまった状態です。
使用したローター温度が高過ぎる場合、このよう症状になってしまいます。
適正ローター温度が低い、ストリートパッドをサーキットで使用すれば、
まず、間違いなく、こうなってしまいます。
ブレーキパッドが、炭化すると、
ストリート走行でも、ブレーキが本来の効きを発揮できないばかりか、
ガリガリと音がしたり、ローターを傷つけ、磨耗させる原因となってしまいますので、
交換が必要となります。
ちなみに、パッドの写真左側が、白いのは、ローターが左側から介入するからで、
介出側は、介入側で削れた 摩材が張り付くことから、あまり白く見えません。
また、適正ローター温度域 以上の温度で、使用すると、
こんな症状も、発生してしまいます。
この ガタガタ わかります?
もちろん、ローターがレコード盤のようになっていても、発生する症状ですが、
ブレーキパッドが、オーバーヒートしても、発生します。
微妙に、ブレーキパッドのまわりが、白くなっていることからも、
この場合は、使用した環境において、制動力が足りないことから、発生する、
オーバーヒートが原因です。
ドライビングのイメージとしては、
周回を重ねることで、どんどんブレーキの効きが甘くなり、
踏力が上がり、最後には、「まったく止まらない!」 と、
ドライバーがコメントする症状です。
では、次に、こんな表面の ブレーキパッド はと言うと・・・・、
なんだか、表面が、ガサガサ ですよね・・・・・・・。
こんな場合、理由はふたつ。
ひとつ目は、求められる制動力に対して、ブレーキパッドが効き過ぎています。
本来は、そんなに、強い制動力が必要ないのに、
やたら、オーバースペックのブレーキパッドを装着したことが原因です。
フィーリングは、まさに「カックンブレーキで、止まり過ぎ」 です。
少しでも、強く踏むと、とんでもない制動力となりますので、
ブレーキングが、とてもシビアで、 ヒール&トウ も、
ありえないぐらい、難しくなってしまいます。
ブレーキパッドにおいて、
「大は小を兼ねる」
「オーバースペックの方が良い」
という、考えは、まったく成立しません。
だって、オリンピック選手は、ブカブカのシューズで、競技しないでしょ??
そして、もうひとつ理由は、ブレーキがシッカリ踏めていないことです。
まぁ~、これは、「卵が先か、鶏がさきか・・・・」 的な部分もありますが、
カックンで踏めないからか、それとも、強い踏力のブレーキングが出来ないのか が、
原因となります。
もし、強く踏むと、効きが強すぎるのなら、
それをコントロールするより、適正な制動力のブレーキパッドに交換した方が、
圧倒的に、近道です。
でもって、適正な効きのブレーキパッドは・・・・・・、
こんな感じです。
表面がきれいに溶けて、摩材が流れてますよね?
この状態なら、効きも、リリースコントロール性能も、◎ となります。
ドライバーコメントとしては、
「踏んだら、踏んだ分 効く」
「リリースがとってもカンタンで、入口のアンダーステアが減少した」
となります。
(だから、やっぱり、ブレーキパッドは、使用するサーキットによって、
チョイスが必要なんですよね~)
また、一部 クラック が見えると思いますが、
縦方向の小さなクラックは、問題ありません。
ブレーキパッドを横から見て、
バックプレートと摩材の間に、深いクラックがあると、
摩材が剥がれる危険性がありますが、表面の縦のクラックは、
その摩材が、対応できるローターの上限温度付近ではありますが、
性能には、問題ありません。
ちなみに、この縦のクラックを抑制するために、
ブレーキパッドの中央には、スリット が入っているんですね~。
では、最後に、こんなブレーキパッドは、どうでしょう?
一部の摩材は、溶けて流れていますが、
まったく溶けていない部分もありますよね?
これは、ローターとのあたりが悪い ブレーキパッドです。
原因はいくつか考えられますが、強い踏力で踏めていないということは、間違いなさそうです。
効きが強すぎて、踏み切れないのか・・・・・・・。
ただ、踏む力が弱いのかは、不明ですが、まったく持って、使い切れていない状態です。
また、この摩材が溶けている部分が、ブレーキパッドの上部だけで、
その分のあたりが強い場合は、キャリパーが開いている可能性もあります。
いや~、深いですね。
ブレーキパッドって!!
そうだ!
もし、ブレーキパッドのチョイスに迷っているなら、
現在使用しているブレーキパッドの表面の写真を
ZONE の お問い合わせメール に、送って下さい。
メーカー名、アイテム名、
使用環境と、効きの感じ も一緒に、教えていただければ、
鑑定士の田中が、バッチリ と、ZONE の摩材チョイス しますので!!
(もちろん、無料です!)
以上、ブレーキパッドのウンチク でした。
ZONE WEB サイト
また、機会があれば、
ブレーキパッドのマニアなお話をご紹介しますね!