HYPERCO
REV SPEED 取材 in 日光サーキット ②
2009年08月11日(火)
今回は、昨日の続きです。
いよいよ、本格的な
セッティングに突入したところで、
まず、田中が気になったのは、
リアタイヤのアタリ面。
通常、FRのリアは、ここまで角が
あたりません。
キャンバーが足りないんだろって?
もちろん、キャンバーも足りませんが、
問題は、なぜ、キャンバーが
足りないかです。
この時点での、田中の想像は、
ロールが大きすぎる でした。
ロールが大きいと、
必ずキャンバーが足りなくなります。
(ここ、テストに出ますよ~)
で、田中の行ったセットアップは、
① リアのトーインを in 0’15 → in 1’00 に
② リアの車高を -5mm
③ リアのキャンバーを - 2’00 → -3’00
といったセットアップです。
まず、① は、オーバーステアセットの王道です。
トーインを付けることによって、
ストレートでタイヤの接地面が、
内側に引っ張られる という特性を
利用し、ハンドルを切ったときに、
タイヤが動くことを抑えました。
トーインがゼロだと、
ストレートでのタイヤ接地面が
フリーとなり、
ステアリングを切ると、
一気に外側のタイヤは、
接地面が内側に引っ張られます。
この動きが大きいと、
より、オーバーステアとなりますので、
最初から、接地面を内側に引っ張っておいて、
挙動をマイルドにしたわけです。
そして、②も、オーバーステア対策の
王道ですね。
原理は、ちょっと難しいのですが、
サスペンションには、フロント/リア別々に
ロールセンターと呼ばれるものがあり、
このフロント/リア のロールセンターを
つないだロールセンター軸の傾きが、
ゆるやか(前傾角度が)にななることから、
オーバーステアが抑制されます。
(ちょっと難しいですよね・・・、すいません・・・)
決して、リアの車高を下げたら、
コーナーウエイトがリアよりになって、
オーバーステアを抑制するのでは
ありませんので、
お間違いなきよう・・・。
そして、そして、③は、
ロールが大きいといいながら
キャンバーを調整しました。
理由は、スプリング交換には、
時間がかかるからです。
これらの変更で、
オーバーステアのどの部分が
改善されるかで、
より、効果的なセットアップは
絞り込まれます。
で、この状態で、
3回目の走行は、はじまりました。
今回は、まず、田中が走って、
その後、某編集長が
走りました。
結果は・・・、
田中のBEST は、少し速くなったものの
某編集長は、タイムダウン・・・・・。
まずは、某編集長のコメントを
動画で、どうぞ!
クルマは速くなっているのに、
タイムが・・・・・。
といった、コメントでしたね。
では、理由を説明しましょう。
まず、クルマは、オーバーステアが
大きく改善されました。
しかし、初期のオーバーステアは、
抑制されたものの、
アクセルを踏み続けると、
最後は、やはりオーバーステアが
出てしまします。
また、初期のオーバーステアが
抑制された分、
進入では、アンダーステアが
発生しています。
田中的には、このときに、
オーバーステアの原因は、
ロールが大きすぎることだと、
決定付けられたのです。
なぜなら、トーイン、車高、キャンバーで
オーバーステア は、
抑制されたにもかかわらず、
根本的な解決になっていないからです。
もし、この3種類の変更で
完全にオーバーステア が、
なくなれば、ロールの問題ではなく、
これらの中に、アタリ があります。
このように、何か対策をしても、
少しは抑制はされるものの、
根本的な解決にならないときは、
必ず、別のところに原因があります。
だから、数値的に、
結構大きく振ってみたんですね~。
あと、某編集長の
タイムダウンの理由は、カンタン。
クルマがアンダー方向に
なったことに、
順応できていないだけです。
アンダーになったのに、
今までと同じところからステアリングを切り、
同じところから、アクセルを踏んでいる・・・・・。
セットを変えても、
ラップタイムが落ちるか変わらずで、
また、元のセットに戻すような
堂々巡りは、だいたい このパターンですね。
(みなさんの中にも、心当たりがある人が・・・・・)
さあ、昼休みに
いよいよ、スプリング交換です。
続きは、また明日ね~。