HYPERCO は、やっぱ スゴイ!(匠の日編)③
2010年05月01日(土)
GW 真っ只中ですが、
みなさんいかがお過ごしでしょうか?
さて、本日は、
「匠の日」 に行った、車高調整のお話を!
じつは、田中は、ずっとスイフトの開発を
やってきて、クルマを見るだけで、
だいたいの車高がわかるようになってきました。
(マニア、マニア・・・)
でね、スイフトの場合、
なぜだか、多くのクルマの車高が、
フロント下がりになっているような気がするんですよ・・・。
おそらく、理由は、
「アンダーステアの抑制」 だと思うのですが、
じつは、このセットアップ、あまり有効ではありません。
なぜなら・・・・・、
みなさんもご存知のように、スイフトはFFで、
フロントヘビー・・・。
この状況で、フロント下がりにすると、
① コーナーの進入時に不安定になります。
元々、200kg ぐらいしかない、
リアのコーナーウエイトが、ブレーキングにより、
フロントに移動しますので、
リアの荷重があまりにも少なくなり、
ステアリングが少しピーキーになります。
この状況だと、高速道路を走っていても、
手に力が入っていないと、少々不安な感じとなります。
また、ブレーキングを伴うコーナーでは、
ステアリングを、自信を持って、
思い切って切れません。
少しステアリングを切ったら、
ステアリングが、ズッシリ重くなり、
反応が、ピーキーな感じとなるため
そこから、ステアリングを
切り足していけないようなら、まさにこの症状です。
② コーナーの頂点寸前でアンダーステアが出る
コーナーで、一番スピードが落ちる直前に、
アンダーステアが出る場合、
それは、荷重が載り過ぎて、出ている場合があります。
コーナーの入口で、
ピーキーな感じがするので、ステアリングを
徐々に切り足すことができず、
その後、ステアリング切っても、
思ったより曲がらないなら、
ブレーキング中の荷重配分が、
あまりにも、
フロント寄りになっている可能性が大きいです。
だから、スイフトの車高バランスは、
ちょっと後傾ぐらいが、◎ です。
ちょうど、「匠の日」 に、
車高調整を希望されているスイフトオーナーさんがいて、
そのクルマを見ると、まさに、前傾・・・。
しかし、リアには、車高調整のブラケットが
付いていませんでしたので、
フロントで合わすことにしました。
でも、フロントスプリングには、
すでに、プリロードがかかっていて・・・・・・、
少々迷ったのですが、
匠に、プリロードを、
「+5回転にしてください」 と指示を入れました。
普通、これぐらい、強烈なプリロードは、
乗り心地のためにも、トラクションのためにも、
あまりかけないのですが、
車高の方が、絶対に、影響が大きいと考え、
ガッツリ プリロードをかけました。
でもって、田中データと照らし合わせて、
一番美味しそうなバランスに、SET 変更を行いました。
その後、ユーザーさんと試乗に出かけましたが、
格段に乗り心地は向上し、
ステアリングを切るときの不安感も
大きく抑制されたことは、言うまでもありません。
たかが車高、されど車高です。
「匠の日」 は、こんなことまでできるところが、
田中的には、とっても気に入っています。
もちろん、このオーナーさんも、ご満悦。
ちなみに、この車輌は、某車高調メーカーの
吊るしの状態で、スプリングも、
HYPERCO 等ではありません。
「匠の日」 は、やっぱ、スゴイです。
なんてったって、テストによる情報量が、
圧倒的ですから・・・・・。
もし、症状のところに、ひとつでも、
気になる部分があれば、車高を疑ってみてください。
スイフトのBEST車高は、水平より、後傾ですよ!