駆動系パーツ
TM デュアルコア LSD (ZC31S) に、タイプ RR 登場!
2016年05月21日(土)
その商品とは・・・・、
現在、好評販売中の
ZC31S デュアルコアタイプ LSD をベースに、
LSDディスクの表面処理を変更することで、
よりLSD の効きを強めた
ZC31S TM デュアルコア LSD 「タイプ RR」 なのであります。
で、なぜ、この仕様をリリースするのか?
ですよね~。
それはね・・・・、
TM-SQUARE デュアルコア LSD ZC31S仕様が、
リリースされたときに解説しました
ZC31S と、ZC32S のデフケースの違い って、覚えてますでしょうか?
そうです!
右 ZC32S スペック → デフケースが深い
左 ZC31S スペック → デフケースが浅い
でもって、この、デフケースの中には、
LSD ディスク というものが組み込まれており、
そのディスク面の摩擦にて、LSD の効きが決定されるのであります。
しかし!
デフケースの中に入っている LSD ディスク の組み数が、
ZC32S仕様と、ZC31S仕様では、違っているのです。
ZC32S スペック → 片側 5組 (だから、デフケースが深い)
ZC31S スペック → 片側 3組 (だから、デフケースが浅い)
ですから・・・、
デュアルコア タイプ の採用にて、
通常の機械式LSD より、ロックは強くなりますが、
(同じディスクの組数、同じイニシャルトルク、同じカム角の場合)
デュアルコア 同士で比較すると、
どうしても、「サーキットにおけるロックの強さ」 という面では、
片側 5組 のディスクを有する ZC32S スペック に軍配が上がります。
そこで、3組のディスクのままで、LSD のロックを強くするには、
① イニシャルトルクを上げる
② カム角をより強いタイプへ変更する
③ ディスクの表面処理を変更しディスクの摩擦を向上させる
といった手法が考えられますので、
テストしてみると・・・・・、
③ のディスクの表面処理を変更した仕様が、
ロックが始まる部分が扱いやすいまま、ロックを強くすることができたので、
「タイプ RR」 として、発売することになりました。
要するに、ZC31S LSD の限られたディスク面を より有効に使用するため、
表面処理を変更し、強い摩擦を発生させることで、
LSD の効きを向上させるのが、「タイプ RR」 なのであります。
もちろん、LSD のロックが強くなることで、
サーキット走行では、デュアルコアとの相乗効果により、
「より曲がる」 が体感でき、ラップタイムの短縮にもダイレクトにリンクします。
(田中の個人的な見解では、通常品 「タイプ SR」 から、
20~30% LSD のロックが強くなるイメージです)
しかし、ストリートの快適性といった面では、デメリットも発生します。
それは、交差点等で、ステアリングを大きく切った状態にて、
クルマを発進させると、チャタリングが発生することです。
通常品(タイプ SR)では、ほとんど感じることがない、このチャタリングは、
快適性といった面では、やはり大きなデメリットです。
また、LSDの効きが強くなることで、路面の凹凸や、ワダチに乗ると、
直進安定性が、悪化する場合もあります。
これらのメリット/デメリットを 考慮して、
この 「タイプ RR」 は、どんな ZC31S ユーザーに、マッチングするのか・・・・、
すべて、田中ミノルの私的な見解とはなりますが、以下のとおり考えてみました。
ストリートメインでの使用
ストリート & ワインディング がメインで、サーキットを 年間1~2回走行。
速さも、快適性も重視する といったユーザー なら →「タイプ SR」
ストリート/サーキット を両立して使用
ストリート & ワインディング のウエイトが、50 – 50
ラップタイムも、快適性も重視する といったユーザー なら →「タイプ SR」
サーキットメインの使用
サーキット専用車、または、サーキットの頻度がかなり高く、
快適性より、ラップタイム重視 なら →「タイプ RR」
といった感じです。
ちなみに、「タイプ RR」 の登場にて、
「タイプ SR」 は、LSD のロックが強くないようなイメージになりがちですが、
弊社のすべての商品群(ZC31S LSD)で比較すると、
初期のタイプ(KAAZ製) < デュアルコア 「タイプ SR」 < デュアルコア 「タイプ RR」
となり、決して、 「タイプ SR」 が弱いという意味合いではありませんので、
誤解なきようお願いいたします。
ということで、
ZC31S TM デュアルコア LSD 「タイプ RR」 は、
快適性を少々犠牲にして、「タイプ SR」 のロックをより強め
LSD の効きを優先させた仕様となりますので、
「もっと、強いロックの LSD が欲しい!!」 といったニーズがあり、
ストリートの快適性より、ラップタイムを優先させるユーザーのみに
マッチングする商品なのであります。
ハイ。
そして、プライスは、
「タイプ SR」 「タイプ RR」 ともに、178,000円(税込) となります。
以上、ますます、マニアック路線を突っ走る
TM-SQUARE パワートレイン 事業部 からの お知らせ でした!!