駆動系パーツ
LSD 基礎講座 ③
2009年10月17日(土)
では、今日は、
LSD のカム角の話を。
話を単純にするため、
減速側のことは、
ちょっと、置いておいて、
加速側のことで、説明しますね。
カム角のことを
機構の説明から入ると
頭が混乱しますので、
カム角=実際の効果 という形で、
ドライバー視線から、お話します。
このカム角によって、
何が一番大きく変わるかというと、
アクセルON によって、
LSD が、どのようなカーブを描きながら
ロックしていくかが決定されます。
では、下のグラフを見てください。
これは、
時間軸の、一番左側で、
アクセルON にして、
LSD が、どのようにロックしていくかを
グラフ化したものです。
赤いラインは、
アクセルON の瞬間から、
レスポンス良く、効いているのに対して、
青のラインは、
ロックするまでに、
少し時間がかかっていますよね。
そうです、この違いを作り出すのが、
カム角なんです。
このカム角は、
数字が大きくなると、
レスポンス良く、急激にロックし、
数字が小さいと、
徐々にロックします。
たとえば、30度のカム角と
45度のカム角では、
45度の方が、より速く、LSDが効き、
両輪がロックされるのです。
でね、大切なことは、
タイトコーナーの出口って、
いきなり、アクセルは、全開にならないでしょ?
ということは、
この、レスポンスは、
全体的に、
もっとゆっくりになるんですよ。
だから、カム角によって、
アクセルに足が乗った瞬間から、
全開になるまで、
LSD が、どの瞬間から、
どれぐらいの強さで効くかを
決定できるのです!
タイトコーナーの立ち上がりで、
どのように、LSD を効かせるかを
決められることから
LSD は、とっても重要な、
セッティングパーツ となるのです。
TM-SQUARE LSD は、
この部分を田中が
徹底的にテストしてカム角を
決定したんですね~。
それも、既存のカム角では、
少し、妥協しなければならない点が
あったので、作ってもらったというわけです。
まさに、田中ミノル オートクチュール なのです!!
みなさん、理解できましたか?
では、次は、減速側のカム角の話を!