匠工房 スペシャルメニュー 「TM キャンバー ナックル」 ①
2012年08月23日(木)
匠工房 スペシャル の
新メニューが、登場しました!!
その名は、
TM-SQUARE キャンバー ナックル
という、商品なんですね~。
ナックルと言うパーツは、別名アップライト とも呼ばれ、
カンタンに説明するなら、ハブベアリング が、圧入されている部分です。
で、どんな特徴があるかと言うと・・・・・、
特徴①
フロントキャンバー 1.2度 ネガ仕様
そうです、
キャンバーが、現行より、1.2度 ネガ方向に変化する
パーツなのであります。
ストラットタイプ の フロントキャンバー は、ナックルと、
フロントダンパー 装着部分の位置関係(角度)を変えることで、
変更することができます。
一般的には、この部分に使用するボルトを、細くしたり、
偏心させることより、「ガタ」 を発生させ、その 「ガタ」 の中で、
一番キャンバーが付く状態で固定する方式が取られています。
しかし、この方式では、
走行中、大きな入力(大きなGフォースや、縁石の使用)が、
ストラットにあると、「ズレ」が発生し、大きくアライメントが狂ってしまいます。
TM-SQUARE キャンバー ナックル は、
ダンパー装着部を加工し、スリーブを装着。
キャンバーの 「ズレ」 を発生させることなく、
現状から、1.2度 ネガティブ方向にキャンバー変更が可能となるパーツです。
(TMダンパーを装着されている方は、ダンパー側にキャンバーを
調整できる機能がありますので、このパーツは必要ありません)
わかりやすく、キャンバー変更例 にて説明すると、
現状キャンバー 装着後のキャンバー
1.0度 → 2.2度
2.0度 → 3.2度
3.5度 → 4.7度
といった感じになります。ハイ。
では、なぜ、そんなことが可能かというと・・・・・・、
ナックルには、ダンパーを装着するため、
2箇所 穴が空いているのですが、
そのひとつの穴を加工して・・・・・、
このスリーブを入れてしまえば、
バッチリと、キャンバーが付く、
ナックルに、変身するのであります。
これなら、大きな入力も、縁石の使用も、
走行中、キャンバーのズレは、発生しません。
だって、このスリーブにあいてる穴の大きさは、純正と同じなんですから!
(もちろん、純正の ボルト/ナット で装着します)
でも、まぁ~、
なぜに、フロントキャンバーは、必要なのか・・・・・?
田中は、ZC31Sスイフトにとって、速く走るために、
フロントキャンバーは、MUST だと思います。
なぜなら、全高が高く、ロールが大きいスイフトでは、
スポーツ走行時、コーナー外側のタイヤが、大きく 「ヨレ」、
キャンバーが少ないと、タイヤの外あたりが激しく、
適正なグリップを確保できないからです。
いままでの 数多くのテスト走行から、
サーキットにおいて必要とされる フロントキャンバー値は、
-4.5度 ~ -6.2度 です。
(サーキットの特性によって違ってきます)
数字だけを見ると、かなり大きなキャンバー値ですが、
コーナーにおいて、有効にタイヤを接地させるためには、
上記のキャンバーが必要となります。
たとえば、筑波1000 の場合、
-4.5度 と、-5.8度 の比較では、-5.8度仕様の方が、0.4秒速いという
結果が出ました。
(筑波2000の場合は、もっとフロントキャンバーが必要ですね)
また、-4.5度 以下のキャンバーのほうが、速いサーキットは、
今までのテストにて1箇所も存在しませんでした。
(-4.5度 が、適合したのは、WETコンディションの スパ西浦 のみです)
しかし、デメリットもあります。
それは、キャンバーにより、ストリートにおける
タイヤの 「内ベリ」 と呼ばれる変磨耗が、発生する場合があることです。
これは、高速道路等、タイヤの横グリップをさほど使用しない状況で、
長期間使用することで発生します。
もちろん、サーキット等スポーツドライビングでは、
-4.5度のキャンバーが付いていても、タイヤの外側が磨耗しますので、
スポーツドライビングの頻度によって、この 「内ベリ」 は、抑制されます。
なお、あまりにも大きな 「ワダチ」 があるようなところでは、
キャンバー値によっては、直進安定性が、悪くなることもあります。
では、使用状況による、
キャンバーと、タイヤグリップの関係を説明すると・・・・・・・、
たとえば、215サイズのタイヤなら、
キャンバー値が小さいと、
ストリート → 215サイズのグリップ
サーキット → 125サイズのグリップ (タイヤの外側が磨耗)
キャンバー値が大きいと、
ストリート → 125サイズのグリップ (タイヤの内側が磨耗)
サーキット → 215サイズのグリップ
となります。
要するに、215幅のグリップを ストリートで使用したいか?
それとも、サーキットで使用したいか?
ということになります。
悩ましいですよね・・・・・・・・。
田中のオススメは、
もし、現行キャンバーが、-2.5度 より少ない場合は、
TM-SQUARE キャンバー ナックル を装着すると、
サーキットをはじめとするスポーツドライビングでは、
コーナーでのフロントグリップが向上し、
ストリートでのデメリットも、ほぼ発生しないと思います。
しかし、現行キャンバーが、
-2.5度 以上 付いている場合は、使用環境を良く考えて、
サーキットでのグリップを優先にする場合は、オススメ。
タイヤの磨耗の方が気になる場合は、オススメしませんね。
次回は、TM-SQUARE キャンバー ナックル に装着されている
ハブベアリングのお話をしますね!