駆動系パーツ
TM LSD (ZC31S) 開発中・・・・・!

2015年06月26日(金)

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数ヶ月前に届いた、
チョット怪しい、ダンボール箱・・・・・。

送り元は、OS 技研 さん・・・・。

あれ・・・、

OS 技研 さん と言えば、
ZC32S 専用品のリリースが、すでに 始まっているのに・・・?

で、ダンボールの横を
よ~く見てみると・・・・・、

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と、書いてあるんですね~!!

でも、この第一試作は、「撃沈」 でございました・・・・・・。

やっぱり、ミッションケースが違えば、
徹底的に、合わせ込みが必要なこと、改めて痛感した次第でございます・・・・・。

ということで!


TM ZC31S LSD SPEC2 は、
またまた、田中が気に入る仕様になるまで、
徹底的に頑張ってみたいと思います。

第二試作への要望を ガッツリ まとめなきゃ・・・・。

広告!

明日/明後日 は、 「匠の日」 開催です!!

BILLION
BILLION OILS FR-780 の インプレッション が届きました!

2015年06月12日(金)

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本日のブログは、

先日、SA京都ワンダー イベントにて、

FR 機械式 LSD 専用 デフオイル BILLION OILS FR-780

を 投入いただきました、S2000 オーナー 様から

インプレッションが届きましたので、

みなさんにも、お伝えしたいと思います!

(今回いただいたインプレッションは、ストリートにおける インプレッションです!)

5月24日 SA京都ワウワンダーシティで開催されたイベントで、

田中氏の理想と拘りを詰め込んだというデフオイル 

BILLION OILS FR-780 と交換しました。

私の愛車はS2000…

デフケースが小さく油量不足からデフトラブルの多い車種としても有名です。

なので他メーカーで高性能とされる同粘度のデフオイルを今まで使ってきましたが、

交換直後でもある程度チャタリングノイズが発生し

サーキットで1〜2回使うと既に使い物にならずこまめに交換してきました。

同粘度で初めて使うFR-780はどれほどのものか?

その体感はオイル交換をしてピットから車を出した瞬間から分かりました。

なぜなら機械式LSD特有のチャタリング音がなくなってしまったからです。

音が小さくなったのではなく全くの無音になってしまい思わず本気で

田中氏に 『LSD外しました?』 と聞いてしまいましたww

その後、帰り道にある小さなワインディングを通って帰ったのですが、

そこでこのオイルの面白さが分かりました。

まずデフの音が聞こえなくなって街乗りだけだとイニシャルトルクに

大きな変化は感じずむしろイニシャルトルクは下がったような印象がありました。

ところが軽くコーナーを攻めると今までこのLSDでは体感した事ない

ハイトラクションを感じることができました。

今までのデフオイルだとコーナー進入ではデフが効いてたのが

コーナー出口に向けてアクセルをあけていくと油温上昇かオイルの性質で

ややアンダーが顔をのぞかせる感じだったのが

FR-780だとパーシャルからコーナー出口にかけてのアクセルオンで

安定感のあるロックにてアクセルをそこまであけなくても

結果的に速く曲がる事ができました。

そしてそのまま帰路につく途中の一般道では何事も無かったように

スムーズなデフの効き方とチャタリング音なしで超快適に乗る事ができました。

私の街乗りの感覚ですと、街乗りではオープンデフの如くマイルドなのですが、

スポーツな走りになると機械式LSDの性能を引き出してくれる

まさにチューニングパーツだと思いました。

また、このFR-780はサーキットでの使用を想定して作られているとの事なので

早速6月に走り慣れたセントラルサーキットを走ってきたいと思います。

前回の走行より気温も上がる事が予想されるので

どんなパフォーマンスを発揮してくれるのか…?

今から楽しみで仕方ありません。

いや~、素晴らしい!

BILLION OILS FR-780 イイ仕事してますよね~。

そして、きっと、セントラルサーキットでは、

連続周回でも、オーバーステアバランス にならない、

安定したトラクションを発揮すると思いますよ~~。

乞うご期待!

いや、超ご期待! でございまする!

そして、サーキット 走行後のコメントも、

ぜひぜひ、教えてくださいね!!

あっ! ちなみに、ライフはかなり長く、

1回 2回 のサーキット走行では、決して ヘコタレ ませんので、

ジックリ 使ってみてください。

ということで、今夜は、

BILLION OILS FR-780 の インプレッション をお届けしました!

S2000 オーナー様  インプレッション ありがとうございました!!

そして、明日は、いよいよ、

田中ミノル式 ドラテク道場   「これが、荷重移動だ!」 イベント ですよね~。

みなさんに、荷重移動の真髄を ガッツリ 理解いただけるよう 

全力で頑張りたいと思います。

ご参加のみなさん どうぞよろしくお願いします!!

BILLION
「前略 FR + 機械式LSD 乗りのみなさんへ!」 ②

2015年03月25日(水)

p116

今夜は、機械式 LSD 専用 デフオイル のこと、もう少し、掘り下げて、
お話したいと思います。(今回が、最終回です!)

もし、田中が、FR 機械式 LSD に使用する デフオイル の性能で、
「何を一番重要視するか?」 と、聞かれれば、「たとえ、オイルの温度が、
高温になっても、トラクション性能が安定していること」だと、即答します。

それぐらい、FR 車両にとって、トラクションは、重要な性能であり、
また、デフオイルの温度上昇が原因で、トラクションが不安定になるケースが、
とても多いように感じるからです。

では、まず、機械式 LSD を装着すると、なぜ、デフオイルの温度が
上昇してしまうのかを、解説しましょう!

最大の理由、それは・・・・・、純正デフ(OPENデフ)の構成品は、
ピニオン&ギア となりますが、機械式 LSD を装着する場合、
このピニオン&ギア に、多板式のLSD ディスクが追加されることです。

そうです!
ピニオン&ギア のみなら、サーキット走行にて、油温が上昇する
といっても限定的なのですが、そこに、LSDディスクが加わると・・・・、

LSDのロック ⇔  アンロックのたびに、このLSD ディスクから
大量の摩擦熱が発生 することから、デフオイルの温度は、
一気に上昇してしまうのです。

それから・・・・・、
このLSD ディスク が、追加されても、デフケース内のオイル容量は、
同じですよね・・・・。
となると・・・・、多板式ディスクを有する 機械式 LSD を装着すると、
ピニオン&ギアのみを想定された純正デフケースの容量(油量)では、
大量の摩擦熱に対して、絶対的な容量が足りない・・・・・・・、
という状況に、なってしまうのです。

いや~、機械式 LSD を装着すると、
油温的には、厳しいことばかりですよね・・・・・・・・・。

ちなみに、デファレンシャル内の 各パーツは、車速に比例して、
回転数が高くなりますので、平均スピードが高いサーキットの方が、
より温度が上がりやすい傾向にあります。

よって、ミニサーキットに比べると、
FSWレーシングコース、岡山国際、ツインリンク茂木 などの
ハイスピードサーキット方が、油温が格段に高くなるのは、
スピードの違いなのであります。

ハイ。それから、それから・・・、
この油温上昇により発生する、不安定なトラクション変化は、
機械式 LSD 特有の性能である 増摩擦性能 とも、深く関係しています。

みなさん ご存知のように、機械式 LSD は、多板式ディスクの摩擦抵抗で、LSD のロックをコントロールしており、このディスクが滑っている状態は、
左右のタイヤが連結されず、フリーに近い状態。

そして、ディスク同士がグリップすると、LSD がロックした状態となります。
ですから・・・・、機械式 LSD 専用 デフオイル には、

①LSD がロックしていないとき → LSDディスクを潤滑 (滑らせる)

②LSD がロックしているとき  → LSDディスクをロック(グリップさせる)

といった、相反した性能が求められます。
でもって、上記② の性能となる 強力で安定した、LSD のロックを
実現するために、LSD のロックが始まり、LSD ディスク間の
油膜が薄くなると、各ディスクの摩擦抵抗を増大させ、
強力にグリップさせる増摩擦剤 と呼ばれる添加剤が配合されています。

この 増摩擦剤 こそが、機械式 LSD 専用 デフオイル の 主役中の主役!

だって、 増摩擦剤 により、LSD のロックが、どのように始まり、
どれぐらいの強さで、そして、どれぐらいの安定感で 続くかという
ドラテクに直結する 性能を左右していますからね~。

また、増摩擦剤 は、ベースオイルに混ざった状態で、ディスク間の
摩擦抵抗を向上させますので、油温が上昇し、ベースオイルの粘度や、
油膜の厚さが変化すると、増摩擦剤 の効きも変化してしまいます。

よって、増摩擦剤 の 性能や、マッチングによっては、
油温が上昇すると、各LSDディスク間の摩擦抵抗が、うまく揃わず、
不安定なトラクションの原因に、なる場合があるのです・・・。

FR の車両にて、サーキットを全開 アタックしていると、
はじめの 数 LAP は、安定したイイ感じのトラクションなんですが、
5 LAP も走ると、油温上昇と共に、だんだん、トラクションが不安定になり、
ラップタイム が遅くなってしまう・・・・、
なんて、よくある話ですからね・・・・・。

まぁ~、それぐらい、高温時に、増摩擦剤 が、「どう作用するか?」
といった部分は、とっても重要なのであります。
また、同じ LSD を使用しても、チャタリングの有無をはじめ、
デフオイルによって、キャラクターが大きく異なるのは、
増摩擦剤 によるところが、大きいように思います。

ということで!

BILLION OILS FR-780 は、

超高温になっても、安定している増摩擦性能

増摩擦剤の効きを意識したベースオイルの粘度設定  

そして、可能な限り油温を上げないため 「抑温性の確保」

といった各種性能を武器に、FR & 4WD(リアデフ) に、
LSDを装着した車両 に対して、常温から、超高温まで、
田中ミノルが、追い求めた、安定したトラクションと、
ドライバビリティに優れる 扱いやすい LSD のロックを実現した
いかにも、ドライバー発進の FR 機械式 LSD 専用 デフオイル
なのです。

トラクションは、良くなって、はじめて、それまで不足していたことに気付く!BILLION OILS FR-780 を使用すると、きっと、この言葉の意味が、
ご理解いただけると思います。

自身、アリアリ ですよ~!!

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※本製品は、カーボンタイプのLSD にも、ご使用いただけます!

BILLION
「前略 FR + 機械式LSD 乗りのみなさんへ!」 ①

2015年03月24日(火)

p117

BILLION OILS FR-780   の発売によって、
またまた、スタートしました 田中ミノル の解説シリーズ・・・・・・。
(そうです・・・・、FR 機械式 LSD 専用 デフオイルに関しての
ウンチク です・・・)
ということで、全国の FR + 機械式LSD  乗りのみなさん、
ぜひ、ぜひ、お付き合い下さいね!

では、はじめましょう。

FR/4WD 車両 をセットアップするとき、
アンダーだ! オーバーだ! という前に、
絶対に確保しておかなければならない条件(性能?)が2つあります。

ひとつ目は、ブレーキングがシッカリ踏めること。

まぁ、当たり前といえば、当たり前なのですが、
ハイスピードから、フルブレーキをしても、
安定して (ドライバーが怖くない状況で) 減速ができることです。

たとえば、強い踏力で、ブレーキングすると、クルマが暴れるので、
ブレーキを踏む力をコントロールしなければ・・・・・・・・・、
といった状況では、セットアップを始める前に、
この状況を改善する必要があります。

ふたつ目は、トラクションが、シッカリかけられること。

こちらは、コーナーの立ち上がり区間で、アクセルを踏んだとき、
安定したトラクションにより、ドライバーが恐怖を感じることなく、
加速ができることです。

たとえば、徐々にアクセルを開けているのに、急激にトラクションが抜けたり、
唐突にオーバーステアになるようなら、セットアップを始める前に、
この状況を改善する必要があります。

以上の2点に関しては、「曲がる曲がらない」といったセットアップ以前に、
クルマのキャラクターを形成する中核的な部分となりますので、

ブレーキが安心して踏める

アクセルが安心して踏める

といった条件は、まずは、絶対にクリアーしておかなければならない、
とても重要な性能です。
だって・・・・・・、減速/加速 といった
スピードをコントロールする 指示をドライバーが、状況に応じて、
自由に出せないクルマって、楽しくないだけではなく、
やっぱり、速く走ることはできませんよね・・・・・・・。

ですから、上記の2点は、セットアップの基本中の基本となるのであります。
そして、みなさんご存知のように・・・・・・、

上記の両方に、効果があるのが、機械式 LSD です!
減速時には、左右のタイヤが連結しようとする力が働くことで(LSD 効果)、
直進安定性が増し、ブレーキング時の安定感が向上。
(1wayタイプのLSD でも、イニシャルトルク分は作用します)

そして、加速時には、このLSD 効果により、ガッツリとトラクションは
強くなりますので、アクセルを踏んだときの安定感が、格段に向上します。

このように、LSD を装着すると、セットアップの基本となる
減速時/加速時 の安定感という とっても重要な性能が強化されるのです。

では、もう少し突っ込んで、加速時のLSD の効きに関することを
ドラテクを交えて解説しましょう。
たとえば、減速を伴うコーナーにおいてドライバーは、

1 アクセルOFF   

2 ブレーキング  

3 ブレーキング(リリース) + 旋回  

4 旋回  

5 旋回 + アクセル 

といった順序でドライビングします。
この時、クリッピングポイント 付近にて、アクセル に足が、
ほんの少し乗った瞬間(上記 5 の部分)から、
アクセル開度によって、どのようにLSDのロックが変化するかによって、
クルマのキャラクターは、大きく左右されます。

ドラテク的に、一番 コントロールしやすい LSD の効き方は、
アクセルON (アクセル開度5~20%レベル) により、
優しく ロック がはじまり、その後は、アクセル 開度に応じて
LSD の ロック 率が リニア に反応すること(ドライバー が、アクセル を
踏む量で、ロック 率を コントロール できること)が理想となります。

ですから・・・・・、たとえば、アクセル に足が乗った瞬間、
「ガツン」 と LSD が ロック するようなピーキー な特性では、
コーナリング中に、急激なトラクションがかかることから、
一気にタイヤの限界を超え、クルマは挙動を乱し、

反対に、アクセルを踏み込んでも、LSDディスクの滑りによって、
的確にロックが行われない場合は、
ドライバーの指示がクルマに伝わらないことから、
トラクションをコントロールすることも、
タイヤのグリップを有効に使用することもできず、
ハイスピードでコーナーを曲がることはできません。

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そして、一番最悪なのは、走り始めは問題がないものの・・・・・、
徐々に、上記の ピーキーなLSDのロック と、不安定なLSD の滑り が、
交互に、それも、非常に短時間(1秒間に数回レベル)に、繰り返し、
ランダムに訪れる場合です。

こうなると、アクセル開度を一定にしている状況でも、LSDが滑り、
そして、唐突にロックする を繰り返すことから、ロックしたときの衝撃が
大きく、ドライバーは、いつ発生するかわからない オーバーステアに
恐怖を感じながら、低い限界域を 恐る恐る走ることしかできませ・・・・・。

おまけに、困ったことに・・・、
この症状が発生しても、ドライバーは、「明らかにトラクションが悪化した」
といった認識がないんです・・・・・・・・。(そうなんです・・・、
トラクションが悪くなったという自覚がないのです・・・)

なぜなら、このとき、ドライバーが感じる症状としては、

○ 徐々に 運転が難しくなり、ドライビングミスが増える

○ 周回を重ねると、高速コーナーでの挙動が、だんだん不安定になる

○ タイトコーナー立ち上がりで、少しずつオーバーステアバランスが強くなる

といった感じで、この症状が、トラクション変化によるものだとは、
かなりの エキスパート でも、判断ができず、多くのドライバーは、
この変化を タイヤのグリップダウンと感じてしまう傾向にあるようです。

だって・・・・・・、
アクセルを踏むたびに、同じように 「ズバーッ」とリアが流れるのなら、
すぐに、トラクション性能の低下という判断ができるのですが、

毎LAP オーバーステアが発生するのではなく、発生する LAP があったり、
発生しない LAP があったり・・・・・、同じように走っているつもりでも、
ボトムスピードが、少しだけ高いとか、アクセルの踏み始めが、
ほんの少しだけ早いといった状況でのみクルマのバランスは崩れますので、
非常に判断が難しくなってしまうのです・・・・・・・・・。

田中は思うのですが、トラクションの良し悪しって、何かパーツを交換して、
トラクションが大きく向上してはじめて、それまでのトラクションが
安定していなかったことに気付くことも、しばしばです・・・・。

まぁ~、それぐらい、乗り慣れてしまうと、麻痺してしまう感覚なのかも
知れませんね。
そして、このドライバビリティを大きく悪化させるオーバーステア、
いや、不安定なトラクションの原因は、もちろん、LSD の特性や、
LSD のセットアップによって、発生することもあります。

しかし、クルマのバランスが、徐々にオーバーステア方向に 「変化」したり
だんだん トラクション が不安定な方向に、「変化」 する場合は、
デフオイル の油温が原因になっていることが、意外に多いように思います。

特に、サーキット走行において、走り始めの数LAP は、
まったく問題がないものの連続周回にて、油温が上昇すると、
上記の症状が顕著に現れる・・・・・・・・、こうなれば、かなりの確率で、
デフオイル の油温が関与していると思われます。

ということで!
次回は、トラクションのクォリティと密接に関係している
デフオイルの油温 のこと、ガッツリと解説したいと思います。

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BILLION
BILLION OILS FR-780 デビュー!

2015年03月23日(月)

p119

現在、大好評をいただいております

FF 機械式 LSD 専用 デフオイル  BILLION OILS FF-730 に続き、 

いよいよ、正式リリースとなりました

FR 機械式 LSD 専用 デフオイル BILLION OILS FR-780

(FR乗り & 4WD乗り のみなさん、大変お待たせしました!)

約2年間、徹底的に開発を担当した田中には、

FR の 機械式 LSD 専用 デフオイル を作るなら、

「どうしても、この特性のオイルを作りたい!」 という、

明確な構想と、思い入れがあり、

その 田中の 「思い」 と、「想い」 を 

ギッシリ詰め込んだのが、

今回リリースした、BILLION OILS FR-780 なのであります。

でもって、いったいどんな タイプ の LSDオイル なのかを

WEB の文章を引用し、アウトラインを説明しますと・・・・・・、

推奨使用温度域 常温~150℃

用途

FR 機械式 LSD 装着車 の デフオイル

4WD 機械式 LSD 装着車(リアデフ) の デフオイル

適合

油温上昇が激しい車両への使用

ハイパワー FR & 4WD 車両への使用

サーキット走行時、オイルの噴出しがある車両への使用

ハイスピード サーキット への使用(FSW 岡山国際 ツインリンク茂木 etc)

デフケースのオイル容量が少ない車両への使用

BILLION OILS FR-780 は、LSD ディスクから発生する大量の摩擦熱により、油温上昇が

激しい車両にもマッチングする サーキット 完全対応の FR 機械式 LSD 専用 デフオイルです。

「厚く強靭な油膜」にて、超高温の状況下でも、各種ギア & LSD ディスクを的確に潤滑し、

そして、LSDのロックが始まると、最先端の増摩擦剤により、LSDディスク間にリニアで強力な

グリップ(ロック)を発生させることが可能です。

FR 機械式 LSD 専用 デフオイル FR-780 を開発するにあたり、

我々が目標としたテーマは、

○ 油温130℃~150℃といった超高温域でも、トラクション性能が低下しないこと

○ 連続周回でも、オーバーステアバランス にならないこと

○ すべての温度域で、LSDのロックをドライバーが同じようにコントロールできること

○ 超高温域でも、各種ギア、ピニオンおよびディスク面をシッカリ守れること

○ 高温耐久性を向上させることで、性能を長期間維持すること(ロングライフ)

○ ドライバビリティが大きく低下する チャタリングを発生させないこと

以上の6つです。

BILLION OILS FR-780 は、上記のニーズに合わせ込むため、油温上昇の激しい

ハイスピードサーキット(FSW)において、徹底的な開発テストを実施。

そして、田中ミノルのニーズを具現化するために、潤滑油のスペシャリストたちは、

国内に存在しない原料を海外から調達する等、原材料、製法にも一切、妥協する

ことなく 「機能最優先 & コスト度外視」 という環境下にて製造された、

100%化学合成の FR 機械式 LSD 専用 デフオイル です。

最大の特徴は、LSDディスクから発生する大量の摩擦熱によって、仮に油温が

大幅に上昇しても、リニアでコントロールしやすいLSD のロックを維持し続ける

ことができる 「高温安定性」 です。

この卓越した性能で、ハイパワー & ハイグリップ の厳しい環境下でも、LSD の

急激なロックや滑りを抑制し、コントロール性を最重視したLSD のロックと、安定

したトラクションを実現します。

スペック

100%化学合成油

動粘度40℃          440.2

動粘度100℃          46.89

粘度指数            165

粘度              80W-250

API                GL-5

価格(本体価格)     12,000円/2L

といった感じの製品なのであります。

(ね! 想い入れタップリでしょ?・・・・・・笑)

そして、田中が、絶対に実現したかった

こだわり抜いた特性は、なんといっても、

「油温上昇時のトラクション性能」 です。

そうです! サーキット走行において、油温が上昇しても、

いかに、トラクションを安定した状態で維持できるか といった性能を

追い求めたのであります。ハイ。

(やっぱ、FR を速く走らすためには、この性能がなくては、始まりません・・・・・)

ということで、

このドラテクと、ラップタイムに直結した特性は、

いったい、どのようなメリットがあり、

そして、ドライビングにどのような影響を与えるか・・・・・・・。

このあたりを 徹底的に、

次回のブログで、解説したいと思います。

題して、「前略  FR + LSD  乗りのみなさんへ!」

またまた、田中の解説シリーズとなりますが、

みなさん!  どうぞ、お楽しみに!!

いや~、いかにも、ドライバー視点から誕生した デフオイル の特性

きっと、速く走る ヒントが、たくさんあると思いますよ~!

駆動系パーツ
TM LSD (ZC32S) の レポート が届きました!!

2015年03月18日(水)

p118

本日は、TM LSD (ZC32S) を装着された 32オーナー様から、
ガッツリと、LSDレポートが届きましたので、ご紹介したいと思います!

田中 ミノル 様

ご無沙汰しております○○です。
今年1月にTM LSD & ファイナルを装着し、

本庄 (15分×ドライ6本)、

富士ショート (25分×ドライ2本)、

TC2000 (25分ウェット、9周ドライ)

を 走行いたしましたので感想を述べさせて頂きます。

●街乗り

FF-730を慣らしの段階から入れるとチャタリングしない伝説は本当です。
半信半疑でしたが、あれを体感してしまうと・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

多少ハンドルは重くなりますが、人間の慣れの範囲だと思います。
チャタリングによるキックバックが無いので、街中も片手ハンドル運転でラクラクです。

●サーキット

本庄は普段走らないところなので割愛致しますが、
いつも走っている富士ショートでの恩恵は十分感じることが出来ました。

・富士ショート

特に感じたのが3コーナー立ち上がり。
ファイナル変更の影響もありますが、31の時に使用していた他社製のLSDと比べると
パワーが喰われることなく、強烈なトラクションが掛かるのと、
踏んだ分だけデフが効くので、ラインの自由度が上がるのと、
下手くそ加減をいい方向にカバー出来ます(笑)
B3ではセッティングが合わず (トーが超イン)、どアンダーは変わらずでした(汗)
最終コーナーはアクセルを早く開けることができるので、
ストレート立ち上がりで飛び出しそうになる程、速度が乗ります。

・TC2000

初走行でドライ路面はレース中の9周のみでしたが、
十分TM LSDの恩恵を受けることができました。
走行経験が少ないので各コーナーがどうこう、というのはありませんが、
ヘアピン立ち上がりなどは自分がココからアクセル踏んで行く、と
思っているところよりも手前のところから踏んで行けるので、
いい意味で気持ち悪い立ち上がりをして行きます。
ニュルニュルというかヌルヌルというか、そんな感じで加速して行きます(笑)
レース中、オープンデフのFF海外車を追っかけていたのですが、
コーナーリング速度自体はそれ程変わらないのに、立ち上がりで一気に差が詰まります。

・総括

加速が気持ち悪い。
下手くそなところをいくらでも誤魔化せるので上手くなった気になる。
ラインの自由度が増え過ぎてラインを見つけにくい。
お高い買い物でしたが、これを味わってしまうと・・・・・・・・・・・・(^_^;)

・最後に

まだまだ使い始めたばかりなので道具として使いきれていません。
このLSD特有のライン取りとゆーか走り方がありそうな気がしてならないです。
誰が乗ってもある程度の速さは手に入れられますが(現状まだこの段階)、
このLSDはその壁を超えた先に何かがありそうな気がします(笑)
今までのミノルさんの車載にヒントがありそうですね╭( ・ㅂ・)و グッ !

いや~、長文のレポート 感謝、感謝でございます!!

そして、最後の部分ですが・・・・、

↓    ↓    ↓    ↓    ↓    ↓    ↓    ↓

このLSDはその壁を超えた先に何かがありそうな気がします(笑)

↑    ↑    ↑    ↑    ↑    ↑    ↑    ↑

いや~、やっぱ、鋭いですね~。

もちろん、もう少し、使い込めば・・・・・・、
きっと、そこには・・・・・、

「うおっ~!」 という感動と、ラップタイムが、あると思いますよ~!!

そして、このLSD から、タイムを絞り出すには、
このあたりが、「カギ」 になると、思われます。

田中ミノル式  FF 機械式 LSD 完全解説   「曲げるための LSD 有効活用法」⑤

また、レポートを読ませていただいた
田中の直感ですが・・・・・、

LSD の完全攻略まで、そして、感動のラップタイムまで、
かなり近いと、思いますよ~!

乞う ご期待でございます!!

レポート、本当にありがとうございました!!!

駆動系パーツ
TM-SQUARE LSD  ZC32S スペックの 詳細!

2015年01月27日(火)

p110

いや~、前回で終了しました、

田中ミノル式  FF 機械式 LSD 完全解説   「曲げるための LSD 有効活用法」

みなさん、いかがでしたでしょうか?

LSD が、コーナリングパーツ であることを
もし、少しでもご理解いただけていたら 田中は幸せです。ハイ。

ということで、本日は、

TM-SQUARE LSD (ZC32Sスペック)の詳細を少々。
(そうです 新製品の宣伝です!)

先日のブログ

いよいよ リリース! TM-SQUARE LSD ZC32S スペック!!

でも、お伝えしましたように、


「ストリート では快適に、
そして、サーキット では、強力な ロック で クルマ を曲げることができる」


という コンセプトにて、スタートした ZC32S のLSD 開発。

でもって、次から次へと試作品を作り、開発を進めていくと、

「ZC32S のアンダーステアを解消するには、
今までとは、比較にならないぐらい 強いロックが必要」

という結論に達しました。

そうです、それぐらい強いロックでないと、ZC32S は、曲がらないのです・・・・・。

ただ・・・、LSD のロックを強めるために、
安易にイニシャルトルクを上げたり、カム角を大きくすると、
チャタリングという問題が発生し、ドライバビリティを大きくスポイルしてしまいます。

そこで、我々は、イニシャルトルク や、カム角で、LSD のロックを強めるのではなく、
斜めに切った サイドギア により、アクセル を踏み込むと、ロック がより強くなる
デュアルコア  というタイプの LSD を  ㈱ OS 技研 と共同開発しました。

このデュアルコアを超カンタンに説明すると、

通常なら、イニシャルトルク + カム角によって、
LSD ディスクを押さえつける力 (LSD のロックの強さ) は、決定しますが、

デュアルコア の場合、上記の状態から、
アクセルを踏むことで、斜めに切られた サイドギア の効果により、
LSD ディスクを押さえつける 力 がプラスされ、
より強力なロックが発生する仕組みになっています。

まぁ~、平たく言えば、

「アクセルONにより、イニシャルトルクが増大する」 という
新機構のLSD なのであります。

ちなみに、OS 技研 さんの WEB サイトでは、
「トルク感応型」 と 「回転感応型」 の融合!

という表現が使用されています。

OS 技研 WEB サイト

ですから、ディアルコア LSD の場合は、

ロックの強さ = イニシャルトルク + カム角 + アクセル開度


となりますので、曲げるために必要となる強力な LSD のロックを
ドライバー自身がアクセルにより作ることが出来ること、
そして、そのロックをコントロールできることが、大きなメリットとなります。

この新機構により、
アクセルを踏むとグイグイ曲がる究極のコーナリング性能と、
(マジで笑っちゃうぐらい曲がりますよ~!)
チャタリングのない快適なストリートの性能を両立させた
いかにも、TM-SQUARE らしい、まさに曲げるために生まれた
まったく新しい機械式 LSD が、TM-SQUARE LSD ZC32S スペック なのであります!

もちろん! イニシャルトルク、カム角、そして、サイドギアの角度とも、
前回まで、徹底解説しました、曲げるためのドラテクが、リンクするように、
また、ZC32S に、マッチングするように、
完全セットアップ済みの LSD ですので、そのまま組み込んでいただくだけで、OKです。

そして・・・・・、

気になる・・・・・、

お値段は・・・・・・・、


¥178,000!(税込)


まぁ~、決して安くはありませんが、
このコーナリング性能を体感すると、
決して高くないと、田中は思いますけどね~!(笑)

きっと、みなさんが ご存知の LSD とは、まったく違う、
異次元の 「曲がり」 を体感できると思います。ハイ。

そして、そして、現在、在庫も、「◎」 となりますので、
ZC32S オーナーのみなさん どうぞよろしくお願いいたします!!

ちなみに、「匠工房」でも、好評作業中です!

詳しくは、こちらを!!

ということで、以上、田中の超自信作!
TM-SQUARE LSD ZC32S スペック の 詳細 でした!!

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TM-SQUARE LSD ZC32S スペック の曲がり具合、

TC2000 1分3秒台 の動画でも、ぜひ、ご確認を!

駆動系パーツ
田中ミノル式  FF 機械式 LSD 完全解説  「曲げるための LSD 有効活用法」⑥

2015年01月26日(月)

p19

今回解説するLSD 装着のメリット。それは、

「コーナー進入時 (減速時) と、高速コーナーで、安定感が増大する」

という 内容なのであります。
(この安定感とは、リアの安定感を指し、
オーバーステアになりにくいという意味合いです)

では、まず、コーナー進入時 (減速を伴うコーナーの進入時) から
解説しましょう!
減速を伴うコーナーへ進入する場合、ブレーキング + シフトダウン
によって、クルマは大きく前傾していることから、リアの荷重が少なくなり、
セットアップによっては、オーバーステアが発生しやすい状況となります。

特に、進入部分が複合コーナーになっていて、
手前コーナーの 「G」 が残ったままのフルブレーキでは、
とてもピーキーな特性となりやすく、場合によっては、
クルマの安定感と相談しながら、ブレーキの強さを決める必要もあります。

このように、コーナー進入時、リアの安定感が不足している状況では、
LSD を装着すると、大きなメリットになります。

なぜなら、LSD の装着によりロック率が上がると、
クルマは真っ直ぐ走ろうとしますので、直進安定性が向上し、
このブレーキング時の唐突なオーバーステアを抑制してくれるからです。

また、少々、余談ですが、よく、1way タイプのLSD では、
減速側の カム角が設定されていないため、

「減速時は、LSD によるロックが発生せず、左右のタイヤがフリーになる」 

という話を聞きますが、これは間違っているように思います。

理由は、いくら減速側の カム角が設定されていなくても、
イニシャルトルク分 LSD は、ロックされるからです。

ですから・・・、減速時の効きが比較的マイルドな
1way タイプのLSD でも、コーナー進入時の安定性は、
オープンデフと比較すると向上します。

※ 上記の解説は、4輪のタイヤがすべてグリップしていることが
条件となります。タイヤが、グリップしていない状況では、
LSD の効きが強い方が、オーバーステアのバランスになることもあります。

では、タイヤがグリップしている状況における デフのロック率と、
減速時の安定感、そして、アンダー/オーバーのバランスを図解しましょう。

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上記のように、デフのロック率が高くなると、減速時の安定感が増し、
ドライバーは、思い切ったメリハリのあるブレーキングが可能となります。

結果、高い進入スピード & 大きな荷重移動を活用でき、それを組み合わせて、
より曲がりやすい状況をドライバー自身で作れることも、
LSD 装着のメリットのひとつです。
(もちろん、LSD のセットアップにも左右されます)

そして、LSD の装着による 強く安定したトラクションは、
高速コーナーにおいても、とても大きな武器になります。

なぜなら、オープンデフ等、デフのロックが弱く不安定な状況だと、
路面の小さなギャップに影響を受け、トラクションが小刻みに変化し、
オーバーステアの原因となる場合があるからです。

また、仮にオーバーステアバランスには至らない場合でも、
この不安定なトラクションは、ステアリング操作や、アクセルON/OFFに、
かなり神経を使う ピーキーな特性となり、ドライバーは自信を持って
攻めることができなくなってしまいます。

そこで、LSD を装着すると!飛躍的にトラクション性能が向上し、
連動して直進安定性も向上。また、トラクションの変化量も少なくなる
(一定のトラクションが安定してかかり続ける)ことから、
独特の 「ドッシリ感」 が生まれ、高速コーナーにおける安定感が増大します。

この安定感は、ドライバーの恐怖心を大きく抑制し、躊躇なくアクセルが
踏めるというメリットとなりますので、特に、トラクションが安定しない車両、
トラクションを掛けづらいハイパワー車両においては、
ドライバビリティを大きく向上させることが可能となります。

それに、トラクションが強く安定していることで、同じスピードで
高速コーナーに進入し、同じようにアクセルを踏んでいても、
エンジンパワーが、より効率よく路面に伝わることから、
コーナーの出口では、スピードが少し速くなるというメリットも加わります。

以下は、デフのロック率と、高速コーナーでの安定感、
そして、アンダー/オーバーのバランスを図解しています。

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デフのロック率が高い場合は、高速コーナーで安定しているという
メリットはありますが、少々曲がりにくくなり、バランス的には、
アンダーステア方向へ。

そして、LSDのロック率が低い場合は、曲がりやすいというメリットは
ありますが、安定感が弱くなり、オーバーステア方向のバランスとなります。

以上のように、減速時/高速コーナーともに、デフのロック率は、
クルマの安定性に対し大きく関与しています。

そして、安定性が向上すると、クルマは、アンダーステア方向のバランス
となることから、どれぐらいの強さでLSD を効かせるかによって、
そのクルマのキャラクターも決定付けられてしまう
とても重要なパーツなのであります。

また、減速時/高速コーナー における
LSD セットアップアップ の 「キモ」 は、
アンダーステアは、さほど強くない状況で、十分な安定性がある
「ちょうどイイ効き」 に設定することです。

さぁ~、今まで、6回に渡りお届けしてまいりました

田中ミノル式
FF 機械式 LSD 完全解説 「曲げるための LSD 有効活用法」

LSDの解説をメカニズムの図解や、複雑な計算式を使用するのではなく、
ドライバー目線(ドライバーが感じ取るフィーリング)のみで、
解説を行うという かなり無謀な企画でしたが、
みなさん、ご理解いただけましたでしょうか?

LSD を使用すると、ドライバーは、どのように感じ、
LSD をどのように活用すれば、速く走れるのか・・・。

ということを、一部でもご理解いただけていたら、田中は嬉しいですね~。

最後に、もう一度、おさらいすると・・・、

みなさんに活用していただきたい LSD のメリットは、

 オープンデフでは、反応してくれない、タイトコーナーの
  アクセルを踏み始める ポイントで、的確にトラクションが反応してくれる

② タイトコーナーのクリッピングポイント周辺で、ほんの少しアクセルを
開くと、アンダーステアが抑制され、急激にクルマが曲がり始める
  (LSD乗り)

③  コーナー進入時(減速時)と、高速コーナーで、安定感が増大する

といったことです。

そして、田中の個人的な見解となりますが、LSD を装着したことに対して、
少々注意が必要な部分は、

 ミッションオイルの交換頻度が高くなる

 アクセルON にて、LSD の ロック率が変化する状況で、
  少しだけ、直進安定性が悪くなる部分がある
  (ステアリングをホールドしていれば問題ない範囲です)

 LSD がロックすることにより、少し走行抵抗が増える
ことから、LSD
のメリットを有効活用できないと、
ラップタイムにアドバンテージがない

 LSD のセットアップ、使用するオイルによっては、
チャタリングが発生し、
ストリート走行での快適性が失われる

 キャンバーがガッツリと付いている場合、内輪の内側角の磨耗が進みやすい

と、なります。

なかなか、書きにくい部分ではありましたが、
みなさんが、今後、LSD を投入するかどうかの判断材料として、
メリットだけではなく、注意点も必要かと思い、誤解を恐れず、
書いてみました。

いや~、かなりの 長文となりましたが、以上が、

田中ミノル式 
FF 機械式 LSD 完全解説 「曲げるための LSD 有効活用法」 となります!

最後に、本ブログを書くために、たくさんのみなさんに、
ご協力いただきました!

TOM’S  レーシングエンジニア の TJ  さん

モーターファン イラスト レーテッド 編集部の M さん

モータージャーナリスト の S さん

内容を確認いただきました K 先生

心からお礼申し上げます。
ありがとうございました!

そして、長編ブログに、お付き合いいただきました みなさん!!
ありがとうございました!!

駆動系パーツ
田中ミノル式  FF 機械式 LSD 完全解説  「曲げるための LSD 有効活用法」⑤

2015年01月24日(土)

p18

では、今回は、LSD が装着されていて、
はじめて活用できるドラテクのお話です。

(そうです! この部分が、LSD 装着における
最大のメリットなのであります!!)

LSD を 「コーナリングパーツ」 として活用する
田中ミノル式 「曲げるための LSD 有効活用法」
それは、タイトコーナーのクリッピングポイント周辺における
ドラテクにあります。

そして、いよいよ、そのドラテクを伝授したいのですが・・・・・、
その前に、まず、オープンデフと、LSD の「トラクション配分の違い」
を理解いただく必要があります。

オープンデフ →  いつでも、左右均等に トルク (トラクション) を伝える

LSD   →  伝える トルク (トラクション) が、状況により左右で変化する

重要なこと、それは、LSD を装着した場合、
直進状態では、エンジンの トルク (トラクション) は両輪に均等に
振り分けられますが、コーナリング & 荷重移動 により、
タイヤのグリップに左右差が発生すると、分配されるトルク (トラクション)
は、左右均等ではなくなるということです。

ちょっと、混乱しますよね・・・・。
だって、LSD が装着されているほうが、いつも左右のタイヤが同じ強さ
(トルク) で、駆動されている、イメージがありますからね・・・。

でもね・・・、よ~く考えてください。コーナリング中、
左右のタイヤのグリップは、いつも、同じではありませんよね?

たとえば、100馬力のエンジンを搭載していて、ストレートでは、
左右のタイヤから、各々50馬力分のトラクションを路面に伝えていたと
しましょう。この状態から、コーナーに進入すると、外輪には、
大きく荷重がかかり、グリップは向上しますが、
内輪は、荷重が抜けた状況となり、グリップは低下します。

こうなると、たとえ デフロック 状態であっても、タイヤのグリップ分しか、
トラクションは路面に伝わりませんので、内輪 30馬力分  外輪 70馬力分
といったように、エンジンのトルク (トラクション) は、
タイヤのグリップによって、左右に分配されてしまうのです。

そうです! ここで言う、トルク (トラクション) の強弱とは、
「路面に伝わるトルクの強さ」 となりますので、
タイヤのグリップ状態によって、変化することになるのです。

問題は、この左右のタイヤに伝わるトルクが、どのように、
振り分けられるかですよね。

それを カンタンに理解するためには、もうひとつ覚えなければならない
法則があります。その法則とは・・・・・、LSDでは、

「負荷が低い方から、負荷が高い方へ、トルクは流れる!」

ということです。

要するに、エンジンから発生したトルクは、負荷が高いタイヤには、
多く割り振られ、負荷が低いタイヤには、
あまり割り振られないということです。

コーナリング中、大きく荷重移動されている状態
(外輪→荷重大 内輪→荷重小) では、タイヤのグリップが左右で異なり、
大げさに言えば、外輪 275幅のタイヤ、内輪 125幅のタイヤ といった
感じとなり、圧倒的に外輪のグリップが高くなります。

この状況で、アクセル(加速)や、エンジンブレーキ(減速)を使用すると、
外輪の負荷(グリップ)が大きいことから、内輪にかかっていたトルクが、
外輪に振り分けられることになります。

結果、外輪の方が強いトラクションを発揮する・・・、というのが、
LSDの正体 (田中ミノル式 ドラテクには、一番欲しい特性)
なのであります。

だって、クリッピングポイントからの加速中に、外輪のトラクションが
強いということは、すご~く曲がることにとっては、好都合です!

たとえば、直進状態であっても、駆動輪の 右に 275幅のタイヤ、
左に 125幅のタイヤ (外径は同じと仮定)を装着した場合、
大きなトラクションをかければ、クルマは左に曲がろうとしますよね?

ですから・・・、
コーナリング中、外輪へ振り分けられるトルクが強い状況では、
とっても曲がりやすい環境が発生するのです。

では、ここまでの解説を図によって、おさらい してみましょう!
まず、直線状態では、左右均等にトラクションはかかります。
(ここは、LSD 装着車でも、オープンデフでも同じですね)

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でも、コーナーで荷重移動が発生すると、内輪のグリップが減少し、
外輪のグリップが増加します。

すると、LSD の場合、トルクが外輪に振り分けられますので、
とっても曲がるのに、有利な状況が発生するのです。

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ただ・・・・、
この曲がりやすい環境を作るには、ドラテクが必要となります。

なぜなら、LSD を装着すれば、どんな状況でも、
クルマは曲がりやすくなるのではなく、
ドラテクを駆使し、ある一定の条件を満たしたときに この
「曲がりやすい環境」 が作れるからです。

では、ドラテクを交え 順を追って、タイトコーナーにおける
LSD有効活用方法を伝授しましょう!

まず、「トラクション性能の向上」でも解説しましたように、
ブレーキングを伴うコーナーの場合、ドライバーの作業は、

① アクセル OFF
② ブレーキング(減速のためのブレーキング)
③ 徐々にブレーキリリース(曲がるためのブレーキング)+ ステアリング
④ 完全にブレーキリリース + 最大舵角

の順です。

たとえば、FF 車両 & 左コーナー で考えると、
グリップの100%をヨコ方向に使用している 上記④ の状況では、
大きな荷重移動が発生していますので、タイヤのグリップは、
右フロント → 大  左フロント → 小 の状況となります。

そして、この状況から車速が落ちる等、少しでもグリップに
余裕ができれば、ドライバーは、ヨコ方向のグリップが不要になる分のみ、
ほんの少しアクセルを踏み、タテのグリップを使用することが可能となります。

もちろん、ここで、ドライバーが少しでもアクセルを踏み過ぎると、
曲がる(ヨコ方向のグリップ)と、加速する(タテ方向のグリップ)の両方を
要求されるフロントタイヤは、グリップの限界を越えてしまい
アンダーステアが発生してしまいます。(グリップの80%をヨコ方向に
使用している状況で、30%のトラクションを加えた状況等)ですから、
グリップのギリギリを狙って、ほんの少しだけアクセルを踏み始めます。

すると・・・・・、このアクセルにより、LSD のロックが始まります!

そうです! 荷重移動により、外輪に荷重が片寄っている状況で、
LSD がロックされることで、トルクを負荷の強い外輪に振り分けますので、
外輪のトラクションは、内輪より強くなり、
「一気にクルマは曲がり始めるのです!」

このクリッピングポイント周辺で、ほんの少しアクセルを踏む
(アクセル開度5%~20%レベル) テクニックこそが、
LSD乗り」 と呼ばれるドラテクなのであります。

ポイントはアクセルを踏む量です。
もし、クルマが加速するぐらいアクセルを踏めば、
タイヤの限界を一気に超えて、アンダーステアとなります。

だから、ここのアクセルは、加速のアクセルではなく、
LSD をロックさせるためのアクセルが必要となります。

また、ここでアクセルを踏むために、進入のスピードを控えたり、
スローインファーストアウトのラインを使用すると、アクセルを踏む
タイミングで、荷重の移動量が少なくなることから、効果が半減します。

ですから、しっかりコーナーへ飛び込んで、クリッピングポイント直前に、
十分に荷重移動している状況を作り、

「ここからアクセルを踏んだらアンダーになるだろうなぁ・・・」

というポイントから、LSDをロックさせるために、
加速させないように、ほんの少しアクセルを開く。

このテクニックこそが、LSD乗り」 の正体であり、
LSD を最大限に曲げることに、有効利用するドラテクとなります。

ポイントをまとめますと・・・・、

1) タイヤがグリップしていること
2) 大きな荷重移動が発生していること
3) 早いタイミングで、ほんの少しのアクセル

という組み合わせが必要となり、一番曲がりやすい状況を作るには、
荷重の移動量、アクセルを踏む量とも、かなりピンポイントです。

(ここは、いろいろなパターンをトライして、
一番曲がるパターンを探してください!)

そして、FF 車両の場合、駆動輪と、操舵輪が同じですよね・・・・・。
ということは、ハンドルが切れた状況で、LSDがロックし、
外輪のトルクが強くなりますよね・・・。

そうです、この曲がるのには、とても好都合なそして、
特殊な状況によって、クルマは、驚くほどグリグリと曲がり出します!

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ですから、はじめは、LSD をロックするためだけに、
ほんの少し踏んだアクセルは、「クルマが曲がること」 によって、
どんどん開けることが可能となり、「アッ」という間に、全開となります。

では、この一連の操作をドライバーの心境を元に解説すると・・・、

① レイトブレーキ気味に飛び込んで、うまくブレーキリリース
(コーナーのボトムスピードを上げるイメージ)

② 完全にブレーキリリースするポイントを ほんの少し早めに設定

③ ここからアクセル踏んだら、絶対にアンダーになるなぁ・・、
というポイントとスピードで、ほんの少しだけアクセルON
(なぜだか、身体にちょっとだけ力が入る・・・・)

④ するとLSD がロックされ、クルマはどんどんインを向く!
タイヤのグリップを超えた、なんだか異次元の曲がり!!

⑤ クルマは強烈に曲がるので、アクセルも一気に開いていく

⑥ えっ・・・、こんなハイスピードのまま、曲がれちゃった

といった感じとなります。
(伝わりましたでしょうか・・・?)

かなり、複雑な話となりましたが、
これが、FF 機械式 LSD のメリットであり、
「曲げるための LSD 有効活用法」なのであります。

ですから・・・・、曲げるためにLSD を活用するには、
上記のような独特のドライビングと、このドラテクに完全リンクした
LSD のセットアップ が必要となり、この両方が そろわない と、
いくらLSD を装着しても、

「タイムが速くならない・・・」
といった状況が発生してしまうのです。

ドラテク的に、よくあるNGパターンとしては・・・・、
オープンデフの時と同じように、アクセルがガッツリ踏める状況になってから、
一気に アクセルON! とか・・・・、
(クリッピングポイント付近にて、ほんの少しだけのアクセルが踏めない)

ブレーキリリースの精度が悪く、クリッピングポイント手前で、
アンダーステアを出してしまう とか・・・・、

進入スピードが甘く、クリッピングポイント周辺で、
大きな荷重移動状態を作れない とか・・・・、

アクセルを早く踏みたいので、立ち上がり重視のラインで進入・・・・では、
まったくLSD を有効に使用できませんので、
上記のドライビングに心あたりのある方は、
ぜひぜひ、田中ミノル式 LSD ドラテクを試してみてくださいね!

では、次回(最終回)は、減速時のメリットを解説します!

駆動系パーツ
田中ミノル式  FF 機械式 LSD 完全解説  「曲げるための LSD 有効活用法」④

2015年01月23日(金)

p17

さぁ~、今回からは、実際にドライバーがどのように
LSD を活用すれば、「今までより速く走れるのか」 といった部分を
お伝えしたいと思います!

ただ・・・、ここから先・・・・、
ドラテクの基本を理解する必要があるんですよ・・・。

ですから!エキスパートの方には、 「もう、知ってるよ!」 と
言われそうですが、「おさらい」 ということで、
少々ドラテクにお付き合いください。

タイヤの タテ グリップ / ヨコ グリップ
まず、タイヤには、
タテ方向のグリップ (ブレーキ & トラクション) と、ヨコ方向のグリップ
(コーナーに対して踏ん張る力) の2種類のグリップが存在し、
ドライバーはそれらを組み合わせて、グリップの限界内で走っています。

このグリップを余すことなく有効に使用するためのドラテク術である、

田中ミノル式   タテ + ヨコ ≦ 10 の法則

詳しくはこちらを!

その①
その②
その③
その④ 

要するに、減速を伴うコーナーにおいて、タイヤの タテ グリップ と、
ヨコ グリップ を 組み合わせることで、進入から立ち上がりまで、
ずっと、タイヤのグリップを Max に活用するためのドラテクなのであります。

では、本題に、いきますよ~!
LSD 装着によるメリット、まずは、みなさん よ~くご存知の
「トラクション性能の向上」 です。

LSD を装着すると、コーナリング中に、大きな荷重移動により、
たとえ内輪のグリップが、大きく低下しても、しっかり、外輪には、
エンジンパワー(トラクション)が伝わります。

ですから、内輪が空転することで、外輪のトラクションが途絶える
オープンデフと比較して、アドバンテージがあるのです。

しかし、メリットは、「トラクションが強いこと」 だけではありません。
特に、クリッピングポイント近辺で、ドライバーが、アクセルを開けた瞬間は、
とても大きなメリットが存在しますので、ちょっと、その状況をイメージして
みて下さい。

ブレーキングを伴うコーナーの場合、ドライバーの作業は、

① アクセル OFF
② ブレーキング(減速のためのブレーキング)
③ 徐々にブレーキリリース(曲がるためのブレーキング) + ステアリング
④ 完全にブレーキリリース + 最大舵角

の順で、クリッピングポイントを迎えますよね?

そして、クリッピングポイント周辺にて、少しでも、グリップに余裕が
できた瞬間、この余裕 (グリップ) を無駄なく使用するために、
ドライバーはアクセルを踏み始めます。

この状況を FF 車両のフロント外輪で考えると、タイヤの タテ グリップ と
ヨコ グリップ の関係は、下記のグラフ(面積)のように表記することが
できます。

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ちょっと、説明を加えると、ブレーキのリリースが完全に終了した後、
タイヤのグリップは、ヨコ方向のみに使用され、そして、曲がりながら
車速が落ちることで、少しヨコグリップに余裕が生まれる瞬間
(上図 A の部分) に、ドライバーはアクセルを踏みはじめます。

しかし、オープンデフ の車両では、このドライバーからクルマへの指示は、
反映されません。なぜなら、この状況でドライバーがいくらアクセル踏んでも、
内輪の空転により、外輪にトラクションが伝わらないからです。

結果、このクリッピングポイント周辺で、タイヤのグリップを有効に
活用することができず、ドライバーは、内輪の接地が強くなるまで、
「待つ」 しか手がありません。

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また、この指示(アクセルON)に対してクルマが反応しないことから、
ドライバーは、その先に存在する とっても重要なドラテク
(次回に説明します)を活用できないという大きなデメリットがあるのです。

いや~、ついに 核心に迫ってきました
田中ミノル式  FF 機械式 LSD 完全解説 「曲げるための LSD 有効活用法」

では、次回は、LSD 装着における 最大のメリットとなる、
究極の LSD 活用法 と ドラテク を 一気に、そして、ジックリ と
解説したいと思います。

みなさん、いよいよ ですよ~!
(明日の夜に、アップできるよう 頑張ります!!)