BILLION
BILLION OILS FR-720 発売の知らせ! 

2024年08月01日(木)

本日は、BILLION OILS の新アイテム FR-720 のご紹介でございます!

BILLION OILS FR-720

用途

FR 機械式 LSD 装着車 の デフオイル
4WD 機械式 LSD 装着車 の リアデフオイル

(除くトランスアクスル)

適合

ストリート & ワインディング & ミニサーキット


BILLION OILS FR-720 は、

「チャタリングの抑制に特化した」

FR機械式LSD専用オイルです。


新規ブレンドの部分合成油によるベースオイルと、BILLION OILS のテクノロジーがギッシリ詰まった添加剤構成により、低温域から高温域まで、チャタリングの発生を極限まで抑制したLSDロックを実現します。

今までどのオイルを使用してもチャタリングが発生する車両への使用や、リニアでスムーズなトラクション性能といったニーズには、とってもオススメの特性となります。

また、チャタリングが抑制されても、LSDの効きがルーズになるのではなく、LSDはシッカリと本来の効きを発揮しますので、スポーツドライビングを楽しみながら、ストリート/ワインディングを快適に走行したいといったニーズにも適合します。

といった特徴を持つ、機械式LSDを装着した FRならびに、4WD(リアデフ) に、ご使用いただけるデフオイルなのであります!

(要するに、デフだけが個室に入っていて、機械式LSDが装着されている車両に適合します)

まぁ~、田中が、
ストリートも、ワインディングも、サーキットも、走り回って、

チャタリングを徹底的に抑制できる!

というニーズに向かって、
全力で開発をかけたオイルですから、自信アリアリでございます。

ですから、マジに、今まで、いろんなオイルを使用したけど、
どーしても、チャタリングが発生してしまう車両には、
ぜひ、お試しいただきたいと思います!!

もちろん、チャタリングが発生していない車両にも、ご使用いただけます!(笑)

でもって、お値段は!

BILLION OILS FR-720

0.5L  1,980円 (税込)

1.0L  3,850円 (税込)


1.3L  4,950円 (税込)

と、リーズナブルに仕上げましたので、
ストリート & ワインディング & ミニサーキット と、
かなり、お気軽にご使用いただけると思いますよ~!!

ちなみに、サーキットの連続周回をメインとされる車両(油温120℃以上での使用)
には、BILLION OILS FR-780FR-760FR-740コンペティションモデル の方が
適合しますので、上記からのチョイスをお願いいたします。

ということで!

リニアでスムーズなトラクション性能と、
ストリート/ワインディングがメインで、
時々ミニサーキットといった使用用途の方には、
特にオススメのアイテムとなりますので、

FR/4WDに、機械式LSDを装着されているみなさん!

ぜひ、よろしくお願いいたします!!

    本ブログにてご紹介した製品等のお問い合わせは、こちらのフォームから!!
    (お送りいただいた内容は、本ブログには掲載されません)

    ※送信後、3営業日以内に返信が無い場合、メールアドレスの入力誤りや、送信エラー等の可能性があります。その場合は、恐れ入りますが mail@tm-square.com までご連絡をお願い致します。

    駆動系パーツ
    TM-SQUARE デュアルコア LSD <ZC33S> いよいよ、リリース!

    2019年09月11日(水)

    OS技研さんのご好意にて、納期、前倒しにて、
    なんとか、増税前に到着した、
    TM-SQUARE デュアルコア LSD ZC33S 専用品!

    (いや~、マジで間に合わせていただきました! あざ~す!!)

    ということで、今回のブログは、
    この LSD ができるまでの開発ストーリーをご紹介したいと思います。

    まず、33 LSD の開発が、
    本格的にスタートしたのは、2017年12月でございます。

    まぁ~、このときは、ZC32S と、ZC33S は、
    同じミッション型式なので、
    ふつ~うに、ZC32S の デュアルコア LSD が、
    そのまま、ZC33S に使用できると、思っていたのですが・・・・、
    世の中、そんなに、甘くない・・・・・(笑)

    でも、強引に、ZC32S の デュアルコア LSD を 6号車に装着(笑)

    詳しくは、当事のブログを!!

    TM 6号車(ZC33S) に、LSD装着!

    LSD がミッションケースに干渉・・・、
    ミッションケースを削る・・・・、
    削ったら穴が開いた・・・・、
    だから、溶接でその穴を埋めた・・・。

    きっと、レーシングメカニックでなければ、
    この発想は、ないように思います・・・。ハイ(笑)

    そして、ZC32S では、完璧なマッチングだった(自我自慢です・・・・笑)
    片側5組の ディスクが、ガッツリ入っている
    ZC32S デュアルコア LSD ではありますが 、

    どうやら、ZC33S に使用したら、
    LSD のロックが、少し弱いと感じたのであります。ハイ。

    理由は、中速域のトルクが、やはり、NAエンジンより格段に高く、
    このトルクに、LSD のロックが負けて、ディスクに滑りが、
    発生してしまうんです・・・・・。

    そこで、タイムアタックイベントでは、
    イニシャルトルクを向上させ、マッチングをとりましたが、
    まぁ~、そもそも、この片側5組のLSDは、市販ができませんので、
    (だって、ケースを削って、溶接して下さいとは、取説に書けないです・・・)

    その後、ZC33S のミッションケースに対応する 
    片側3組の LSDの開発をスタート。

    詳しくは、当事のブログを!!

    待ちに待った、試作品 到着!!

    でも・・・、片側3組のディスク、
    おまけにデュアルコアではないタイプでは、
    まったく、ロック力が足りず・・・、開発は、かなり苦戦・・・・・・。

    だってそうですよね・・・。
    片側5組のディスクが入っている  デュアルコア タイプ ですら、
    ZC33S のトルクに、ロックが負けていたのですから・・・。

    で、このテスト結果を元に、
    OS技研さんに、いろいろと相談していたら・・・、

    「じゃ、もっと強いカム角を作りましょう!!」 と言っていただき、
    数ヵ月後には、新しいカム角のプレッシャーリングが届きました!!

    それをテストしたときの様子は、当事のブログで!!

    2019.03.29 FSWショート 開発テスト ZC33S(6号車)! 

    でもって、このあたりから、開発は一気に進み、
    片側3組 の デュアルコア ではない仕様でも、
    ほぼ、合格点が付くぐらいマッチングが良くなってきました。

    そして、そのタイミングに、満を持して、デュアルコア が完成!!

    ギアが送られてきたときのブログは、こちら!
    (ブログへのリンクばかりですいません・・・・・)

    超待望の 「歯車」 が到着!!

    その後、ストリートテストを繰り返し、
    最終確認のため、FSWショートへ、テストに!!

    2019.08.09 FSW-ショート デュアルコアLSD 開発テスト!

    いや~、ZC33S の LSD開発も、田中ミノル 頑張りました・・・・(笑)

    ちなみに、この デュアルコア タイプ と呼ばれる LSD を 
    超カンタンに説明すると、

    通常なら、イニシャルトルク + カム角によって、
    LSD ディスクを押さえつける力 (LSD のロックの強さ) は、決定しますが、

    デュアルコア の場合、上記の状態から、
    アクセルを踏むことで、斜めに切られた サイドギア の効果により、
    LSD ディスクを押さえつける 力 がプラスされ、
    より強力なロックが発生する仕組みになっています。

    まぁ~、平たく言えば、

    「アクセルONにより、イニシャルトルクが増大する」 

    という、機構のLSD なのであります。

    ちなみに、OS 技研 さんの WEB サイトでは、

    「トルク感応型」 と 「回転感応型」 の融合!

    という表現が使用されています。


    OS 技研 WEB サイト

    ですから、デュアルコア LSD の場合は、

    ロックの強さ = イニシャルトルク + カム角 + アクセル開度

    となりますので、曲げるために必要となる強力な LSD のロックを
    ドライバー自身がアクセルにより作ることが出来ること、
    そして、そのロックをコントロールできることが、大きなメリットとなります。

    この新機構により、
    アクセルを踏むとグイグイ曲がる究極のコーナリング性能と、
    チャタリングのない快適なストリートの性能を
    両立させることができるのであります。

    で、最後に、先日もご紹介いたしました プライスは、

    2019年9月30日 までに出荷ができる場合  178,000円(税込)
    2019年10月1日 以降に出荷となる場合   180,000円(税込)

    となり、在庫もございますので、ZC33S 乗りのみなさん!
    どうぞよろしくお願いいたします!!

    あっ!
    こちらの LSD は、マニュアルトランスミッション専用となり、
    オートマチックトランスミッションには、ご使用いただけませんので、
    お間違いなきようよろしくお願いいたします!!

    以上、TM-SQUARE デュアルコア LSD ZC33S 専用品 
    リリースのお知らせでした!

      本ブログにてご紹介した製品等のお問い合わせは、こちらのフォームから!!
      (お送りいただいた内容は、本ブログには掲載されません)

      ※送信後、3営業日以内に返信が無い場合、メールアドレスの入力誤りや、送信エラー等の可能性があります。その場合は、恐れ入りますが mail@tm-square.com までご連絡をお願い致します。

      駆動系パーツ
      TM デュアルコア LSD ZC33S 専用品の納期!

      2019年08月22日(木)

      ZC33S 乗りのみなさん!
      吉報でございます!!

      昨日、OS技研さんから、ご連絡をいただき、
      な、なんと! 先日のテストにて、最終仕様が決まったばかりの 
      TM-SQUARE デュアルコア LSD ZC33S専用品が、

      9月中旬に、ファーストロットが届くスケジュールにて!
      現在、製造されている と、ご報告いただきました!!

      いや~、ホント! 感謝いたします!!

      ですから、早ければ、9月20日過ぎには、
      商品のリリースが可能になるような感じですよね~。

      また、販売価格は、ZC31S/ZC32S と同じとなる
      178,000円(税込) でございます。ハイ。

      ちなみに、 弊社「匠工房」では、9月いっぱいまで(増税前)、

      TM-SQUARE デュアルコア LSD (ZC33S専用品)
      純正部品(サイドベアリング×2  オイルシール×2)
      BILLION OILS FF-730
      作業工賃

      オールトータルにて、235,750円 にて、

      作業が可能となりますので、
      日程等々、ぜひぜひ、以下のお問い合わせフォームより
      ご連絡いただければ、ありがたいです。
      (10月以降は、上記金額と異なりますこと、ご了承下さい)

      以上、取り急ぎ、納期のご連絡でございました!!

      2019.08.09 FSW-ショート デュアルコアLSD 開発テスト!

        本ブログにてご紹介した製品等のお問い合わせは、こちらのフォームから!!
        (お送りいただいた内容は、本ブログには掲載されません)

        ※送信後、3営業日以内に返信が無い場合、メールアドレスの入力誤りや、送信エラー等の可能性があります。その場合は、恐れ入りますが mail@tm-square.com までご連絡をお願い致します。

        駆動系パーツ
        「匠パック」 LSD編

        2009年11月25日(水)

        好評の、SPORT ECU の

        「匠パック」 に引き続き、

        LSD も「匠パック」 を設定しました!

         

        もちろん、作業を行うのは、

        現役GTメカニック の 「なんぐう」 さんです。

         

         

        p1030251

         

         

        この男、いや、この方は、

        私生活には、一抹の不安がありますが・・・、

        メカニックとしては、極上です。

        (田中の保障付き)

         

        今期も、ガライヤをGT300で走らせ、

        惜しくも、タイトルこそ取れませんでしたが、

        活躍は、みなさんも、よくご存知かと。

         

        LSD の「匠パック」 は、

        この 「なんぐう」 さんに、

        全開で頑張ってもらい、

        なんと、日帰り作業を可能としました!

         

        もちろん完全予約制となりますが、

        午前10時頃に、車輌を持ち込んでもらうと、

        午後6~8時 までには、

        LSD がバッチリと組み上がっているのです!!

         

         

        オマケに、RSなんぐう のファクトリー?の近くには、

        ① 八景島シーパラダイス

        ② 三井アウトレットパーク横浜ベイサイド

        ③ コストコ 金沢シーサイド

         

        という、楽しくて、あっという間に時間が過ぎる

        アトラクション? もありますので、

        彼女や友人と、遊んでいる間に、

        LSD が組み上がるんですね~。

         

        もちろん、ずっとガレージで、

        レーシングメカニックの作業を監視?

        するのもアリです。

        (注 事務所には、入らないことをお奨めします・・・)

         

        p1030267

         

         

        でもって、LSD 「匠パック」の内容は、

         

        交換パーツ

        ① TM-SQUARE LSD  115,000円

        ② LSD オイル(2L)     5,145円

        ③ デフ サイドベアリング(純正部品)  4,935円

        ④ オイルシール インプットシャフト(純正部品)  420円

        ⑤ デファレンシャル サイドシール(純正部品)  1,050円 

         

        と、これらの交換作業が、

        ぜ~んぶ SET になって、

        168,000円 !

         

         

        上記、作業に、

        アライメント調整&コーナーウエイト調整を

        追加した場合は、

        188,000円 !!

         

         

        という、スペシャル価格の

        スペシャル企画です。

         

        レーシングメカニックが組み込んだ、

        田中 渾身のLSD 。

         

        みなさん、どーぞよろしくお願いします!!

         

        TM-SQUARE LSD 「匠パック」

         

        ちなみに、「なんぐう」 ファクトリーの隣は、

        「タッシー」 ファクトリー。

         

        ということは、・・・・・・・・。

        駆動系パーツ
        LSD 出荷可能です!

        2009年11月16日(月)

        大変お待たせいたしました。

         

        先週末に、

        TM-SQUARE LSD が、

        入荷しました。

         

        ike_00151

         

        スイフトの運動性能と

        コーナリング性能に、合わせ込むため、

        徹底的に行われた開発。

         

        そして、その中で決定された

        理想の

        カム角と、イニシャルトルク。

         

        チャタリング音や震度のない

        ストリートでの快適性。

         

        何ひとつ妥協することなく、

        田中が理想とする

        LSD のりリースです。

         

         

        みなさんどーぞ、よろしくお願いします!

        駆動系パーツ
        LSD 基礎講座 最終回

        2009年10月24日(土)

        今回は、LSD 基礎講座の最終回。

         

        では、今までの話のまとめとして、

        田中が思う、BEST  のLSD とは、

        いったい、どのようなものか?

        を話しますね。

         

         

        私が考える スイフトにおける、

        BEST  のLSD とは、

        以下の条件にあてはまるものです。

         

         

        ① 絶対に振動やチャタリング音がないこと。

        もうこれは、絶対です。

        レース専用車輌だと、話は別ですが、

        ストリートでも使用する限り、

        ドライバビリティを損なう、

        振動やチャタリング音は、絶対NGです。

         

        私もスイフトをストリートで使用している

        一人のドライバーとして、

        これらのデメリットが発生しない範囲で、

        カム角とイニシャルトルクを設定しました。

         

        ② タイトコーナーの出口で、アンダーステアが抑制されること。

        これは、LSD を装着する

        最大のメリットとなります。

         

        しかし、一般的に振動や

        チャタリング音がしないタイプのLSD は、

        どうしても効きが弱く設定されています。

         

        TM-SQUARE LSD では、

        イニシャルトルクは比較的、

        低めに設定しましたが、

        加速側のカム角は、

        ある程度、強いタイプをチョイスしています。

        多くの順列組み合わせの中から、

        ドライバビリティを損なわない範囲で、

        タイトコーナー出口のトラクションは、

        シッカリ確保しましたので、

        アンダーステアを抑制し、

        ラップタイム短縮に貢献します。

         

        ③ 中高速コーナーの進入でクルマが安定し、恐怖感なく責められること。

        このメリットは、

        イニシャルトルクと減速側のカム角で、

        作り上げました。

         

        弱いブレーキングや、

        アクセルオフだけの減速、

        パーシャルによるスピードコントロールを

        要するコーナーにおいて、

        少しだけLSD を効かせることで、

        クルマの不安定な動きを取り除いています。

         

         

        もちろん、2way のように、

        強くは効きませんので、

        コーナー進入でアンダーステアが

        強まることはありません。

         

        このように、

        スイスポの車輌特性に合わせ込んだ

        作りとなっていますので、

        一般的なLSD メーカーの商品とは、

        確実に一線を引く、

        言わばセットアップ済みのLSD となります。

         

        田中の自信作、「TM-SQUARE LSD」。

        ラップタイムと快適さを両立したい

        ドライバーには、超お奨めです。

         

         

        p1040659

        駆動系パーツ
        LSD 基礎講座 ⑦

        2009年10月22日(木)

        今日の午後、

        富山出張から帰ってきた、田中です。

         

        ところで、

        前回お話した、

        イニシャルトルクの話、

        理解できました?

         

        ポイントは、

        最終的なロック率は、

        イニシャルトルクとカム角の

        足し算で決まると言うことです。

         

         

        ここまで来ると、

        田中が、LSD 基礎講座 ① で話した、

        1way、1.5way、2way の分類分けに、

        あまり賛成しないという意味がわかるでしょ?

         

        だって、

        減速側ではカムによるLSD 効果のない、

        1wayタイプと言えど、

        イニシャルトルク分は、

        減速側であってもロックが発生します。

         

        なのに、

        「1wayタイプ = 減速側で、いっさいロックしない」

        または、減速側で、LSD が効かないということは、

        起こり得ないのです。

         

        極端な話をすると、

        イニシャルトルクが弱く、

        カム角の小さな、1.5wayよりも、

         

        イニシャルトルクがある程度強い

        1way の方が、

        減速側で、LSD が効くことが、

        あるのです。

         

        だから、LSD は、1way、1.5 way、2 wayと

        いうタイプで、特性を把握することより、

        カム角とイニシャルトルクの

        組み合わせで発生する、

        トータルのロック率を考えて、

        セットアップしていくことが、何よりも重要なのです。

         

        おまけに、カム角には、

        効きにタイムラグがあったり、

         

        減速側のカム角を小さくすると、

        グラフの立ち上がり方だけではなく、

        最大での効きも減少しますので、

        このあたりの味付けは、

        かなり複雑です。

         

        それを、順列組み合わせで

        やり切った、

        TM-SQUARE の LSD って、

        かなり男らしいでしょ?

         

        p1040650

        駆動系パーツ
        LSD 基礎講座 ⑤

        2009年10月20日(火)

        では、今回は、

        イニシャルトルクのお話を。

         

        イニシャルトルクとは、あらかじめ、

        プレッシャープレート(LSD の構成パーツ)に

        圧力をかけ、

        起動トルクを大きくする手法です。

         

        イニシャルトルク内の力で、

        トラクションがかかっている場合、

        左右のタイヤがロックされた状態となります。

         

        サスペンションスプリングで

        言うところのプリロードと同じです。

         

        特に、縁石などで、

        片輪が浮いた状態では、

        接地しているタイヤに

        トラクションが伝わるかどうかは、

        このイニシャルトルクの強さがすべてとなります。

         

        また、イニシャルトルクが強いと、

        ニュートラル域でのロック率も上がり、

        ロックのレスポンスが向上しますが、

        左右の回転差が

        必要な状況(ストリートにおける、低速+大きな舵角)では、

        振動やチャタリング音が

        発生しやすくなります。

         

         

        そして、LSD の効き(ロック率)は、

        このイニシャルトルクと

        カム角の組み合わせで、作り出すのです。

         

        だから、たとえば、「10」 という

        効きが欲しければ、

        「3」 をイニシャルトルクで作って、

        「7」 をカム角を作るようなセットアップにします。

         

        ただ、「7」 をカム角で作ると言っても、

        前回までに説明したように、

        カム角には、時間軸による効きの

        カーブがありますので、

         

        最終的には、「10」 になっても、

        最初は、イニシヤルトルク分の、

        「3」 からはじまり、

        徐々に、効きが強くなり、

        最終的に、「10」 になるのです。

         

         

        あと、

        このイニシャルトルクは、

        クラッチプレート(LSD 構成部品)の磨耗で、

        装着後の走行距離に応じ、

        初期設定時(通称 蔵出しトルク)より、

        弱くなってしまいます。

         

        だから、機械式LSD は、

        2年に一度ぐらい、

        メンティナンスが必要になってしまうんです。

         

        ご理解いただけましたか?

         

        次回は、イニシャルトルクの続きです。

         

         

        p1040658

        駆動系パーツ
        LSD 基礎講座 ④

        2009年10月19日(月)

        では、今日は、

        減速側のカム角の話を。

         

        FF + 1.5way のLSD の場合、

        減速側のカム角は、あまり大きくしません。

         

        理由は、コーナー入口で

        アンダーステアになりやすいからです。

         

        では、なぜ、減速側に

        LSD の効きが必要かと言いますと、

        それは、ブレーキング時の安定感のためです。

         

        減速時に、LSD が効くと、

        クルマは、真っ直ぐ走ろうとします。

         

        真っ直ぐ走る = 安定感がある

        となりますので、

        ブレーキング時に

        クルマが左右に暴れにくくなるんです。

         

        また、この特性は、

        高速コーナーでの、

        パーシャル域でも有効です。

         

        全開でいけないような高速コーナーで、

        アクセルを少し抜いて、

        エンジンブレーキがかかった瞬間に、

        クルマが 「グラッ」 ときて、

        そのまま、”さようなら~” って、

        よくある話です。

         

        こんな時、

        減速側でLSD が効いてくれたら、

        クルマは、安定した状態が

        保たれるというわけです。

         

         

        でもね、この減速側での効きは、

        「諸刃の剣」 でもあります。

         

        だって、コーナーの進入で、

        安定しすぎると、

        必ずや、アンダーステアになりますから・・・。

         

        だからこそ、徹底的な開発が

        必要になるのです。

         

        TM-SQUARE LSD は、

        ブレーキや高速コーナーでは、

        クルマを安定させ、

        コーナー入口では、

        アンダーステア にならない。

         

        その、微妙な、いや、絶妙な

        カム角の設定となっています。

         

        どうです!

        これぞ、こだわりでしょ??

         

         

        では、次回は、

        イニシャルトルクのお話を!!

         

        ike_96501

        駆動系パーツ
        LSD 基礎講座 ③

        2009年10月17日(土)

        では、今日は、

        LSD のカム角の話を。

         

        話を単純にするため、

        減速側のことは、

        ちょっと、置いておいて、

        加速側のことで、説明しますね。

         

        カム角のことを

        機構の説明から入ると

        頭が混乱しますので、

        カム角=実際の効果 という形で、

        ドライバー視線から、お話します。

         

        このカム角によって、

        何が一番大きく変わるかというと、

        アクセルON によって、

        LSD が、どのようなカーブを描きながら

        ロックしていくかが決定されます。

         

        では、下のグラフを見てください。

         

        lsd-e381aee58ab9e3818de696b9

         

         

        これは、

        時間軸の、一番左側で、

        アクセルON にして、

        LSD が、どのようにロックしていくかを

        グラフ化したものです。

         

        赤いラインは、

        アクセルON の瞬間から、

        レスポンス良く、効いているのに対して、

         

        青のラインは、

        ロックするまでに、

        少し時間がかかっていますよね。

         

         

        そうです、この違いを作り出すのが、

        カム角なんです。

         

        このカム角は、

        数字が大きくなると、

        レスポンス良く、急激にロックし、

        数字が小さいと、

        徐々にロックします。

         

        たとえば、30度のカム角と

        45度のカム角では、

        45度の方が、より速く、LSDが効き、

        両輪がロックされるのです。

         

         

        でね、大切なことは、

        タイトコーナーの出口って、

        いきなり、アクセルは、全開にならないでしょ?

         

        ということは、

        この、レスポンスは、

        全体的に、

        もっとゆっくりになるんですよ。

         

        だから、カム角によって、

        アクセルに足が乗った瞬間から、

        全開になるまで、

        LSD が、どの瞬間から、

        どれぐらいの強さで効くかを

        決定できるのです!

         

        タイトコーナーの立ち上がりで、

        どのように、LSD を効かせるかを

        決められることから

        LSD は、とっても重要な、

        セッティングパーツ となるのです。

         

        TM-SQUARE LSD は、

        この部分を田中が

        徹底的にテストしてカム角を

        決定したんですね~。

         

        それも、既存のカム角では、

        少し、妥協しなければならない点が

        あったので、作ってもらったというわけです。

        まさに、田中ミノル オートクチュール なのです!!

         

        みなさん、理解できましたか?

         

        では、次は、減速側のカム角の話を!

         

        ike_00211