フロントキャンバーの必要性について
ZC31Sスイフトにとって、速く走るために、フロントキャンバーは、MUSTです。
全高が高く、ロールが大きいスイフトでは、スポーツ走行時、コーナー外側のタイヤが、大きく「ヨレ」、キャンバーが
少ないと、タイヤの外あたりが激しく、適正なグリップを確保できません。
数多くのテスト走行から、サーキットにおいて必要とされる フロントキャンバー値は、
-4.5度 ~ -6.2度 となります。
(サーキットの特性によって違ってきます)
数字だけを見ると、かなり大きなキャンバー値ですが、コーナーにおいて、有効にタイヤを接地させるためには、
上記のキャンバーが必要となります。
たとえば、筑波1000 の場合、
-4.5度 と、-5.8度 の比較では、-5.8度仕様の方が、0.4秒速いという結果が出ました。
(筑波2000の場合は、もっとフロントキャンバーが必要です)
また、-4.5度 以下のキャンバーのほうが、速いサーキットは、今までのテストにて1箇所も存在しませんでした。
(-4.5度 が、適合したのは、WETコンディションの スパ西浦 のみです)
しかし、デメリットもあります。
それは、キャンバーにより、ストリートにおける タイヤの「内ベリ」と呼ばれる変磨耗が、発生する場合があることです。これは、高速道路等、タイヤの横グリップをさほど使用しない状況で、長期間使用することで発生します。
もちろん、サーキット等スポーツドライビングでは、-4.5度のキャンバーが付いていても、タイヤの外側が磨耗します
ので、スポーツドライビングの頻度によって、この「内ベリ」は、抑制されます。
なお、あまりにも大きな「ワダチ」があるようなところでは、キャンバー値によっては、直進安定性が、悪くなることも
あります。
たとえば、215サイズのタイヤなら、
キャンバー値が小さいと、
ストリート → 215サイズのグリップ
サーキット → 125サイズのグリップ (タイヤの外側が磨耗)
キャンバー値が大きいと、
ストリート → 125サイズのグリップ (タイヤの内側が磨耗)
サーキット → 215サイズのグリップ
となります。
要するに、215幅のグリップをストリートで使用したいか?
それとも、サーキットで使用したいか?
ということになります。
悩ましいですよね・・・・・・・・。
田中のオススメは、
もし、現行キャンバーが、-2.5度 より少ない場合は、TM-SQUAREフロント アップライト
を装着すると、サーキットをはじめとするスポーツドライビングでは、コーナーでのフロントグリップが向上し、
ストリートでのデメリットも、ほぼ発生しないと思います。
しかし、現行キャンバーが、-2.5度 以上 付いている場合は、使用環境を良く考えて、
サーキットでのグリップを優先にする場合は、オススメ。タイヤの磨耗の方が気になる場合は、オススメしません。